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トコジラミについて

戦後の衛生環境の改善でトコジラミの生息数は激減しましたが、近頃は海外から持ち込まれることも多く、生活環境の「きれい」「汚い」に関係なく衣類や荷物などに付着して運ばれてくることも増えています。

宿泊施設や家庭へのトコジラミの持ち込みを完璧に防ぐ方法はないので、トコジラミの発生・被害に気付いたら、早めに駆除する方法しかありません。

トコジラミが増えてしまった場合は個人での完全な駆除は困難なので、専門の駆除業者に調査・駆除を依頼してください。

【トコジラミの特徴】

・成虫は、体長5~8mm程度で褐色

・主に夜間に人やペットを刺して吸血する(幼虫も成虫も吸血する)

・吸血後は、寝具や家具の隙間などの潜伏場所に戻る

・夏を中心に活発に活動するが、成虫は吸血しなくても1年くらいは生存できる

トコジラミ(出典:日本ペストコントロール協会)
     
トコジラミ・腹側(出典:日本ペストコントロール協会)
     
トコジラミの大きさ

【トコジラミの生息場所】

暗くて温かい場所を好み、ベットの周辺、壁と家具の隙間、ソファーの縫い目、カーテンやカーペット、たたみのへりなど、あらゆる隙間に潜り込むことができます。

トコジラミが生息している場所には、血糞(けっぷん)という黒しみが多く見られます。

トコジラミ・血糞(出典:日本ペストコントロール協会)

夜になると吸血活動のために出てきますが、非常に小さいうえに動きが素早いため、数が少ない時に見つけるのは困難です。

【トコジラミに刺された場合】

トコジラミに刺されると、かゆみや発赤を生じます。

トコジラミの唾液により引き起こされるアレルギー反応なので、発症までの時間や症状には個人差があります。

かゆみが激しい場合は、十分な睡眠がとれなかったり、皮膚障害を引き起こすこともあります。

(これまでにトコジラミが別の感染症を媒介したという事例はありません。)

トコジラミに刺された跡(出典:日本ペストコントロール協会)

【トコジラミの駆除】

・トコジラミを見つけたら、すぐにガムテープや粘着テープで捕獲、潰して駆除します。周辺を整理整頓して隅々まで掃除機をかけ、ゴミはすぐに密封して捨ててください。

・カーテンや寝具類、衣類などは、乾燥機による熱風やアイロンのスチームをあてて熱処理を行ってください。

・殺虫剤を使用する場合、一般的なピレスロイド系殺虫剤はトコジラミに効果がない場合があります。トコジラミに有効な成分(プロポクスル、メトキサジアゾン等)を含んだ殺虫剤を選びましょう。

・くん煙殺虫剤を使用することで、かえって生息範囲が広がってしまうことがあります。

・自分で駆除が困難な場合は、迷わず専門の駆除業者に依頼して実施してください。

【トコジラミによる被害を防ぐためには】

トコジラミを早期に発見することが重要です。

特に宿泊施設では、すべての従業員がトコジラミについての知識を持ち、対応できるようにしましょう。

日常清掃のついでに、日頃から潜伏場所になりやすい場所の点検を行いましょう。

また、定期的に大掃除をして、部屋の隅々まで点検を行いましょう。