学習
小学校6年生理科、小学校6年生家庭科
【内容】
夕食に食べた食品から、生き物のつながりをたどる。(植物も生き物であり、土壌・水・日光・空気と発展するのも良い。)
※「プロジェクト・ワイルド:(財)公園管理財団」の「晩ごはん、何食べる?」を応用したものです。生きものは「野生生物(動植物)」の意味。
※キーワード:食物連鎖/植物/動物
【ねらい】
植物は、直接又は間接的に、人間を含むあらゆる動物の命を支えている。私たち人間は、本来雑食性で、植物も動物も食べる。動物由来の食品を食べても、間接的に植物に依存していることに気づかせる。全ての動物は、食べ物が必要で、それは全て生きものである。
ここでは、夕食に食べた材料から、自分と生き物とのつながりや「食う食われる」という生き物同士の関係でのつながりに気づき、人間や他の動物がいかに植物に依存しているかを明らかにする。
【準備】
・筆記用具
・黒板(白板)
・画用紙またはポスター用紙 など
【実施上の注意】
● 「家畜・愛玩動物や作物・園芸植物」と「野生生物」の意味や違いを理解させる。
【方法】
[1] 夕食に食べたものを思い出し、その全てをリストアップする。
[2] 全員で、または一人ひとりかグループで、自分の食べ物がどのようにして届いたかを検討する。
[3] 全ての材料を植物までたどる。全ての材料を検討したら、食品からその源である植物に至るまでの経路を図化する。
(私ー角煮ーマグローイワシー動物プランクトンー植物プランクトン/私ーオムレツー卵ーニワトリー穀物など)
・わからなければ、相談したり、図書館やインターネットで調べたりする。
[4]「この活動でわかったことはなんですか?」と、子どもたちと話し合い、これをまとめる。
・人間や野生種を含めた全ての動物には、食物が必要であることを確認する。
・人間や野生種を含めた全ての動物は、食べ物として植物に依存していることを確認する。
(植物も動物を必要とすることに気づくことに期待する。)
[5] 生き物のつながり(食物連鎖)を最低3つ作り、つながりの長さを比べるなどによりふりかえる。
・動物が食べる全ての食べ物のもとは何ですか?(土壌・水・日光・空気も正解)
<発展1…植物に必要なものは?>
[1] 植物の食べ物(栄養)はなんでしょう?
・植物の生長に必要なものを考える。
・土壌・水・日光・空気のうち、土壌はどのようにしてできるのでしょうか?
[2] 植物の栄養はどのようにしてできるのでしょう?
・土壌の前は何だったのかを考える。
・土壌の生成過程を学び、そのもとは岩だったことに気づく。
・岩が風化した土や砂に栄養はあるのでしょうか?
[3] 植物も動物を必要としています!
・動物の排泄物や死骸、また枯れた草や木は、土壌動物や微生物が分解して栄養のある土壌を作ってくれる。
・自然の五大要素は「土壌」「水」「日光」「空気」「野生生物」で構成され、お互いに関係し合っていることに気づく。
<発展-2(プロジェクト・ワイルドのアクティビティ活用)>
※野性と家畜の違いや生物が生存するために必要な要素の理解を深める活動。
その1~野性ってなんだろう?~
対象:幼稚園~小3(これ以上)/
時間:60分/
人数:何人でも/
場所:室内
目標:1.野生動物と家畜化された動物を区別できるようになる。
2.野生動物には、様々な姿や形があることを理解できるようになる。
方法:野生動物と家畜の写真を探して分類し、コラージュをつくる。
・動物とは植物以外の生き物。生物とは動物も植物も含む全ての生き物。野生動物とは
・自由な状態で生活し、生息地の適切な環境があれば、食物、隠れ家、その他必要なものを自分で探す。人間に飼い馴らされていない。
・顕微鏡でしか見えない小さな動物から、クジラのように大きな動物まで含まれる。
昆虫類、クモ類、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類も、飼い馴らされていない動物は全て野生動物。
家畜とは
・人間が特定の目的のために飼い馴らし、捕われた状態を保ち、繁殖させている動物。
人間が長い時間をかけ、遺伝子を選びながら繁殖させてきたが、全ての家畜の起源は野生動物。
・牛は肉や牛乳やその他の製品のために、ヒツジは毛糸やその他の製品のために、イヌ・ネコ・飼い鳥・観賞魚は愛玩(ペット)として家畜化された動物。
野生化と家畜化
・野生状態で、飼い馴らされたり、家畜化されたりしている動物については混乱する。
食物を自力で確保し、生き残り、繁殖する場合は野生と言える。
・動物園の動物のように、一部の個体が飼い馴らされていても、種全体としては野生状態という場合もある。
・人間に慣れているように見える野生動物も、家畜化されていない限り、野生と考えるべき。
・イヌ、ネコ、ウマ、ヤギなどのように、家畜とされている動物も、野生になることがある。
そのような場合は「野生化」したと言い、野生か家畜かを区別するのが困難な場合は、どちらが「通常の状態」なのかを考えてみる。
・「野生動物は、生息地の適切な環境であれば、自立して暮らす。」「家畜は、食べることも身の周りことも人間に依存し、人間の食糧や製品の原料やペットとして人間が利用する。」ことを思い出す。
・イヌやネコなどの家畜は、通常ペットに適していると考えられるが、野生動物は、人間に馴れたとしても、概してペットには不適当で、中にはペットにすると違法になる場合もある
その2~すばらしき要素~
対象:小2(これ以上)/
時間:20分/
人数:何人でも/
場所:室内
目標:1.人間と、人間以外の全ての動物(ペットと野生動物)に共通の生きるために必要な五つの基本要素がわかるようになる。
方法:人間、ペット、野生動物が必要とするものを並べあげ、整理する。
・野生とペットの違い、家畜の違いの理解が前提。(この学習の前に、「野生ってなんだろう?」の活動を行い、野生とペットの主な違いについてあらかじめ理解を得ること。)・全ての動物は、直接的又は間接的に、植物、日光、水、土壌、大気に依存する。
・人間・ペット・野性動物の区別なく、全ての動物は、生きるための食物、水、隠れ処、生活空間を必要とし、これらが適切に配置されていることが必要です。
・なぜなら、それぞれの動物は、要求に適した食物、水、隠れ処、生活空間を供給される必要があり、かつ、これらのことが適切な配置で供給されていなければならない。