カネガ谷遺跡
かねがたにいせき
所在地
徳島県鳴門市大麻町萩原字カネガ谷
キーワード
段状遺構(環壕)をもつ弥生時代の高地性集落
概要
阿讃山脈から南に延びる尾根上、標高110m前後に位置する弥生時代の高地性集落。眼下に広がる水田や集落とは約70mの比高差がある。
2000年(平成12年)に高速道路建設に伴って発掘調査が実施され、11棟の竪穴住居跡や段状遺構が確認された。段状遺構は、集落を取り囲む斜面を「L」字状に大規模にカットしてつくられた城壁のような遺構で、高さ約5m・平坦面の幅が5mの規模を持ち、その延長は約170mにもおよぶ。
出土した弥生土器・石器から、弥生時代後期初頭の集落であることが分かった。特に、注目される遺物として朝鮮半島で作られたと思われる青銅鏡や鉄斧が出土した。
カネガ谷遺跡は、西方約2.4に位置する桧はちまき山遺跡とともに、吉野川北岸下流域で弥生時代の高地性集落の実態が判明した貴重な例である。


問い合わせ先
徳島県立埋蔵文化財総合センター
参考文献
徳島県埋蔵文化財センター調査報告第62集「カネガ谷遺跡」ほか 2005年