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日野谷発電所の経緯

日野谷発電所は、那賀川河川総合開発事業の主体として建設した、洪水調節、かんがい、上水道、工業用水及び発電等の多目的ダムである長安口ダムの貯水を発電利用する、最大出力61,000kWのダム水路式発電所で、昭和30年11月一部運転を開始、昭和32年2月から古屋川渓流取水設備の完成により全運転を開始しました。

その後、水車発電機の改良に伴い、平成13年7月に400kW、平成14年7月に300kW、平成17年7月に300kWの出力増を行い、現在、最大出力62,000kW、常時出力14,400kWとなっています。

なお、平成11年4月1日に運用を開始した総合管理推進センターから遠隔監視制御しています。

発電機(現況)の画像
【発電機(現況)】
日野谷発電所(現況)の画像
【日野谷発電所(現況)】
送電線(現況)の画像
【送電線(現況)】

工事計画

日野谷発電所の目的

日野谷発電所は、「那賀川河川総合開発事業」の一環として、坂州発電所、川口発電所とともに計画されたもので、同水系3発電所の中核をなし、県内産業振興用電力のほか、四国一円に電灯電力を供給するのが目的でした。

計画の概要

那賀川の中流、那賀郡上那賀町(現:那賀町)大字小浜字立石谷地先の両岸がせり出した部分に、基礎岩盤上85.5mの コンクリートダムを築造し、頂部に洪水吐ゲートを設けて上流に貯水池を設置、有効水深30mの貯水容量を利用して洪水調節及び発電を行うとともに上水道用水、工業用水、かんがい用水を供給する計画でした。

このダム左岸に取水口を設けて延長5,049m(直径4.7m)の圧力隧道に導水し、左岸沿いの相生町(現:那賀町)大字日浦池ノ本の調圧水槽を経て延長146.5mの水圧鉄管を通じて有効落差116.3mを得て最大出力61,000kW(使用水量60m3/s)を発電し、発電使用後の水は那賀川本流に放流させるものでした。

建設工事

長安口ダムと日野谷発電所の建設工事は、昭和25年10月に着工し、昭和32年2月に竣工しました。これは同時に着工した追立ダム・坂州発電所に遅れること5年弱での完成となりました。

□日野谷発電所

日野谷発電所は、那賀川水系に建設された3箇所の発電所のうち、最も出力の大きい発電所で、昭和30年11月に一部運転を開始し、昭和32年2月の竣工とともに全運転を開始しています。

工事概要については、旧国道の拡幅に合わせて国道下の約11,500m2の用地を造成し、発電所本館は間口57.2m、奥行き13.98mの鉄筋コンクリート造りで、川下側に水車・発電機を3台、川上側に制御用配電盤を設置しました。

□長安口ダム

工事概要については、排水設備として右岸側に断面6.3×5.5mの馬蹄型隧道の仮排水路を設けました。ダム上下流を締め切ったのち、河水を切替え、基礎掘削、コンクリートの打設を行いました。掘削は窄岩機を使用し、掘削した岩石はダンプカーで下流の土捨場に運搬しました。コンクリート打設は最大1,000m3/日の能力をもったバッチャープラント1基と弧動型ケーブルクレーン2基を使用しました。このほか大型砕石機や製砂設備などの機械力をフルに活用しました。骨材は大部分をダム左岸の原石山から、一部は上流約3kmの出合付近から索道によって運搬した河床天然砂利を充てました。

建設費用

約80億7千万円(うち電気事業者分:約65億2千万円)