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徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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小学生の「税についての作文」は、徳島県下の6法人会が主催し、中学生の「税についての作文」は、全国納税貯蓄組合連合会及び国税庁が主催してそれぞれ募集しています。
平成30年度の徳島県における応募状況は、小学生の「税についての作文」は111校が参加し、1,622点の作品の応募があり、中学生の「税についての作文」は84校が参加し、6,097点の作品応募がありました。たくさんの応募作品の中から特に優秀な作品を掲載します。
税の大切さ
夏休みに母と買い物に行った時にレシートをもらいました。レシートには、合計、お預かり、おつりの下に消費税と書いてあるところがありました。母に聞くと、「商品を買った人がはらう税金だよ。」と教えてくれました。ぼくも買い物をすると必ずはらっています。税金と聞くと始め、子どもとはあまり関係のない物のように思っていましたが、急に身近な物に感じました。
家に帰って家計ぼを付けていた母が、「給料明細」を見せてくれました。所得税、住民税と書いてあり、その横にいくらはらうか書いてありました。「給料をもらった人がはらう税金」と「つるぎ町に住んでいる人がはらう税金」と教えてくれました。自分が働いてもらった給料に税金をはらったり、町に住んでいるだけで税金をはらったり、父も母もとてもたくさんの税金をはらっていると思いました。母に「いっぱいはらって、そんしてるみたいやな」と言うと、「その分、いっぱい返ってきてるよ。みんながいる物をみんなが同じように使えるために税金をはらってるんよ。」と話してくれました。その後、「みんながいる物」を考えてみました。道路、カーブミラー、信号、学校、公民館と、家から学校に行くまでにもたくさんの物がありました。ぼくの教科書や授業料、学校で使う水や電気のお金にも税金が使われているそうです。税金がなかったら、ぼくは生活できません。
今まで当たり前のように使っていた物も、たくさんの人が一生けん命働いて、はらってくれた税金が使われているとわかったことで、「大切にしよう」と強く思うようになりました。自分の物と同じように大切にしたり、感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。そして、大人になったら、社会の一員として税金をきちんとはらい、みんなが幸せにくらせる社会を作れるようになりたいです。
税に感謝
祖父が昨年八月に入院をした。三月に一度退院したが、二度目の入院になる。入院が長引くにつれ歩行が困難になり、病院内も車イスで移動、トイレもベッドの近くにポータブルトイレを置くようになった。
十月になり母は、「じいちゃんが退院しても安心して家で生活できるように、介護保険の申請をしてみるね」と言った。僕は、介護保険の申請をしたらどうなるのか母に尋ねると、「認定されると、介護のサービスが利用でき、福祉用具のレンタルや購入を補助してくれるよ」と教えてくれた。母が市役所から取り寄せてくれた介護保険のパンフレットを見てみると、「介護保険制度は、四十歳以上の方が納める介護保険料と税金で運営されています。」と記載されていた。
税金で一番多く使われているのは、社会保障費で、年金、医療、福祉、介護だ。日本では急速に少子高齢化が進んでおり、社会保障の給付と負担が増大している。納めている介護保険料では、介護事業を運営するのには費用が足らないため、税金が使われている。もし介護事業に税金が使われなくなったら、介護や支援を必要としている人たちはどうなるのだろうか。そう思うと、税金のありがたさが本当に分かった。入院中の祖父は、医療保険制度のおかげで、充実した医療を少ない負担で受けることができた。退院後、介護が必要になっても国の制度を利用すれば、生活支援をしてくれる。これらはすべて税金の恩恵である。
残念ながら、祖父は介護認定の通知が届いた翌日に亡くなってしまった。しかし、今まで祖父の入院や治療費を助けてくれ、介護支援を必要としていた僕たち家族に、介護サービスを提供してくれた税金に感謝したい。
これからの日本では少子・高齢化や厳しい財政状況を踏まえ、豊かで安心して暮らせるための社会保障制度や持続可能な財政構造の構築が必要になる。そのためには、納税者である国民一人一人が正しく税金を納めることが必要不可欠である。僕たちは「税」によって、様々な恩恵を受けていることを忘れてはいけない。
そして豊かで安心して暮らせる未来のためには、公平な税負担と給付の関係について、僕たち一人ひとりが考えることが大切であると思う。
日本の将来を考えながら、社会に貢献するために税を納めることのできる責任と義務を果たす大人になっていきたいと思う。そして、税金が様々な面で僕たちの生活を支えてくれていることに、感謝しながら生きていきたい。
生前、祖父の言葉が僕の胸に刻まれている。
「こうしろう、お前が大人になるころには、少子高齢化が進み、みんなが納める税金がたくさんの人の命を救い、幸せをもたらすことになるんだよ。日本国民としての義務を責任を持って果たせる大人になるんだよ。」
税金のすばらしさ
僕は税といっても、税のしくみや使われ方など全くというほど知りませんでした。ニュースや新聞で税金について報道されていても僕には無関係だと感じていたのです。しかし僕の生活は税金によって助けられていることばかりで、僕は税金と深く関わっていました。
それを教えてくれたのは、今年の租税教室です。租税教室では、肉屋を営んでいる方のお話を聞いたり、税に関するDVDを見たりしました。中でも僕が一番驚いたのは、一人あたりの教育費の高さです。僕は今、当たり前のように学校へ行き、教科書を使って授業を受けています。しかしこれは当たり前のことではありませんでした。小中学校の九年間の一人あたりの教育費は一千万円を超え、とても自分で払えるような額ではありません。しかし税金のおかげで、その教育費も支払われているのです。とてもありがたいことです。教科書は大切に使わねばと改めて思いました。
そして税金は教育費の他にも、医療費や年金、生活保護や子育て支援にも使われていることも知りました。去年の冬、野球の部活中にバットが僕の胸に当たるという出来事がありました。僕はそのとき息ができないくらい苦しかったです。そして救急車がすぐに来てくれ、僕は病院に運ばれました。救急車の中ではとても不安でしたが、消防署の方が優しく声をかけて安心させてくださいました。寒さと痛みで震える僕にかけてくださった毛布の暖かさも忘れられません。病院ではレントゲンを撮り、車いすまで用意していただきました。幸い骨に異状はなく、その日に帰宅できました。救急車が、税金で賄われているとこの租税教室で知り、税金に感謝する思いが、いっそう強まりました。
僕の町は数年前に台風による水害で甚大な被害を受けています。そこで今、堤防を造るために大規模な工事が行われています。莫大な費用がかかると思いますが、これも税金で実現しています。二度と過去のような災害で人々がつらい思いをすることのないようにというみんなの願いが、税金という形で実現しているのです。
僕は税金とは、町や人の心を豊かにするものだと実感しました。人々に安心や暮らしやすさを与えてくれるすばらしいものが税金です。豊かさへの架け橋になるものともいえるでしょう。
この夏僕たちは、町が親善交流を行っている北海道音別町の中学生を迎えました。遠い北国の友達と一緒に阿波踊りを踊り、海水浴をして、交流を深めました。もう二十年以上続いている町の行事であるこの交流は、この夏の楽しい思い出です。新しい友ができるという心の豊かさへの架け橋は、やはり貴重な税金のおかげだと知りました。僕はこれからも税金に感謝して、税への知識を深め、きちんと税金を納めていける人になります。