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TISネットワーク通信vol.20-COLUMN

認知症への理解を深める

栄 礼司(消費者庁新未来創造戦略本部)

 わが国の高齢化率は 2021年10月時点で28.8%と過去最高の数値となっていますが、認知症者の推計人数についても同様に上昇しており、2025 年には、65歳以上の方の約 5 人に 1 人が認知症となると推計されています。これに伴い、認知症が疑われる方が当事者となる消費者トラブルも年々増加することが予測されることから、新未来創造戦略本部では、全国の消費生活センターに寄せされた相談情報を分析することにより、認知症が疑われる方が陥りやすい消費者トラブルの傾向やその予防策を取りまとめることを目指したプロジェクトを進めています。

 
 自然言語処理(人間が日常的に使っている日本語や英語などの自然言語をコンピューターで解析等する処理技術の総称)を用いた分析の結果、相談内容等は年代や性別により異なる傾向がみられました。例えば、男性では電話を介した契約トラブルが、女性では裁判所などを語る訴状や差し押さえ通知書が届くといった郵送によるトラブルが特徴的であることが示唆されました。本年7月に消費者庁HPで中間報告を公表(以下URL参照)していますので、興味のある方は是非、ご一読ください。


 今後は今回の結果をもとに、より詳細な分析を行うとともに、企業や行政機関で高齢者対応に従事する方の参考となるようなガイドブックの作成を考えています。

中間報告(プログレッシブ・レポート)の公表ページURL:https://www.caa.go.jp/policies/future/icprc/research_003/

男性
     
女性

参考:認知症が疑われる65歳以上の男性(左)と女性(右)の相談内容に見られる重要度の高い語句の比較2022年7月に公表した中間報告より抜粋