「消費者力」は、気づく力、断る力、相談する力、とも言われています。情報の真偽を見分け、おかしいなと気づく。勧誘や契約の違和感に気づいたら、毅然と断る。そして早い時期に適切なところに相談する。こうした力が身につくことで、消費者トラブルを回避できると言われています。
デジタル化が進み、私たち消費者は簡単に情報を手に入れることができるようになりました。でも見えない仕組みによって、実は誘導されているのではないか、と気づく力を身につけることは簡単ではありません。また、お得なお試し価格で商品を購入したつもりが、翌月も商品が届き、定期購入になっていたとわかるケースもあります。そこで解約したいと思っても、手続きが複雑なケースがあり、断るのに時間も手間もかかってしまいます。消費者センターに相談する際に、契約内容がわかる情報が残っていないと、説明するのが大変になります。訪問販売や電話勧誘では、契約書面があることが多いのですが、デジタル化の今は書面が残らない契約があり、自分で保存する必要があります。相談するのも一苦労です。
デジタル化が進むことで、消費者を取り巻く環境は大きく変わりました。電話勧誘、訪問販売からトラブルになることは相変わらずありますが、インターネット通販での定期購入やサブスクリプションの解約トラブル、誇大広告、偽サイト詐欺、SNSを入り口にした投資詐欺など、デジタル社会特有の複雑な問題に、消費者は出会うようになりました。
点である個人の消費者力を線でつなぎ、面にして安全、安心な地域にするのが、地域の消費者力ではないでしょうか。家族や近隣の見守りが、気づきや相談を促すきっかけになり、個人の経験を周囲に伝えることで、被害が拡大することを防ぐことができます。手前味噌ですが、消費者協会は地域に根差した組織です。連携し、情報を伝え、共に学んでいます。消費者まつりや、消費者のつどい、とくしま消費者交流ひろば、などで地域に働きかけています。こうした活動が面としての消費者力を高め、デジタル社会における、安全・安心を支える基盤になると考えています。