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TISネットワーク通信vol.38-REPORT(JICA)

独立行政法人国際協力機構(JICA) パラグアイの食文化と実状に関して

 パラグアイで食品衛生に関する業務を行っている石川大です。首都アスンシオンから車で3時間ほど東にいった、人口10万人ほどの地方都市、カアグアス県カアグアス市のサンタクララデアシス医科大学健康科学部生化学科に赴任して3か月ほどになります。

 ところで、この国の主な死因は何だと思いますか?実は日本と同様、非感染性疾患で、糖尿病や肥満が大きな問題になっています。この国のひとたち(パラグアージョ)は、本当にお肉が大好きで、誕生会などの様々なイベントではもちろん、休日ごとに、友人や家族を囲んでアサード(BBQ)を食べます(写真1)。エンパナーダやボリボリ(写真2)など、他の多くのパラグアイ料理も肉、小麦粉や油を使い、茹でたマンディオカ(キャッサバ)(写真3)が付きます。

 そして野菜をあまり食べません(新鮮な野菜は普通に買えます)。その代わりと言っては難ですが、マテやテレレ(冷たいマテ)を飲みます。茶葉などを入れたグアンパと呼ばれる容器に、お湯(テレレは冷水)を注ぎ、ボンビージャと呼ばれる特別なストローで、皆で回し飲みをします(写真4)。マテにはポリフェノールやフラボノイドなど、多くのからだに良いとされる成分が含まれています。

 現在私は、主に同僚たちと、これらの成分についての生化学的な役割を説明するなど、研究プロジェクトの立案、実験を行っています。マテの習慣がパラグアージョの健康バランスを保っているのではないかと思いつつ、少しでもこの国の生活スタイルに合った健康促進と栄養改善につながる活動ができたらと思っています。

写真1(Chancho(豚)のアサード)
写真2(ボリボリ)
写真3(茹でたマンディオカ)
写真4

 学長夫妻からいただいたマテ(左)とDia de la Amistad(友情の日)に友人よりいただいたテレレ(右)のセット(グアンパ、ボンビージャ、テルモ)。パラグアージョはこのセットを持ち歩くので、利用されている多くの方が、片手がふさがっている場面をよく目にします。