矢野遺跡土製仮面県有形文化財指定に伴う一般公開について
すでに、新聞などでも報道されていますが、徳島県立埋蔵文化財総合センターで保管している「矢野遺跡土製仮面」が徳島県の有形文化財(考古資料)に指定されました。

それに伴って、「徳島とその周辺の縄文仮面」と題した展示会を開催します。
- 会期平成23 年4 月21 日(木)~平成23 年6 月5 日(日) 開館時間:午前 9 時30 分~午後5 時(月曜・祝日休館、5 月3 日~5 日は開所)
- 主催徳島県教育委員会・公益財団法人徳島県埋蔵文化財センター
- 場所徳島県立埋蔵文化財総合センター展示室 (〒779-0108 徳島県板野郡板野町犬伏字平山86番2)
- 展示内容◎ 土製仮面 矢野遺跡出土土製仮面(徳島県有形文化財) ◎祭祀関連資料(矢野遺跡出土遺物) 亀形土製品、円柱形土製品、石棒、赤色塗彩土器
矢野遺跡出土の土製仮面
矢野遺跡は徳島市国府町に所在しています。鮎喰川と吉野川によって形成された沖積層中からは、縄文時代から弥生時代、奈良・平安時代、鎌倉時代(約4,000年前~約900年前)にまでいたる複数の時代の生活跡が発掘調査によって確認されています。また平成4年に同じ矢野遺跡から出土した銅鐸(矢野銅鐸)は国の重要文化財に指定されています。土製仮面は平成8年度の調査中に縄文時代後期(約4,000年前)の地層中、集落に隣接したくぼ地状の地形の部分から多くの土器や石器類などとともに出土しました。
土製仮面は縄文時代後期から晩期(約4,000~2,500年前)の儀式に使用された道具と考えられています。その数は全国でもわずか120点ほどしか確認されていません。特に古いものは西日本に多くみられ、その中でも矢野遺跡の例は最も古いものであるとともに、最西端の地域から発見された一群のひとつと考えられています。