体験・調外ゲ遊
小学校5年生家庭科、小学校6年生社会科
【内容】
まず、グループに分かれ、グループごとにある製品について、原料から製品までの過程を、時計の文字盤に見立てて模造紙に記載(12時→6時)し、今度は、これをグループ間で交換し、その製品を大切に使う方法を同様に記載(6時→12時)することにより、「じゅんかん時計」を作成する。
※ PLT(アメリカの環境学習プログラム)の「トラック輸送」の応用です。
【ねらい】
ライフサイクルアセスメントは、素材や製品が、製造・使用・廃棄、さらにはリサイクルといったライフサイクルを送る過程で、どれほどの資源を消費し、どれほどの環境負荷を与えたかを総合的に分析・解析して評価するものである。
この考え方を背景に、製品(もの)が原料から製造される過程で多くのエネルギーと時間を使うことや製品を大切に使うための工夫を様々に考える活動の中で、製品を大切に使うため、地域の知恵を活用することに気づくとともに、このための見通しと意欲を持つ。
【準備】
・四つ切り大の画用紙(グループに1枚)・マジックペン(グループに1枚)
【実施上の注意】
●製品を製造するには多くのエネルギーを使用し、資源を消費していることに着目させる。したがって、「リデュース」の視点を必ず盛り込むようにしたい。
【方法】
[1]それぞれのグループに製品の絵が描かれた四つ切り大の紙を渡す。
●時計の文字盤の12時に当たるところから原料の場面を始めて、6時に当たるところで手元に届くように時計の針の進行方向に原料から製品までを書く。
●グループごとに製品ができあがるまでの過程について話し合う。
「セーターの原料は羊だよ」
「オーストラリアから始まるよ」
「羊の毛を刈って、船に乗せて…」
(浴衣、包み紙、セーター、牛乳パック、ミックスジュースの例を示し、原料から手元に届くまでを考えさせ、家庭生活にある衣服や食品が作られる過程を考えさせる。原料から製品ができるまでの細かい過程にはこだわらないようにグループで協力して話し合わせる。製品は作られるまでに、多くのエネルギーと費用が使われていることにふれ、資源の有限性を確認する。)
[2]話し合った結果をグループごとに発表する。
●グループ間で製品ができるまでを考えた画用紙を交換し、大切に使う方法を話し合う。
「お下がりってできるよね」「包み紙なら何か作れるかな」
「野菜の皮はこまったなあ」「難しいね」
(グループでの話し合いでは、大切に使う工夫を考える視点を示しながら助言する。
・着方や手入れを工夫する
・譲る
・リユース
・リサイクル )
[3]グループで画用紙を交換し、他のグループからもらった製品を大切に使う工夫を考える。
●時計盤の12時に当たるところまでで表現する。
●疑問点やもっと工夫できることはないか話し合い、問題点を深め合う。
「そんなにうまくいくのかな」「燃やしてもいいかな」「ダイオキシンは大丈夫かな」
「おばあちゃんが包み紙を取っていたよ」
「ミカンの皮で手を拭くと本当にきれいになるんだろうか」
(グループで話し合ったことを発表することで大切に使う方法を共有するとともに、気づかなかった視点に目を向けさせる。疑問点やもっと工夫できることはないかを意識しながら互いの発表を聞かせる。)
●例示の5つについて地域の人々はどんな工夫をしているのか、取材する計画を立てる。
「昔はどうだったのかな」「おばあちゃんに聞いてみよう」
(誰がしているのかなという視点から地域の人に聞いてみることに気づかせる。計画作りへの意欲を高めるため、取材方法等について話し合わせる。)
「だれに聞こうか」「どれを聞こうか」
●「じゅんかん時計」をうまく回すだけでなく、「リデュース」が大切であることに触れる。
※リデュースとは:ごみの量そのものを減らす活動のことである。製品やサービスを購入する際に、環境を考慮して、必要性をよく考え、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入するという消費者としての視点でもある。
[4]話し合った結果をグループごとに発表する。