阿南安芸自動車道海部野根道路(多良地区)において発見された古墳について
1 概要
徳島県では、海部野根道路事業に伴い、令和5年12月から令和6年4月まで試掘調査を行い、前方後円墳1基を含む全5基の古墳を確認しました。
これらは、現在までその存在が全く知られていなかった古墳であり、古墳時代前期の貴重な埋蔵文化財として、適切に保存する必要があることから、徳島県が事業を所管する国土交通省四国地方整備局徳島河川国道事務所へ、国史跡相当と考えられる1号前方後円墳と2号円墳の現地での保存を要請し、国土交通省四国地方整備局徳島河川国道事務所から道路計画範囲の一部見直しの回答を得たところです。
なお、試掘調査を行った地点は埋め戻されており、また、民有地であることから、今回は、現地説明会を行いませんが、多良古墳群試掘調査速報展と一般向け報告会を開催します。
関連リンク徳島河川国道事務所記者発表
「E55 阿南安芸自動車道 海部野根道路海部IC(仮称)ランプ部の計画見直しについて~多良地区で古墳が発見されました~」
https://www.skr.mlit.go.jp/tokushima/report/info-r06/r060829/r060829.html
2 多良古墳群試掘調査速報展と一般向け報告会について
今回の報告会と速報展では、多良古墳群(1~5号墳)発見の経緯や試掘調査成果について報告・展示を行います。海陽町立博物館、レキシルとくしまの2つの会場で実施いたしますが、どちらにおいても同じ内容で実施します。
○レキシルとくしま(板野郡板野町犬伏字平山86番2)での開催
【速報展】
日時令和6年9月10日(火)から同月29日(日)まで
休館日9/16(月)、9/23(月)
開館時間9時30分から午後5時まで
【報告会】
令和6年9月14日(土) 午後1時30分から午後2時30分まで
○海陽町立博物館(徳島県海部郡海陽町四方原字杉谷73)での開催
【速報展】
日時令和6年8月30日(金)から9月29日(日)
休館日9/2(月)、9/9(月)、9/17(火)、9/24(火)
開館時間午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
【報告会】
令和6年9月7日(土) 午後1時30分から午後2時30分まで
【その他】
海陽町立博物館のホームページもご覧下さい
https://www.town.kaiyo.lg.jp/bunkamura/shisetsu/hakubutsukan/
3 古墳の概要
1号前方後円墳全長50m 後円部裾から墳頂部比高差4m 葺石出土
2号円墳径16m 裾から墳頂部比高差1.4m 葺石出土土師器小片1点出土
3号円墳径12m 裾から墳頂部比高差1.7m 葺石出土
4号円墳径14m 裾から墳頂部比高差2.3m 葺石出土
5号円墳径14m 裾から墳頂部比高差2.3m 葺石出土土師器小片2点出土
特に、1号墳は全長50mの前期に築造された前方後円墳であり、四国の前方後円墳が空白であった地域に発見された古墳として、歴史的・学術的価値は極めて高いと判断されます。また、施工方法と出土土器、造墓位置から判断すると、2号墳は、1号墳と密接な関係性があると指摘でき、1号墳と2号墳は国史跡相当と評価されます。
- 【チラシ】多良古墳群速報展 (PDF:2 MB)