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徳島の環境 | 徳島県

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テーマ別学習参考資料 - 水環境参考資料

循環する水

「水」は、雨→(降下)→川・地下水→(利用・流下)→海→(蒸発)→雨、を繰り返すものであり、この自然循環の中で、汚濁物質を浄化し、多様な生態系を育むとともに、私たちの生活に豊かな資源と潤いをもたらしています。

地球は水の惑星

地球は、青い地球と形容されるように水の惑星です。
地球表面の約7割は海。その成分は、水96.5%、塩化ナトリウム2.7%など。
水には温まりにくく冷めにくい性質があるため、大量の海水が地球を温和な気候に保つ働きをしています。また、生命は海水中で誕生したと考えられ、海は地球上の多くの生物種を育んでいます。

工場・事業場を中心に法規制の実施、特に瀬戸内海では総量規制

環境基準の達成に向け、水質汚濁防止法などの法令による規制や監視・指導の強化が図られるとともに、事業者の環境管理システムの導入等による自主管理の進展などに伴い、工場・事業場における排水対策の徹底や排水対策技術などの向上が進んでいます。

特に、瀬戸内海(本県も瀬戸内海区域が相当部分を占める。)等の閉鎖性水域では、個々 の発生源から出される水質汚濁物質について、通常の濃度規制に加えて、排出量の全体を削減する総量規制が実施されています。その中で、規制項目として、従来からの化学的酸素要求量のほか、赤潮の発生等の富栄養化による生活環境に係る被害を防止するため、原因物質である窒素含有量、りん含有量を追加しています。

多くの河川を有する徳島県は、良好な水質が守られている

本県は、我が国を代表する吉野川や全国有数の水質を誇る穴吹川、海部川など多くの河川を有し、水資源に恵まれている一方、急峻な地形が多く、県下全域が台風の常襲地帯という特性から、洪水が発生しやすいなど厳しい条件もあります。
本県の河川・海域について、基準達成状況(平成16年度)は、健康項目では100%、生活環境項目のうち、生物化学的酸素要求量又は化学的酸素要求量では、概ね100%となっています。また、地下水についても、概ね100%となっています。

このように、全国的にも良好な水質が維持されているのは、もともと恵まれた環境に加えて、公害防止条例の制定など、法を上回る厳しい規制等を行ってきた成果であると考えられます。

生活排水による水質悪化の懸念と生活環境保全条例の制定

しかしながら、下水道整備率が全国最下位であることから、都市河川を中心に、家庭などの生活排水を主な要因とする水質の悪化が懸念されています。

このため、「徳島県汚水適正処理構想」を踏まえ、地域の特性を勘案して、下水道、農業等集落排水施設、コミュニティ・プラント、合併浄化槽について適切な役割分担を図り、効率的・効果的に生活排水対策に取り組むことが必要となっています。その際、節水、洗剤の適量使用、廃食用油の適正処理など、日常生活での心がけも重要です。

また、将来にわたって、現在の良好な水質を保全するため、従来の公害防止条例に替わる徳島県生活環境保全条例を制定し、工場・事業場を中心とした排水規制に加えて、地下水汚染の未然防止、地下水採取の適正化、生活排水対策の積極的な推進などを進めています。

健全な水循環の保全、県民参加による活動や調査

水質・水量の確保などにより、沿岸海域等の海を含む流域全体について、健全な水循環を保全することや、生物の生息空間として、河川の浅瀬やワンド、自然海岸や藻場・干潟などを保全すること、さらには、暮らしの中で自然とふれあい、潤いや憩いを感じる場としての水辺・海辺を確保することが、重要です。
森林や田畑の水源かん養機能の維持、向上を図ることや、自然環境などに配慮した公共事業を推進することが求められています。

このため、多自然工法による河川などの整備や、吉野川、新町川、撫養川などにおける親水性のある快適な水辺空間の整備、さらに、県民参加による水源林の保全活動が進められています。

また、県・国土交通省等の主催する水生生物による水質調査や一斉水質調査などのほか、漂着ごみの清掃活動等を行う海辺の教室が行われるなど、様々な学習活動が展開されています。