2025年6月6日に、国内外の消費者リーダーや次代を担う若い世代の方々が集う「国際消費者シンポジウム in 徳島」が徳島県の主催で開催されました。「未来に引き継げる徳島に」をメインテーマに掲げ、食品ロス削減や地産地消の推進など、「エシカル消費の推進」について活発な議論が交わされました。
消費者庁新未来創造戦略本部も本シンポジウムの趣旨に賛同し、徳島県からの依頼を受けて「消費者政策専門セッション」を企画しました。本セッションは「消費者行政の持続可能な社会へのアプローチ ~各国の食を素材に考える~」をテーマに、未来本部の黒木理恵本部次長がコーディネーターを務め、パネリストとしてカライスコス・アントニオス氏(龍谷大学教授)、プールダパット・ウィモンクナーラック氏(スコータイタマティラートオープン大学専任講師)、ホン・ジュンベ氏(韓国消費者院 消費者安全監視局長)、クリスティン・ロー氏(香港科学技術大学環境研究所 最高開発戦略責任者)を招き、パネルディスカッション形式で実施しました。
パネルディスカッションでは、まず、参加者からそれぞれの国・地域における「食に関する文化や風習とその変容」と「エシカル消費促進に向けた官民の取組と各国の特徴的なアプローチ」を発表していただきました。すべてを御紹介することはできませんが、各国の特色ある食文化の中に共通点がみられたのは非常に興味深いことでした。例えば「お米一粒も大切にする」という考え方は各国において共通していました。もっとも、その子どもへ伝え方については、各国で様々でした。ある国では、作り手への感謝をあげ、また、別のある国では、良い縁談との結びつきでお米の大切さを説いていました。このように、1つの事象でも、共通点と相違点とを確認することができ、様々な国と地域に参加していただいた意義がありました。
その後は、それぞれの発表に対して参加者が質問をしながら議論が進められました。これらの発表や議論を通じて、エシカル消費(持続可能な食)は世界全体の問題であり、それぞれの国と地域が協力・協働して取り組んでいくべきという点が共通認識として得られ、国際シンポジウムとして意義深いものとなりました。
当日の様子は徳島県の下記ウェブサイトにて配信される予定とのことですので、御興味のある方は、ぜひ御覧ください。