米国の小売り向けソリューション提供企業のPDIテクノロジーズが2022年3月に米国の消費者を対象に実施したアンケート調査によると、68%の回答者が「環境にやさしいかどうか」が購入時の決め手として重要だと回答しており、人々の環境などに対する意識が高まりつつある。同国では、パッケージやフードロスの削減などの観点から、量り売りを行う店舗も増えている。また、環境・社会配慮にこだわった製品を中心に取り扱う店舗もある。
全米に500店以上を展開する高級スーパーチェーン「Whole Foods Market」では、オーガニックを中心とした品ぞろえが豊富で、肉や魚の販売コーナーには、環境関連の各種認証の取得有無なども示している。他にも、「地産地消」を目的に、店舗に商品を供給する地元企業や生産者をビジネス面での指導・教育や財政支援など、サステナブルな取り組みも行っている(対象商品には「We love Local」というプレートが付いている)。
1975年にサンフランシスコで創業した老舗である「Rainbow Grocery Cooperative Inc.」では、地産地消を意識した品ぞろえが豊富で、特に食品の量り売りのバリエーションも多く、客は自分でタッパーや瓶などの入れ物を用意して、自分で必要な分を取って計量するスタイルとなっている。種類は、穀類、茶、コーヒー豆、油、塩、スパイスなどの調味料、ナッツ、ドライフルーツ、乾燥食品などがある。また、ソース、キムチ、ピーナッツバター、みそなども複数の取り扱いがある。
Rainbow Grocery Cooperative Inc.左側の計量台で必要なもの
を計って買う様子
「Erewhon」は、2023年4月現在、ロサンゼルス市内に10店舗を構える高級スーパーで、ローカルブランドやオーガニック、環境配慮、社会配慮などの製品を取りそろえており、リユース可能なガラス瓶入りのソースやドレッシングなどの自社製品も多く、他のスーパーで扱っている商品はあまり見かけない。そのため、店の推奨商品やブランドには従業員による手書きの商品説明が添えられており、特に環境や人権に配慮した商品がハイライトされている。一般スーパーに比べると価格帯はかなり高いが、意識の高い消費者でにぎわう。
以上紹介した店舗では、オーガニックや健康志向と並ぶ新たな価値として、環境・社会配慮、サステナビリティーを提案している点が共通している。
※掲載写真はすべてジェトロ撮影
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