蛭子瓦窯跡
えびすがようせき
所在地
徳島県阿波市土成町秋月
キーワード
中世細川氏関連の寺院に瓦を供給したと推定される窯
概要
蛭子瓦窯跡は、標高48mの御嶽(おみたけ)山の東麓に位置する。1978年(昭和53年)、区画整理中に発見され、半地下式有牀(ゆうしょう)式平窯であることが判明した。市指定史跡。
窯体は全長2.45m、最大幅は焼成室で約1.3m、焚口幅0.35mを測る。窯体の南側に焚口が設けられ、その南方で灰原を検出している。窯体側壁は削平が著しく全容は不明だが、砂を混ぜた粘土で造られる。床面には奥壁に向かい並行して3条の牀(火床)が設けられる。
遺物の大半は丸瓦・平瓦・瓦塼(せん)で、灰原の最下層から巴文軒丸瓦が出土した。出土した軒丸瓦から窯の操業時期は室町時代と考えられ、周辺に存在したとされる補陀(ふだ)寺(廃寺)や光勝院(鳴門市に移転)・宝冠寺(廃寺)など中世細川氏関連の瓦を供給したと考えられる。
問い合わせ先
阿波市教育委員会
参考文献
『徳島県文化財調査概報 昭和53年度(1978)』徳島県教育委員会 1980年