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TISネットワーク通信vol.34-REPORT(ジャイカ)

独立行政法人国際協力機構(ジャイカ) JICA徳島デスク 国際協力推進員 服部 あい

・モルディブと日本

 皆様、こんにちは。突然ですがモルディブ共和国はご存知ですか?

 私は2019年にJICA海外協力隊(体育隊員)として、インド半島南西のインド洋にある島々、モルディブ共和国の小学校に派遣されました。

 1192個の島々から成り立つモルディブ共和国は、全部の島を合わせても徳島県よりも小さい国です。

 当時首都のマレを歩いていると「日本人か?」と声をかけられることが多く、歩いているだけで沢山のモルディブ人の方に「ありがとう!」と言われたのを今でも覚えています。

 海に囲まれたモルディブは、過去、浸水の被害が多く、また排水の不十分さから浸水は長期化し伝染病も萬廷していました。

 この災害の緊急援助(国際協力)を機に日本は15年の歳月をかけ、マレの周りに防波堤を設置。このプロジェクトが終了して2年後、不幸なことにスマトラ島沖大地震がインド洋の島々を飲み込みました。ですが、マレをぐるりと囲んだ防波堤が島を守り、一人の死者も出すことなく済みました。そのことから、日本人というだけでとても喜んでくれる人が多かったです。

・現地の様子

 海がとてもきれいなモルディブ共和国では、休日になると皆で近くの島にピクニックをしに行きます。

 海で遊んでいるときに子ども・大人関わらず、皆に言われたことは「泳ぎ方を教えて」です。

 当時モルディブ共和国は、まだ体育の授業が国全体で活発に行われておらず、体育の授業を受けたことがない人が多かったからです。

 そのため「泳げるようになりたい」と思っていた人が多かったように感じました。

 現地では、体育の授業の進め方を学校の先生に伝えたり、一緒に授業を考えて授業案を作成したり、各島の先生方に集まっていただきワークショップを開催したりしていました。今も学校体育の現場が先生にとっても子ども達にとっても楽しい時間であれば嬉しいです。

・現在

 今はJICA徳島デスク・国際協力推進員としてモルディブで経験したことを徳島県の子ども達や大人の方々にお話する仕事をしています。

 生活、文化、考え方など自分の「当たり前」が「当たり前じゃない」こと、自分が外国人になった立場から見えたこと、感じたこと、などを皆様にお伝えすることで他の国のことを知っていただき、また徳島県に住む外国人のことを知りたいな!お話してみたいな!と思うきっかけになればと思っています。また、私自身モルディブ共和国で暮らす中で、現地の方々に助けていただいたことが多々ありました。その中で感じた「国際協力とは?」もお伝えさせていただいております。

 自分のことを大切に、周りのことも大切に、できる社会を!これからも徳島県のイベントや出前講座(注)を通してお伝えできればと思っています。