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徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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食中毒に関する正しい知識の普及啓発を図るため、分野の専門家から講演を賜り、消費者等との意見交換を行うリスクコミュニケーション・シンポジウムを開催しました。
(1)基調講演1『食品のリスクアセスメント~9割の人が知らない”食のリスク”の見極め方~』
食品の安全性確保に関する国際的合意、食品の安全を確保する仕組み、ハザードとリスクの区別と理解、食品中の様々なハザードの例、統計資料による食中毒発生等の実例紹介、主な有害微生物の特徴・症状・対策など、専門的な内容を多分に含む講演内容でした。まとめとして、食品には何らかのハザードはあるが、それは必ずしもリスクとは限らないこと、リスクは食品健康影響評価とリスクプロファイルによって評価・整理することが可能なので、食糧資源の有効利用のためにも、費用対効果の高い対策を支持した方がよいと説きました。
(2)基調講演2『意外にも食中毒件数のトップ! アニサキスってどんな寄生虫?』
アニサキスの生活環から見た発症のメカニズム、アニサキス症の特徴と予防方法、レセプト解析に基づくアニサキス食中毒の実数などの説明がありました。また、アニサキス症による免疫応答の症例を説明し、これまでヒスタミン食中毒と考えられてきた「さばアレルギー」に、アニサキスが関係している可能性のあることも話題提供していただきました。さばアレルギーが発生した場合は、その原因が「さば抗原」か「アニサキス抗原」かスクラッチテストで判断できるので、検査してみると良いとのことでした。
(3)公開ミニ講座『食中毒のリスクを議論する~食の安全を目指して~』
基調講演の内容を平易に解説しながら、リスクコミュニケーターが目指す効果的なリスクコミュニケーションの方法を学びました。参加者から選ばれた6人が、リスクコミュニケーター役と消費者に分かれてロールプレイを行う中、ファシリテーター役(山﨑講師)が議論をグリップし、食品安全の専門家役(山本講師、杉山講師)が情報提供を行って、最終的にリスクコミュニケーター役と消費者役が、相互理解と合意形成をはかるシナリオとなっています。この学びで大切なことは、リスクコミュニケーターの役割は、中立公正な情報・知識を身近な人に提供することであって、それをどう判断するかは、消費者自身に任せることが大切として、講義を終了しました。