消費者庁新未来創造戦略本部(以下「未来本部」という。)は、徳島県をはじめとした地方公共団体と連携しながらモデルプロジェクトや政策研究の推進に取り組んでおり、その取組の数々については本稿でも取り上げて御紹介してきました。
しかし、未来本部は地方公共団体だけではなく、様々な地域の主体と連携しながら取組を行っています。特に、徳島大学とは、未来本部の前身である消費者行政新未来創造オフィスの時代から継続的に連携をしてきました。その具体的な取組の一つとして、南川慶二教授の御協力のもと、教養科目「消費者が主役の社会へ」を開講しています。
本授業は、消費者問題について、消費者被害の実態を知り、そのための行政や地方公共団体の取組や対策などを体系的に学ぶことを通じて、自らだけでなく、周囲の人々を被害から守るための知識や視点を養うことを目的としています。さらに、消費者の視点から、社会の一員であることを見つめ直し、情報の取捨選択や、多角的な視点を養うことで、主体的に社会に関わっていくスマートな消費者となるための基礎を身につけることも目指しています。
授業は、未来本部が企画・コーディネートし、未来本部の職員及び外部講師が登壇するオムニバス形式で構成されています。消費者市民社会の構築という観点から、消費者行政の制度や歴史に関する基礎的理解に加え、モデルプロジェクトや政策研究といった実務の取組、徳島県における行政の現場の実態、さらには相談現場から見た消費者被害や情報の在り方、環境・エシカル消費といった現代的課題までを横断的に取り上げ、多面的に考察する内容としています。
こうした教育活動が評価され、本授業は徳島大学の「教養教育賞」を2年連続で受賞することができました。同賞は、非常勤講師を含む教養教育科目の担当教員を対象に、教育方法及び内容が学生から高い評価を受けた優れた授業を顕彰し、教養教育の質的向上を図ることを目的とするものです。今回の受賞は、学生から高く評価された結果であると受け止めています。
本授業は学生が学ぶ場であると同時に、未来本部の職員にとっても学生の率直な意見や多様な視点に触れる貴重な機会となっています。今後も、地域におけるこのような連携を大切にしながら、取組を充実させていきたいと考えています。