文字サイズ

やさしいブラウザ・クラウド版はこちらからご利用下さい
ロゴ

TISネットワーク通信vol.21-REPORT(ジェトロ)

「ものづくりの国」、リサイクル促進に動く(チェコ)

独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)徳島貿易情報センター

「ものづくりの国」チェコでは、持続可能な開発目標(SDGs)のうち、「12 つくる責任、つかう責任」への取り組みの遅れが指摘されている。原料リサイクル率でEU平均を大幅に下回っている現状に鑑み、政府は2030年までに2019年比でこの比率を倍増させる目標を掲げている。

 国内の企業でも、再生利用に向けてさまざまなプロジェクトを進めている。チェコでは、非営利団体のチェコ・ソーシャルレスポンシビリティー連盟が2017年から、国内の企業や団体、個人に対してSDGs賞を毎年授与している。そのうち、持続可能な成長で世界的なインパクトを与える可能性を持つプロジェクトに対して与えられるムーンショット賞に選ばれたのが、チェコのスタートアップ、レフォーク(本社:プラハ)である。

 レフォークは2019年に設立された技術開発・製造企業で、木紛をベースとしたプラスチック代替原料の研究開発や、これらの原料を用いたフォーク、ナイフの製造を行っている。原料の木粉には、木材加工の際に発生する木くずを利用しており、これに、自然界に存在する天然ポリマーや鉱物を加えて製造している。当該原料はカトラリー以外の製品にも利用可能で、硬質プラスチック製品の大半に関して代替が可能とみられている。

 同社は現在、木粉以外の原料開発にも取り組んでおり、欧州域外の国で多く排出される廃棄物(米のもみ殻、タケノコの廃棄部分、クルミの殻など)の利用可能性に関して、研究を進めている。これが実現すれば、世界各地でその地の条件に合わせた製造が可能となり、いかなる地域でも環境改善が図れることになるとして、国外進出にも意欲を示している。また、同社は持続可能な開発に関する知見向上にも力を入れており、顧客のみならず、広く一般消費者を対象に分解性、ライフサイクルなどをテーマに啓発活動を行っている。

 ジェトロ海外調査部とプラハ事務所では、チェコでの持続可能な取組を中心に、上記に関する調査を実施しました。フィールド調査を通してチェコ企業の具体事例などをご紹介しています。是非、ご覧ください。

報告書全文はこちら
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2021/1101/6ad8b69d8a427ea2.html