もの・調内
小学校6年生家庭科・小学校5年生理科
【内容】
気象観測用のデータや風向計等による調査を通じて、校舎・教室の「風の通り道」を探し、見取り図に書き込む。
【ねらい】
四季のある日本の中で、徳島では夏の高温多湿(蒸し暑く、じめじめした)の気候を少しでも快適に暮らせるような「開放型」の住宅が適している。(反対に、一年を通じて気候の変化が少ない寒冷地域や砂漠地域の住宅は、部屋の中へ外の空気の出入りを少なくする「閉鎖型」の住宅が適している。)
しかし、最近では窓を締め切り「エアコン」などの設備に頼った生活をしている。その結果、夏に長袖を着る、冬に汗をかくといったこといなっていないでしょうか。私たちはもう一度「夏は暑く、冬は寒い」というあたりまえのこと見直す必要がある。
ここでは、自然のエネルギーである「風」に着目し、夏の暑い時期を快適に過ごす方法を身につける。
●建物の使い方を工夫することによって、エアコンなどの設備の使用をなるべく控える生活を身につける。(省エネルギー)
● 自然の風を意識することをきっかけに、季節に合わせた住まい方を楽しむ価値観を育む。(四季、自然に対する感受性)
※建築環境工学の教科書に見られる室内気候制御の計画プロセス
建築周辺の計画→建築的工夫→設備的工夫
【準備】
・風向計(工作)
・校舎
・教室の見取り図
・線香
・扇風機
【実施上の注意】
●風の通り道を調べる際、火のついた線香を使うので、取り扱いに注意する。
●実施時期は春~秋である、夏に向けて梅雨前の5月末~6月上旬がよい。
【方法】
1回目
[1] 徳島地方気象台のHPにある「気象観測・統計データ」から、学校の近くの気象観測所のデータから風の向きを調べる。
●季節や月毎の違い、強さも調べる。
●インターネットによる調べ学習をする。
[2] 校舎の外に出て、風向計を用いてその日の風の方向を調べる。
●本格的な風向計や風速計があれば望ましい。
●校舎の四方の風の流れを調べる。
[3] 外で調べた風の向きを参考に、「風の通り道」を考え、校舎・教室の見取り図に書き込む。
2回目
[4] 火のついた線香を用いて、実際の校舎の中や教室の「風の通り道」を探す。
(このとき、肌ではあまり感じないけれど、線香の煙が流れる程度の風を感じ取る。)
[5] 実際に調べた「風の通り道」を、校舎・教室の見取り図に書き込む。
● 風通しの悪い場所については、扇風機を補助的に用いることで「風の通り道」を作る。
発展
[1]風向計の工作をする。
[2]調べる場所を学校だけでなく、自宅でも調べてみる。