令和2年度 重要文化財「徳島県観音寺・敷地遺跡出土品」及び「徳島県矢野遺跡出土品」の保存修理事業について
徳島県では平成30年度 (2018) から、重要文化財(考古資料)を良好な状態で保存活用するため、国庫補助を受けて保存修理事業を進めております。令和2年度は重要文化財「徳島県観音寺・敷地遺跡出土品」の木簡20点と、重要文化財「徳島県矢野遺跡出土品」の縄文土器2点の保存修理を実施しました。
名称:徳島県観音寺・敷地遺跡出土品(指定番号考第632号)
指定:平成27年9月4日
員数:一括(922点)
種別:考古資料
時代:飛鳥時代から平安時代
修理方針:接合、欠損箇所補修等
事業期間:令和2年4月1日から令和3年3月31日
事 業 費:文化庁補助金・県費
事業概要:重要文化財「徳島県観音寺・敷地遺跡出土品」指定品の保存修理
平成27年度に重要文化財に指定された「徳島県観音寺・敷地遺跡出土品」には、一般公開するにあたって修理や補強を必要とするものがあります。特に、木簡や木製品は形状が変化しやすいため、継続的に保存修理を行うことが重要となります。これまでに平成30年度11点、令和元年度41点の修理を実施しています。令和2年度は、木簡20点の保存修理を行いました。割れて出土した木簡を接合するとともに、欠損個所を樹脂で補修しました。
名称:徳島県矢野遺跡出土品(指定番号考第659号)
指定:令和元年7月23日
員数:一括(160点)
種別:考古資料
時代:縄文時代
修理方針:解体修理・欠損箇所補修等
事業期間:令和2年4月1日から令和3年3月31日
事 業 費:文化庁補助金・県費
事業概要:重要文化財「徳島県矢野遺跡出土品」指定品の保存修理
令和2年度は、縄文土器2点の保存修理を実施しました。土器表面の観察と X 線撮影により亀裂等の状態を確認した上で解体し、欠損部分を樹脂で補填して組みなおしました。樹脂で補填した部分は文様を再現し着色して仕上げ、当時の姿をできるだけ復元しています。
このような保存修理事業を実施することによって、重要文化財の持つ本来の魅力を県民の皆様に知っていただき、次世代へ継承を図ってまいります。