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試験研究評価シート(徳島県における大気中代替フロン等の実態調査)

課題名 「徳島県における大気中代替フロン等の実態調査」

  1. 評価の種類:事前評価
  2. 担当名:大気環境担当
  3. 研究期間:平成25年度~平成27年度
  4. 予算種類:県単独
必要性

 近年、オゾン層破壊物質である特定フロン等(クロロフルオロカーボン「CFC」やハイドロクロロフルオロカーボン「HCFC」)に替わって普及している代替フロン(ハイドロフルオロカーボン「HFC」)は、業務用冷凍空調機器、家庭用や自動車用のエアコン等の冷媒などとして使われており、機器の廃棄や使用中の漏洩等に伴い、大気中への排出量が増加している。

 このHFCは、二酸化炭素の数百~4000倍と温室効果が高く、また、現状の対策レベルで推移すると、国内排出量は2020年までに現在(2008年)の約3倍に膨らむと国において推計されているところであり、地球温暖化対策の観点からの課題の一つとなっている。

 本県においても、地球温暖化対策推進計画によると、国と同様に2007年の約3倍となっており、CO2やCH4など他の温室効果ガスが微減、微増であるのに対し、著しく異なる傾向を示している。

 このような代替フロン等については、国における全国データを基に、本県の状況を算定しているところであり、その実態は必ずしも明らかになっていないことから、新たな調査が必要である。

※他県では、都市部において排出源由来と示唆される高濃度が出現したという観測事例あり。

目標

 代替フロンや特定フロンの大気環境中の濃度を把握し、排出源からの影響について調査することにより、今後の効果的な地球温暖化防止対策の基礎資料とする。

研究内容

 排出源の状況を踏まえた調査地点ごとに、大気試料を採取し、代替フロンや特定フロン等の分析を行い、得られたデータについて、バックグラウンド濃度や本県のこれまでの関連データなどと比較し、物質毎の大気環境中の濃度レベルの現状や経年変化の状況を把握する。

 また、県内排出量算定値(地球温暖化対策推進計画等による)を踏まえ、地点間の濃度を比較することなどを通じ、排出源からの影響を検討する。

手法

1調査地点:

 化学物質の大気環境濃度推定及び暴露評価モデルADMER((独)産業技術総合研究所開発)を使用し決定。

2調査期間・時期:

 ・県内濃度調査地点四季毎24時間採取

 ・時間曜日変動調査地点夏季および冬季に土曜~日曜と火曜~水曜の24時間中に3時間毎

 ・自動車影響調査地点自動車混雑時および通常時に短時間採取

3調査分析方法:

 大気試料は、あらかじめ真空にしたキャニスターを用いて採取し、代替フロンや特定フロン等の分析は、「有害大気汚染物質測定方法マニュアル」を参考に、前処理として大気試料の濃縮を行い、ガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて行う。

4評価方法

 ・バックグラウンド地域(環境省の観測する北海道の根室・稚内周辺地域)の濃度

 ・本県における過去の濃度(特定フロンに係るもの)

 ・地点間の濃度の違いや、時間・曜日による濃度変動

 ・地球温暖化対策推進計画による県内排出量算定値(代替フロン)

 ・PRTRによる届出外排出量推計(特定フロン等)

 ・実測濃度や推計値から算出したベンゼン比を利用し、影響を検討する。