笑顔で写真に写る彼らは、「徳島県立徳島商業高等学校の高校生」と「大鵬薬品工業(株)の社員」だ。大鵬薬品工業(株)が取り組んでいる※Table for two(以下TFT)プロジェクト。今回は徳島工場の食堂で実施された。該当する定食を食べると開発途上国に1食あたり20円の寄付がされる。TFTが支援する地域では、20円は給食1食分に相当する。
今回、大鵬薬品工業(株)では東アフリカにあるタンザニアを対象にTFTプロジェクトを実施した。定食メニューは徳島県立徳島商業高等学校の生徒がアイデアを出し、大鵬薬品工業(株)の方々と一緒に考案した。生徒たちは、タンザニアのことをより深く知るために今年2月に『JICA国際協力出前講座』を活用し、タンザニアで活動していたJICA海外協力隊の帰国隊員からタンザニアの文化や食べ物について学んだ。
4月、いよいよメニューが完成した。販売初日のメニューは『タンタンピラウ定食』。タンザニアで親しまれている料理の1つだ。準備された160食はあっという間に完売。今回、徳島県立徳島商業高等学校の生徒はTFTプロジェクトに初めて携わり、初めてタンザニア定食の考案を行った。彼らはこのプロジェクトや出前講座を通してどんなことを感じたのか。また高校生が考案した定食やTFTプロジェクトについて職員の方々はどのように感じているのだろう。話を伺った。
今回の取り組みで感じたことは?
生徒:「タンザニアはもともと全然知らない国だったが、TFTを通じてタンザニアのことを知り、人の役にも立てたと思う。
生徒:「出前講座を通じてタンザニアのことを知ることができた。他の場所でもTFTに積極的に取り組む人や会社ができればいいなと思います。」
こだわったポイント
生徒:いろどりにこだわりました。どうしても全体的に茶色が多くなってしまうためトマトを使用し鮮やかに見えるように心がけました。
生徒:定食を通じてタンザニアのことを知ってもらいたい。という思いで作りました。
出前講座で印象に残っていることは?
生徒:「講座を聞いてタンザニアのことを深く知ることができました。」
生徒:「現地の料理の写真を使って話してくれたのでイメージがしやすかった。」
生徒:「日本のお弁当とタンザニアのお弁当は全然違うなと感じました。」
将来はどんなことをしていきたいですか?
生徒:「寄付だけではなく、自分にできることから積極的に行動していきたい。」
生徒:「私は将来パティシエになりたいと思っています。積極的に商品に使う材料に開発途上国産地の物を取り入れて国際協力を行っていきたい。」
タンザニア定食を選んだ社員にも話を伺った。
なぜこの定食を選びましたか?
社員:「高校生が考案したのを知り食べてみようと思った」
定食の感想
社員:「すごく美味しい。少しスパイスが効いていてチャーハンとは違った感じで美味しいです。普段は定食を食べているだけだけど、今日はこの定食を食べることによって社会貢献できている気がする。特別な定食だと思います。少しでも多くの人に食べてもらって多くの子供達に給食が届けばいいなと思います。」
この日は準備された160食が完売になり160人分の給食がタンザニアに寄付されることになった。
徳島県立徳島商業高等学校の高校生、大鵬薬品工業(株)の社員を中心に実施された本プロジェクトは大成功となった。
プロジェクトを通して、タンザニアについての理解・知識を深め自分たちが考案した定食が完成し、そして完売したときの高校生たちの誇らしげな顔はとても印象的だった。
そして高校生を支えた関係者の方々もとても素敵な表情をされていた。きっとこの皆様の温かい思いはタンザニアの子供達に給食を通して伝わるはずだ。素敵なプロジェクトにJICAも関わることができてとても光栄でした。ありがとうございました。