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特集2:9/20〜9/26は動物愛護週間 動物たちとの未来のために、いま私たちができること。【令和7年9月号】

動物たちの命を守り、ともに暮らせる環境をつくるために、私たちに何ができるのか。動物愛護管理センターで主任を務める藪内 園子(やぶうち そのこ)さんと、赤星 啓(あかぼし ひろむ)さんにお話を伺いました。

ルールを守ることが、大切な命を守る一歩になる。

命のバトンをみんなでつなぎたい

 神山町にある「徳島県動物愛護管理センター」は、動物の愛護や管理に関する法律に基づき、徳島県が運営する施設です。動物の保護や譲渡、愛護活動などを通じて、「人と動物がともに暮らせる徳島」の実現を目指しています。

 「狂犬病予防法や公衆衛生の観点から、どうしても放浪犬の保護・収容や遺棄された犬猫の引き取りが必要になります。そうした動物たちの命を救うため、近年は県外への譲渡事業にも力を入れています」

 そう語るのは、同センターの藪内園子さんです。センターが開設された2003年には、犬猫の処分合計頭数が1万頭を超えていましたが、近年では約300頭にまで減少しているといいます。

 「ここまで減らすことができたのは、行政の取り組みだけでなく、ボランティアの方々の協力や県民の皆さんの意識向上によるものです。しかし、徳島は野生動物が暮らしやすい温暖な地域であることに加え、野良犬へ餌を与えたり、飼い犬を放し飼いにする方もいることで野良犬が増え、その結果、犬の殺処分頭数は全国でもワーストクラスです。今まで以上に啓発活動を強化し、『殺処分ゼロ』に向けて取り組んでいきたいと考えています」

 同センターでは、譲渡会や、ボランティアとの協働による譲渡事業を通じ、県内で保護された犬猫の譲渡を全国へと拡大。人と動物のより良い未来に向け、命のバトンをつないでいます。

●徳島県動物愛護管理センター主任の、藪内 園子さん(右)と赤星 啓さん(左)。

無責任な行動が動物の命を奪う

 動物たちの大切な命を守るために、私たちにできることは何か。その答えを、同センターの赤星啓さんは次のように語ります。「犬や猫を飼っている方は、最後まで愛情と責任を持って飼うことが求められます。また、飼い主のいない犬や猫については、無責任な餌付けによって増やさないことが何より重要です」

 「かわいそうだから」という理由で餌付けをすると、動物たちが繁殖し、畑を荒らしたり人に危害を加えたりするケースが増え、結果としてセンターに保護・収容されることにつながるといいます。

 「野良犬を見つけたら、まずは所管の保健所や当センターに連絡してください。人に慣れるための訓練を行ったうえで、新たな飼い主が見つかるよう対応します」と赤星さんは話します。

 人と動物が豊かに共生するためには、犬を飼う際に定められている法律や条例をしっかり守ることも重要です。たとえば、飼い主は市町村に犬を登録し鑑札をつけ、年1回の狂犬病予防注射を受けさせることが義務付けられています。また、徳島県の条例では、屋外では必ずリードをつけることが定められています。

 「私たちの願いは、飼い主のいない犬や猫が1匹でも少なくなることです。愛情いっぱいに育てられた動物が、飼い主と幸せを分かち合う姿をもっと増やしていければ」とお二人。

 一人ひとりが意識を高め、最低限のルールを守れば、人と動物の未来はもっと輝くはずです。

不幸な命を増やさないために

1. エサを与えると、居着く 2. オスとメスが出会い繁殖する 3. 人や畑などに危害を加える
繰り返して状況が悪化!

無責任にエサをあげるのはやめましょう。
餌やり行為により野良犬が増えます!

犬を飼う上で守ること

[国の法律]
  • 犬を市町村に登録し、鑑札をつける
  • 年1回・狂犬病予防注射を受け、注射済票をつける

※違反すると20万円以下の罰金が課される事例も!

[徳島県の条例]
  • 公園や河川敷を含め、必ずリードをつけて散歩する。
犬鑑札
2025年度狂犬病予防注射済票

「動物愛護管理センター」ってどんな場所?

 動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)に基づき、各都道府県では動物愛護センターを設置し、動物愛護管理担当職員を配置しています。

 動物愛護管理センターでは、県民の安全や公衆衛生に基づいた「動物管理事業」と、人と動物のより良い関係づくりに向けた「動物愛護事業」を行っています。すべての施設が入場無料なので、ぜひご活用ください。

ドッグラン

ドッグラン

溜池を改修した自然あふれるドッグラン。飼い主や愛犬たちの交流の場となっています。登録後、無料で自由に使うことができます。

ふれあいサークル

参加者が犬と触れ合っている様子

親子で楽しく参加できる「動物ふれあい教室」(第2・第4土曜日 午後1時15分~)や「しつけ方相談」(第3日曜日 午前10時~)を開催しています。

動物管理事業

  • 放浪犬の収容・保護
  • 負傷動物の保護と治療
  • 動物取扱業の登録
  • 収容動物の返還 など

動物愛護事業

  • 動物愛護の幅広い啓発
  • 動物ふれあい教室の開催
  • 夏休み1日体験教室の開催
  • 犬のしつけ方や動物飼養の相談
  • 飼い主をさがす会・講習会の開催 など

ペットと防災 災害時のペット対策ガイドラインを策定しました

 災害発生時には、飼い主が自身の安全を確保した上で、ペットとともに 同行避難をすることが基本です。避難所への同行や在宅避難などを想定し、 日頃から準備をしておきましょう。

災害前の対策(一例)

  • 人やほかの動物を怖がらないようにしておく
  • ペットフードやトイレ用品などの確保
  • 各種ワクチンの接種や寄生虫の駆除
  • 身元証明のマイクロチップを埋め込む など
マイクロチップを埋め込んだ犬のイラスト

災害時の行動(一例)

  • ペット用の避難用品を持って避難所へ向かう
  • 避難所のルールに従って世話をする など

詳しくは、次のリンク先へアクセスしてください。

「災害時のペット対策ガイドライン」改定のお知らせ|徳島県ホームページ(外部サイト、別ウインドウで表示)


1匹でも多くの命を救うために

センター開設当初の3%にまで減少!
●徳島県における犬猫の殺処分状況(自然死含む)

 県民の方々や警察、市町村等からの収容依頼を受けることにより、動物愛護管理センターが「狂犬病予防法」および「徳島県動物の愛護及び管理に関する条例」に基づいて、捕獲収容・保護を行っております。

 近年の犬猫の殺処分頭数は徳島県動物愛護管理センターの開設当初(平成15年)の3%にまで減少しています。


詳しくは、次のリンク先へアクセスしてください。

徳島県動物愛護管理センター(外部サイト、別ウインドウで表示)