尼塚古墳
あまつかこふん
所在地
徳島県鳴門市大津町字大代
キーワード
二重周濠をもつ古墳時代中期の円墳
概要
1925年刊行の「板野郡誌」などに2基の古墳が並んでいる様子が紹介されていたが,大津西小学校のグラウンド造成のための土砂採取によって、墳丘が失われ地表面から見えなくなっていた。
2004年(平成16年)の調査では、江戸時代の絵図には周濠らしいものが描かれていたことから、発掘に先だって地下レーダー探査を実施した。その結果周濠が二重に巡っている可能性が分かり、さらにそれを発掘によっても確認した。
発掘調査では、周濠の幅は外側が5m・内側が3mとなり、墳丘の径が37mに復元された。また、砂岩礫による葺石で墳丘表面が覆われ、その周囲には円筒埴輪・家形埴輪が伴うことが分かった。
出土した遺物から古墳時代中期につくられたことが分かり、大代古墳に続く首長墓として改めて注目された古墳である。
大津西小学校から北西へ約200mの畑地の区画に、わずかに古墳の形の痕跡が残っている。

問い合わせ先
徳島県立埋蔵文化財総合センター
参考文献
徳島県埋蔵文化財センター年報Vol.15 2004年