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保健製薬環境センター試験研究評価実施要綱に基づき、事前評価2テーマ、事後評価2テーマの評価が実施されるとともに、1テーマの報告がなされました。
その評価結果(評価点数)は、以下のとおりです。
①事前評価(平成25年度において、新たに実施しようとするもの。)
・日本紅斑熱リケッチア遺伝子迅速検査法の検討及びマダニからの日本紅斑熱リケッチアの検出(平均4.2点/5点)
・徳島県における大気中代替フロン等の実態調査(平均4.0点/5点)
②事後評価(平成23年度に試験研究が終了したもの)。
・食品苦情検査事例における迅速検査法の検討(平均4.2点/5点)
・徳島県における廃棄物を利用したバイオエタノールの研究(平均3.5点/5点)
県では、今回の評価結果を踏まえ、今後、以下のとおり取り組みます。
○「事前評価」の2テーマについては、いずれも評価点が2.5点以上と、研究テーマとして採択するレベルにあり、各委員からの意見も参考に、研究内容のさらなる充実を図るなど、予算化を検討します。
○「事後評価」の2テーマについても、いずれも評価点が2.5点以上と、研究成果が評価されたところであり、各委員からの意見も参考に、より一層の成果の活用や普及に努めます。
(委員コメントのまとめ)
日本紅斑熱については、症例は少ないが、本県で発見され、西日本に感染が拡がっており、今後、増加する可能性もある。感染した患者の中には重篤な症状に至る事例もみられ、適切な治療を早期に行うことが必要なため、迅速な診断が可能な遺伝子を用いた検査法を確立する当研究は必要であり、検査マニュアルの確立が望まれる。
リケッチアによる日本紅斑熱の感染情報を、早期に、現場で治療にあたっている内科医や皮膚科医へ伝達・周知できることでも意義深いが、さらに、伝播メカニズムの解明に繋がることが期待される。
なお、検体数や、遺伝子検査の具体的手法(どういう塩基配列を増幅など)など、この研究のより詳細な内容については、今後、実施に向けて煮詰められたい。
(委員コメントのまとめ)
本県における大気環境中の代替フロン等の濃度を把握し、排出源からの影響を調査するものであり、地球温暖化問題に関連した今日的研究テーマとして必要で、目標、研究内容、手法についての妥当性も認められる。
また、季節変動、曜日毎の変動も考慮され、ベンゼン比等を用い、排出源の影響を検討するなど、研究の内容が明確に示されており、この方向でしっかり実施することが期待される。
なお、排出源の影響として排出源ごとの寄与率を明らかにするなど当研究の成果を、どのように県民生活や事業活動に活かしていくのかについて、さらに検討することが望まれる。
(委員コメントのまとめ)
今回の研究により、苦情頻度の高い消毒臭の原因物質ハロゲン化フェノールについて、固相マイクロ抽出法(SPME)-ガククロマトグラフ質量分析法が、異臭苦情検査の「迅速分析法」として適用できるという一定の成果が得られたところ。
今後、学会発表や他県の研究者との交流などで得られる知見を踏まえ、この手法をマニュアル化するとともに、他の物質への適用拡大を図られたい。
さらに、実際に、残留農薬や食品製造装置からの異臭物質混入などの食品苦情事例が発生した際に迅速に対応できるよう、県においてこの手法を活用できる体制を整えるとともに、県民や事業者もこの成果を享受できるようなプロセス(例えば、民間分析機関への積極的な情報提供など)が確立されることを期待したい。
(委員コメントのまとめ)
今回の研究により、すだちの搾りかすを原料とした、市販の酵素による糖の生成及び固定化酵素による糖からのエタノールへの変換の確認を通じ、すだちの搾りかすによるエタノール製造の可能性が検証されるとともに、コスト試算(概算)を通じ、糖化効率の飛躍的な向上の必要性など大きな課題が明確になるなど、一定の成果が得られたところ。
すだちの搾りかすに注目した点は良かったが、今後、実用化に向けて、
1製造工程における最大の問題である効率的な糖化の方法(微生物の活用など)の開発
2他県で産出するみかん類の搾りかすを加えて、原料の規模を大きくする方法
3ライフサイクルアセスメント的な評価の実施
などについて、検討されることを期待したい。
(研究の概要)
この研究は、地方公共団体の環境研究所による組織、全国環境研協議会の酸性雨広域大気汚染調査研究部会による共同研究「全国酸性雨調査」に本県も参加するもの。
今年度、第5次調査が終了し、来年度から第6次調査が開始の予定であり、手法等の研究内容については、部会において統一的に定め、実施するものである。