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「第2弾~漁師さんに聞いた!うまい魚たちの食べ方」について

【ご注意】ここに掲載している内容は、平成18年10月に行った調査に基づくものです。

 県では、水産物の「地産地消活動」を推進するため、平成19年1月に第1弾として「漁師さんが選ぶ!うまい魚たち」をご紹介しましたが、今回は第2弾として、漁師さんからお聞きした、県産水産物のとっておきの食べ方をご紹介します。みなさまのご家庭でも、お魚通になった気分でぜひお試しください。

ワカメって意外と使える

漁師さん曰く「ワカメは味噌汁だけじゃないで!」

ワカメって意外と使える

  • ワカメの食べ方教えて(その1)
     ワカメの色は、海では本来の褐色。1-3月頃、県内のスーパーには褐色の生ワカメが並ぶ。これを楽しむには、しゃぶしゃぶが断然おすすめ。さっと湯通し鮮やかな緑色になると、食卓に春が来たような気持ちにさせてくれる。ごまだれやドレッシングをかけたり、スダチをぎゅっと搾り醤油をたらして食べる。採れたてワカメの食感と色の変化を季節感とともに楽しみたい。
  • ワカメの食べ方教えて(その2)
     魚の煮汁にさっと通す。水に戻した塩蔵ワカメでも良いが、生ワカメ(湯通し前の褐色のもの)を使えばとろけそうな柔らかさが楽しめる。鯛やタチウオ、メバルなどの煮付けとともにどうぞ。
  • ワカメの食べ方教えて(その3)
     塩蔵ワカメの茎は、塩抜きを十分にした(5~6時間)後、細切りにして三杯酢で食べる。その他、太い茎のまま、おでんの具としても使える。

■カツオの刺身のうま茶漬け「茶ズマシ」

漁師さんが教えてくれたとっておきの贅沢うま茶漬け

●「茶ズマシ」の作り方

カツオは、北上期(初カツオ)、南下期(戻りカツオ)と2回の旬を持つ魚で、県内でも両方のカツオを獲っている。どちらにもそれぞれの魅力があるが、初カツオは、戻りカツオに比べて脂は少なくさっぱりしていることから、魚本来のうまみを楽しめると言う漁師さんも多い。刺身やたたきで食べるのが一般的だが、醤油につけ込んだ刺身をご飯の上に乗せお茶をかけた「茶ズマシ」はいかが。お茶の代わりにだし汁をかけ、粗挽きの黒胡椒をささっとふりかけるのもおつなもの。

■魚の皮をおいしく食べよう

魚の皮は、あぶると香ばしいうまみが出る

●皮もうまい魚たち。

サワラは刺身、焼き物、みそ漬け、すき焼きなどで食べる。焼き物なら、焼き切り(焼霜造り)がおすすめ。皮をさっとあぶって、冷水でしめる。

タチウオは、どんな料理にも合う。美波町由岐などでは、酢で締めて寿司にしたり、新しい物を皮付きのまま刺身にしたり、焼き切りにしたりする。イサキ(イサギ)も焼き切りがおすすめ。西洋料理なら、アカシタビラメは、ムニエルにするのが一番。皮が香ばしくておいしい。

■中骨リサイクル「骨せんべい」

タチウオは3枚におろしたとき、どうしても中骨が残ってしまう・・・

●タチウオ「骨せんべい」の作り方

3枚おろしで残った中骨は、油で二度揚げして「骨せんべい」にすると全部食べられる。面倒な場合は、身と中骨を天日干しして、火であぶって食べる。大きなタチウオの骨は熱が通りにくいため、注意が必要。なるべく小さくて細いものが適している。

■塩が馴染むとうまい魚は?

塩は魚をさらにうまくする魔法の調味料

●魔法の調味料を使ってサバ・イサキを食べよう

サバがたくさん手に入った時は、塩をして冷凍し必要なときに焼く。こうすると、そのまま塩サバとして焼いたものより塩が馴染んでおいしいし、日持ちもする。また、焼きサバを入れた酢で作るちらし寿司「すにごし」は県南の食。イサキは、夏に卵をいっぱい持っており脂が多い。寒い時期のイサキもうまみがある。刺身、焼き切り、塩焼きで、卵は煮付けにする。新しい魚をそのまま塩焼きにしても良いが、塩を振って一晩冷蔵庫で寝かせると塩が馴染んでよい。

■魚のにおいが気になる方へ

魚のにおいが気になる方でもおいしく食べられます

●イワシやアジは一工夫でおいしさアップ

どのイワシ(マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ)も、刺身や酢でしめて「なます」にしたり、フライや天ぷらにする。梅干しを入れ薄めに煮付けると、さっぱりとした味わいになる。アジは、刺身、たたき、干物、塩焼き、煮付け、南蛮漬け等で食べるのが一般的だが、洗いにする(刺身を短時間氷水に浸ける)とにおいが取れ、身が引き締まる。お好みでドレッシングをかけるのもおすすめ。

●フィッシュボールをつくろう

アジ、イワシ、シログチ、エソ等が安く売られていたら、フィッシュボールにしよう。練り物の原材料(魚の身、酒、ショウガ汁、卵白、片栗粉)をフードプロセッサーでまぜて、一口大の団子にして油で揚げればできあがり。団子を汁物に入れてもいい。特にエソはよい出汁が出るので汁物がおすすめ。

■「磯魚の沖炊き」「ハマチのちりちり」これぞ漁師料理の極めつけ

漁師さんに食べさせてもらった思い出の味

●船の上で食べる粋な食べ方

「磯魚の沖炊き」は、メバル、カサゴ、小タイ、キュウセン、アナゴの開きなどを、厚めのタマネギスライスと醤油だけで炊いて食べるもの(鳴門市北灘町粟田)。「ハマチのちりちり」は、残り物の刺身(ハマチ:出世魚で徳島では、ツバス(30cm以下)、ハマチ(30~60cm)、メジロ(60~100cm)、ブリ(100cm~)と呼び名が変わります)、イカ、エビなどを使って同様に炊き、調味料として日本酒を適当に加えたもの。甘みはタマネギだけで十分(牟岐町)。

■イカのうまさを引き出す秘密教えます

うまくなれ、寝かせて待とうアオリイカ

●アオリイカの刺身は冷蔵庫で寝かせるとうまい

アオリイカは刺身や天ぷらで食べる。秋には最も身の甘みが強くなり、最高の味覚が楽しめる。刺身は、冷蔵庫で1日寝かせて食べるとねっとりと柔らかくなって、独特の甘みがでてくる。また一夜干しは、少しあぶりマヨネーズと醤油を付けて食べると絶品の酒のつまみができあがる。

●小ぶりのスミイカ(コウイカ)の秘密教えます

冬から春にかけて獲れるコウイカは、身は厚いが柔らかく甘みがある。そのまま刺身で食べるより、さっと表面をあぶって焼き切りにするか、細切りしたものに卵黄を混ぜ、醤油とゴマをかけて食べる。バター炒めのコツは、うまみを増すために最後にたらす醤油。手軽にできるお酒のつまみとして抜群。「イカ焼き」は、イカを開き、目や口を取り除き、肝を付けたまま(墨袋や先端に付いている他の内臓等は取り除く)焼いてスダチ醤油で。レンジに入れてもよいが、内臓が飛び散るので要注意。

■徳島はハモの名産地でよ

知る人ぞ知る名産品ハモ皮ちくわ

●ハモのおいしさもっと教えて

ハモは、湯びきだけでなく、天ぷら、すき焼きにする。徳島市津田では、相性のよいタマネギと一緒に骨切りしたものをみそ汁にする。ハモは、初夏、秋から冬と2回の旬を持つ。冬のハモは干物にして、細く切ってあぶって食べる。頭と中骨を少しあぶり、ダシをとりお吸い物にする。阿南市のスーパーで売られているハモ皮ちくわ(ハモの皮を竹に巻き付けて焼いたもの)は、きゅうりの酢の物に入れる。

■小エビは殻までカリカリ食べて

小エビはお父さんの大好物

●小エビ(サルエビ、トラエビ、アカエビ等)を簡単に食べる方法

小エビは「徳島の味」だと言う声を時々耳にする。そのまま鍋でゆでるのが一般的だが、塩をまぶして焼くか電子レンジで数分間加熱すると、ゆでるよりお手軽に「焼きエビ」ができる。ゆでて殻をむいたものをよく干して、自家製干しエビを作ってもよい。そうめんつゆや中華スープの出汁にする。

■冬の食材を楽しみたい・・・そんなあなたに

カワハギには特製肝ダレを添えて

●冬の食材カワハギを楽しもう。

カワハギ(角ハゲ、丸ハゲ、ギシハゲ)は、刺身、みそ汁、水炊き、煮付け等で食べる。肝(肝臓)を取り出し、軽くコンロであぶってつぶし、肝ダレを刺身と和えて食べるとうま味が口の中に広がる。

■貝類のあれこれ豆知識

アワビとサザエの豆知識

●アワビとサザエの豆知識

アワビ(クロ、メガイ、マダカ)を刺身で食べるときは、肝(肝膵臓)と醤油を混ぜた肝ダレで食べる。味噌焼きで食べるときは、貝殻から外した肉をスライスして味噌とともに貝殻に入れ、下から加熱する。ほどよく焼けたら混ぜて食べる。バター炒めの方法もある。薄く切ったアワビを軽くバターで炒め、最後に醤油をたらす。火を通して柔らかくなったアワビの肉とバターのハーモニーがすばらしい。

サザエは、軽く振って音がしないもの、蓋をきっちり閉めるものが新鮮。「歯ごたえを楽しむなら棘があるサザエ、柔らかい方がお好みなら棘のないサザエ(丸腰サザエと呼ばれる)」と漁師さんは言う。刺身、塩ゆで、壺焼きなどで食べる。

■ウニの本当のうまさ教えます

誰もがうらやましがる漁師さんしか食べていない生ウニがある

●ウニの本当のうまさ

一般に流通しているアカウニは、保存性を高めるためにミョウバン海水による洗浄を行なっている。洗浄されていないものは、「生ウニ」と呼ばれ、独特の甘みがある。ちょっと贅沢だが、玉子丼に入れると風味が良くなり、ウニの臭いが苦手な人でも食べられる。美波町阿部では、みそと砂糖を加えて炊いたものを「がぜみそ」と呼び、酒のつまみとして食べられる。

■ウツボ、ナマコ・・・お酒のおつまみに

僕たちウツボやナマコは、姿形が異色だけれど・・・

●ウツボとナマコの通な食べ方

海部郡の各地では、風に揺れるウツボの開きが冬の風物詩になっている。干物は、細かく刻んであぶって食べたり、揚げて食べると酒のつまみになる。あらは、みそ汁にしてもいいダシがでる。頭の肉は、すき焼きにして食べる。

ナマコは、生の切り身をゆでて三杯酢にする。通は、これにガンゾウビラメの干物をあぶって細かくしたものを加え、ダイダイを搾って食べる。

■道の駅(日和佐)でこんなもの見つけました。

ヒロメ、カヤノモリ、ハバノリは、地元で親しまれているレアな海藻たち。

●漁師のおばちゃんたちのお仕事

牟岐地域以南に自生する海藻ヒロメ(アンロク)は、素干しで販売されている。汁物に入れて磯の風味を味わう。この地域でも、昔からみそ汁に入れて食べられている。

カヤモノリ(カイノリ、ガネガス、ムギワラ)は、漁師のおばちゃんたちが浜を駆け回って集め、商品にしている。水洗い後スダレで濾して天日乾燥したものをさっとあぶって、ご飯にパラパラと振りかけて食べる。

ハバノリは、海部郡のなかでも美波町日和佐の恵比須浜が主産地。乾燥されたものをほんの少し色が変わる程度にオーブンで焼いて、ご飯に振りかけて食べる。少しアクは強いが、磯の風味が口に広がり心地よい。

農林水産物の地産地消に積極的に取り組む「地産地消協力店」では、旬の美味しい魚たちが多数販売されておりますので、ぜひご利用ください。