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TISネットワーク通信vol.37-NEWS

国際交流員から!~令和7年度国際消費者シンポジウム in 徳島~

6月6日、「国際消費者シンポジウム in 徳島」が開催されました。例年は秋の開催ですが、今年開催される「食育推進全国大会」と同時開催することになり時期が早まりました。これにより、開催時期が大阪・関西万博と重なった為、シンポジウム参加者は同時期に万博を訪れる事が可能となりました。

今年のメインテーマは「未来に引き継げる徳島にーSustainable AI Land TOKUSHIMAー」でした。知事と消費者庁の挨拶でシンポジウムは始まり、続く基調講演では、マルハニチロ株式会社が同社のSDGs達成に向けた取り組みについて発表しました。食品に特化した企業として、同社は日本だけでなく世界全体で消費される食品をより持続可能なものにするための取り組みを進めています。発表の中で特に注目を集めたのは、養殖業におけるイノベーションです。個人的には、介護食への取り組みは非常に興味深いと思いました。既に高齢化が進んでいる日本ですが、バブル期の団塊世代の高齢化も相まって、近い将来、さらに高齢人口の割合は増すと予想されていますが、同社の取り組みはそんな状況を想定したもので、とても役に立つ取り組みだと思いました。

続いて行われたグローバル・ユース・セッションでは、徳島県内および海外(オーストラリア、マレーシア、フィリピン、タイ)の大学生が、「食におけるエシカル消費の在り方」をテーマに、令和6年度にそれぞれが作成したハンドブックについて発表しました。エシカル消費という普遍的な課題に対し、学生たちはそれぞれの提言を発表したのですが、同じテーマを扱っていても、それぞれの視点や、大学生ならではの視点で解決策を提言する様子は、大変興味深いものでした。

完成したハンドブックは、県の公式ウェブサイト(別ウインドウ)で公開されています。

最後に、消費者政策専門セッションでは、日本国内および海外(香港、韓国、タイ、日本)の消費者政策専門家を招き、各国における食品の捉え方や食品への取り組みを通して、消費者行政が持続可能な社会づくりに向けてどのように前進していくべきかについて議論しました。関心の高い課題としては、効果的な政策立案と実施、文化と不必要な食品過剰生産との関連性、意識向上と並行した行動の促進、グリーンウォッシング、フードバンクなどが挙げられます。

現在、各国は行動変容の実現に困難を抱えています。この問題を根本的に解決する為には、消費者に関心を持ってもらい、意識を高めると共に、効果的に行動させることが大切です。消費者政策専門セッションのパネリストである香港のクリスティン・ロー氏は、スペインの成功事例を挙げました。この地方自治体は消費者に対し、持続可能な社会に貢献する積極的なコミュニティメンバーになるよう頻繁に促したというのです。地方自治体による「繰り返し」が消費者の参加を促すことに効果的であるという話を聞いて、行政が消費者を導く上で果たす役割の重要性を改めて認識し、このような事例が世界中でもっと知られ、実践されるべきだと感じました。

翌日、シンポジウム参加者(海外からの参加者を含む)は、アスティとくしまで開催されていた「第20回 食育推進全国大会 in TOKUSHIMA」のスタディーツアーに参加する機会を得ました。2つのグループに分かれ、国内のゲストや、海外のゲストも、持続可能で、エシカル消費と教育を推進する様々な企業による、革新的で意義深い取り組みを紹介する主要ブースを視察しました。もちろん、取り組みの成果である食品も試食しました!

これら二つのイベントは、食料問題をはじめとする地球規模の課題への対応を通して、持続可能な社会を実現するためには、政府、企業、そして個人が緊密に連携していく必要があることを改めて強調するものだったと感じています。そして、人類が生き残っていくためには、各国が互いにベストプラクティスを学び合う国際協力が今後ますます重要になると考えています。こうしたイベントが今後も継続され、さらに発展していくことを願っています。

シンポジウム・本大会の詳しい情報については、以下のURLからご覧ください!
(シンポジウムの様子は、後日に以下の専用サイトにて配信する予定です。)

国際消費者シンポジウム in TOKUSHIMA(別ウインドウ) (JP

国際消費者シンポジウム in TOKUSHIMA(別ウインドウ)(ENG)

第20回 食育推進全国大会 in TOKUSHIMA(別ウインドウ)

次回号でお会いしましょう!

~グローバル・ユース・セッション~
~消費者専門セッション~
~スタディーツアー(食育推進全国大会)~