調外
小学校6年生理科
【内容】
校庭や道路などの周囲の環境や、自動車・ガスコンロ・石油ストーブなどの排出源について、検知管を利用して、二酸化炭素の濃度を測定する。
【ねらい】
周囲の環境や、各種の排出源からの二酸化炭素の濃度測定を通じ、身の回りには、様々な二酸化炭素の発生源があることに気づくとともに、その濃度の違いなどを含めた対策が必要なことを知るきっかけとする。
【準備】
・二酸化炭素の濃度の測定器具(検知管、ガス採取器など)
【実施上の注意】
● 自動車・ガスコンロ・石油ストーブなどの発生源の測定に際しては、有害ガスを吸わないよう安全には十分気をつける。
● 民間の工場などを調べる場合は、事前に十分説明をして、了解をもらう。
【方法】
[1] クラス全員で、二酸化炭素について話し合う。
●二酸化炭素は、どうしてできるのかな。
「私たちは呼吸で、酸素を吸って、二酸化炭素を出すんだ。」
「なぜ、呼吸をすると出るのかな。」
「食べ物を食べて、必要な栄養分を摂った後、いらないものがでるんだ。これが、二酸化炭素や、し尿として身体から外にでるんだよ。」
「食べ物のもとは、植物が作るでんぷん。」
「植物は、逆に、二酸化炭素と水から、日光を利用して、でんぷんを作るんだ。だから、植物は、二酸化炭素を吸うんだよ。」
(話し合いの中で、人やその他の動物は、二酸化炭素を放出し、一方、植物はこれを吸収することを認識させるとともに、自然の状態では、全体としてバランスがとれていることに気づかせる。)
● 人やその他の動物以外からは、二酸化炭素は出ないのかな。
「植物があって、それが分解されれば出るのでないかな。」
「山火事。木材を燃料にしたとき、生ごみや紙くずなどを処理するごみ焼却場からも出ると思うよ。」
「たしか、石油、石炭、天然ガスは、昔の樹木や藻類などが長い年月を経てできたものと聞いた気がするけど。」
「だとすると、石油などからできたもの、ガソリンや灯油、都市ガスやプロパンガスからも出ると思うよ。」
「工場でも石油からできた重油というものを使っているのでないかな。」
「いつも使っている電気も、発電する方法がいろいろあるんだ。石油や石炭などでを使って発電しているよ。」
[2] グループに分かれ、話し合いを踏まえて、身の回りで二酸化炭素を出すものを二酸化炭素測定器具を用いて調べる。(3つ以上)
また、同様に、発生源から考えて、周囲の環境で濃度の高いところ、低いところを調べる。(4箇所程度)
・発生源
人の呼気、自動車、ガスコンロ、石油ストーブ、給湯器、工場の煙突など
・周囲の環境
教室、校庭、道路周辺(交差点、歩道など)、公園
(測定に当たっては、二酸化炭素の濃度のほか、出されるガスの量はどうか、出すもの(自動車等)の数はどうかということに留意して、記録させる。)
[3] グループごとに、周囲の環境濃度の違いがどうして生じるのか、発生源の調査結果との関係を踏まえながら考え、まとめる。
「道路交差点の濃度が高いのは、自動車がたくさん通るからだね。」
「公園の濃度が低いのは、周りに二酸化炭素を出すものがなく、樹木が二酸化炭素を吸うからだ。」
[4] それぞれのグループから発表し、話し合う。
(話し合いの中で、長い年月を経て生成された地下の石油などを、私たちが日常生活において大量に使った結果、二酸化炭素の放出・吸収のバランスが崩れてきていることに気づかせる。)