加茂野宮遺跡
かものみやいせき1
所在地
徳島県三好市三野町加茂野宮
遺跡の概要
吉野川北岸の河岸段丘上に営まれた、古墳時代から中世にかけての集落遺跡。変電所建設に伴って1996年(平成8年)発掘調査が行われた。
加茂野宮遺跡(古墳時代)
キーワード
段丘上に営まれた古墳時代の集落
概要
古墳時代後期の遺構面では、竪穴住居跡9棟がみつかった。竪穴住居跡は平面形が方形で一辺3.1~5.8mの大きさをもつもので、7棟で竈(かまど)を確認した。竈はすべて住居の北辺に位置する。
さらに下層の細砂層からは、古墳時代初頭の壷・甕・鉢などが多数出土した。完形品が多いことから、流路における祭祀に用いられた可能性もある。
これらの遺物は三好市教育委員会で保管され、その一部は同市三野町公民館入口で展示されている。
問い合わせ先
三好市教育委員会
参考文献
『加茂野宮遺跡』三野町教育委員会 1997年
加茂野宮遺跡(中世)
キーワード
中世 祭祀に用いられた和鏡が出土
概要
中世の遺構面では多数の柱穴・土坑・溝・土壙墓が確認された。直径約60,深さ約30の土坑から、和鏡が1面出土している。和鏡は直径8.8の青銅製で、菊花と楓・2羽の鳥がデザインされており、平安時代末期のものとみられる。和鏡の直下から稲藁(いなわら)状の繊維や籾殻などが確認されていて、祭祀に用いられたと考えられる。この他「吉*1」字銅印や青銅製帯金具、須恵器硯(すずり)などが出土していることから、近くに古代の役所があったと想像される。
出土した遺物は三好市教育委員会で保管されている。
問い合わせ先
三好市教育委員会
参考文献
『加茂野宮遺跡』三野町教育委員会 1997年
*1 吉は「土」に「口」