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徳島の環境 | 徳島県

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アクティビティの説明・生きものプログラム1(3)

いっしょに暮らすには?・生きものプログラム1(3)

学習・調内・調外・体験・討論
小学校6年生家庭科

【内容】

食べ物の原材料をたどって環境に与える影響を図化し、学んだ知識を実践する。

※ 「プロジェクト・ワイルド:(財)公園管理財団」の「昼ごはんに食べた野生生物は何?」を応用したものです。生きものは「野生生物(動植物)」の意味。

※ キーワード:有機/無機/源/再生可能/再生不可能/影響/影響緩和/共存


【ねらい】

私たちは、自分のライフスタイルを無意識に、または意識的に選択している。その選択は、環境に何らかの影響を与えているが、気づくことは少ない。食習慣もその一つで、野生生物や環境に多くの影響を与えている。私たちは、生息地の消失が野生生物にとって致命的な問題だと知っている。都市開発と同様に、食べ物を栽培(飼育)する過程でも影響を与えている。生産だけでなく、輸送・加工・梱包・販売なども同様に、影響を与えている。

こうしたことを踏まえ、ここでは、食習慣を考え、食べ物の生産や様々な産業活動を知り、自分の生活活動に気づき、環境に関心を持ち、野生生物や環境に配慮した生活習慣を選択し行動できるようにする。


【準備】

・筆記用具

・画用紙

・見学先

・G.T.(又は生態系と環境と人間活動の関連情報)


【実施上の注意】

● 「家畜・愛玩動物や作物・園芸植物」と「野生生物」の意味や違いを理解させる。


【方法】
[1] 朝食、夕食、弁当、給食のいずれかのタイミングで、何を食べたか出し合い、その中から、何か一つ加工食品を選ぶ。

[2] 先ず、食事に使っている食材をリストアップし、それを表にします。表には、食品の包装材料も含める。

[3]経路をたどろう!(野生生物や環境に与えた影響を考える)

1.作成した表の中から加工食品をひとつ選び、元々は何であったかを追跡する。

2.どこでどのように育ち、どのように収穫し、運搬、加工、梱包、運搬、陳列、調理され、目の前に来たかを調べる。

3.その食品がたどった経路を示す簡単な図を描く。

4.次にその食品がたどった経路に沿って、野生生物や環境に与えたかもしれない影響を作成した図に描き込む。

5.作図した図を用いて、食品がたどる経路とその間に野生生物や環境に与えた影響について発表する。

6.わかったことを話し合い、まとめる。

※ 農・水・畜産業や食品加工所など現場見学や体験をする・農業・水産業・畜産業・産直市・食品加工所・流通センター・スーパー・コンビニ・など。

(話し合ったり、まとめたりしたことの確認を主に、時間やグループ数などに応じて選択する。見学箇所数は都合による。)

[4] 方法を考えよう!(環境への影響を小さくする方法を考える)

1.まとめたことや見学した結果を確認し合う。

2.次に、各自で、どのように食習慣を変えれば「野生生物や環境に好ましい影響を与えることができるか」または「少なくとも野生生物や環境に与える害を減らせるか」を考える。

3.考えついたことを発表し合って、自分の考えとみんなの意見を含めて記録する。

※ ゲストティーチャーを招き質問や相談をする

・都合により、環境学習専門家一人、各産業関係者や専門家毎。

(生態系と環境と人間活動の関連についての情報を基に、指導教師自らが実施しても良い。)

[5] 自分が実行しよう!(自分の食習慣を変え実行し発表する)

1.みんなで考えた方法やゲストティーチャーから教わったことなどを基に、食習慣を「どのように変えるべきかの方法」と「実行したらどのようになるのかの予測」について説明し合う。

2.自分の考えやみんなの考えから、自分にできると思った方法を選び実践する。

※ 自分が実践することを家族と話し合い1週間続け、結果を報告し合う

・報告に際しては、「続けられたか」「何か変化があったか」「できなかったのはなぜ」「これからも続けますか」「ほかの方法も実践したいか、どんなことでその理由は」「続けたくないか、その理由は」など、質問する

[6] 報告書にまとめよう!(学んだ知識をまとめ実践し広める)

1.プログラムすべての活動を通じて、発表や記録したことを整理する。

2.学習したこと、実践したこと、これから実践することなどをまとめる。

3.手に入れた写真や資料などといっしょに報告書として仕上げる。

・絵や図や表をうまく使い、わかりやすく仕上げる工夫をする。

[7] 学んだ知識を行動に移し地域に広める(Web可)

・自分や野生生物が生き続けるために必要なものは何か。

・自分のどんな活動が野生生物や環境にどんな影響を与えているか。

・自分の行動をどのように変えれば野生生物や環境に害が少なくなるか。

・自分の行動を変えることでどんな変化が現れるか。

・自分は野生生物や環境への影響を良くするためにどんな行動をするか。

・上記のことを報告書と照らし合わせながらふりかえる。

※ 自らが行動する・報告書をもとに、全校に発表し、チラシやホームページを作って地域の人に伝え広め、野生生物や環境への影響を良くするために行動する。

<発展>

■「太陽(エネルギー・温暖化防止)」分野

[1] 食べ物が育ち、自分の手に届くまでに使用されるエネルギーは?

・生産、収穫、運搬、加工、運搬、貯蔵、出荷・梱包、運搬、陳列、購入、調理、配膳等、全ての過程を図解する。

・図解した経路に沿って、どのようなエネルギーを消費したか考え描き入れる。

[2] 食べ物が自分の手に届くまでの経路に沿って、天然資源に与える影響は?

・(1)で作った図を使って、影響を与えた天然資源を特定し、その影響の内容を説明する。

・その影響は、野生生物や環境に影響はないか、あるとすればどのような影響を与えるかを考え、図に描き加える。

[3] 再生できる資源と再生できない資源を区別してみよう!

・(2)で特定した資源の他に、どのような資源があるかリストアップする。

・リストアップした資源を、再生できる資源と再生できない資源に分け、それらを比較し話し合う。

・どんなエネルギーや資源を使ったら、野生生物や環境にとって良くなるかを話し合う。

※ 影響の視点をエネルギー問題に絞りプログラム自体をそのまま応用する

・生産から手元に届くまでの全過程におけるエネルギーに焦点をあて、資源枯渇問題や地球温暖化への影響、自然エネルギーや再生可能な資源利用、エネルギーの全ての源は太陽光などへと展開する。

■「ごみ問題」分野

※ 太陽分野の要領で、視点をエネルギー消費から排出物廃棄に視点を変えて発展させる。

※ 影響の視点をゴミ問題に絞るだけで、プログラム自体をそのまま応用できる。排出物の種類や3Rまたは5Rの発想で展開する。

■「水環境」分野

※ 太陽分野の要領で、視点をエネルギー消費から水質汚染や浄化に視点を変えて発展させる。

※ 食べ物を水辺生物に特定するだけで、プログラム自体を応用できる。水生生物の個体群や水辺の生息地全体を考えるように展開する。