ひびき岩古墳群
ひびきいわこふんぐん
所在地
徳島県名西郡石井町石井字内谷
キーワード
古墳時代後期の群集墳
概要
気延山東麓の北東に延びる尾根の標高約20mの地点に位置する。約20基の古墳があったとされる。このうち16号墳、17号墳について調査が行われている。
16号墳は直径約12mの円墳で、墳丘中央に横穴式石室が築かれる。石室は後世に火葬墓として再利用され遺存状況が悪い。石室規模は玄室長約4m、幅約2mの大きさで、平面形状は長方形である。出土遺物は須恵器・玉類(勾玉・トンボ玉・琥珀(こはく)製棗玉・切子玉・耳環など)・馬具などが出土しているが、火葬による熱の影響で損傷しているものが多い。
17号墳は16号墳の東に位置する直径約10mの円墳である。横穴式石室が築かれ、その規模は玄室長1.75m、幅1.75mで、平面形状は正方形である。出土遺物は須恵器、管玉・切子玉・ガラス小玉・耳環などの玉類、鉄鏃・刀子・馬具などが出土している。
これらの古墳は出土遺物などから6世紀末に築造されたと考えられる。古墳の規模に比べて出土遺物が豊富であり、当時のこの地域の様相を示す貴重な資料である。
石井町中央公民館に出土遺物の一部が展示されている。
問い合わせ先
石井町教育委員会
参考文献
「ひびき岩古墳群」『徳島県文化財調査概報』昭和54年度 徳島県教育委員会 1980年
『ひびき岩16号墳発掘調査報告書』石井町教育委員会 1986年