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試験研究評価シート(事前評価:食品苦情検査事例における迅速分析法の検討(カビ臭等))

〈課題名〉食品苦情検査事例における迅速分析法の検討(カビ臭等)

  1. 評価の種類:事前評価
  2. 担 当:製薬衛生担当
  3. 研究期間:平成28年度~ 平成29年度
  4. 予算種類:県単独
  5. 予算額:(総額) 1,142千円
必要性

 近年、食の安全・安心への関心が高まる中、食品の苦情・相談が多く寄せられている。食品苦情への対応では、科学的かつ客観的な根拠に基づいた説明が必要とされ、検査部門には、突発的事象への迅速かつ的確な対応(迅速な原因物質の確定、原因究明及び再発防止対策への寄与)が求められる。

 しかし、食品苦情検査には公定法がなく、地域ごとに発生状況も異なるため、事例の少ない地方衛生研究所では充分な経験が蓄積されていない。特に食品苦情のうち異臭苦情は一定の割合を占めるが、健康被害には至らない場合が多く、分析法についての詳細な検討事例は少ない。また分析が困難等の理由で、原因が究明できない場合も多く見られる。消費者の不安を払拭するためにも、各地方衛生研究所で実施可能な検査手法を検討し提示していくことに大きな意義がある。

目標

 異臭苦情時の迅速検査を目的に、少量の試料でもロスが少なく迅速に分析できる固相マイクロ抽出法(SPME)を用いて、苦情頻度の高いカビ臭の原因物質(ハロゲン化アニソール、ジオスミン等)及びアルデヒド類の(1)分析条件の検討、(2)苦情事例への適用を検討・評価する。

研究内容

平成28年度:平成22~23年度に調査研究を行ったハロゲン化フェノールでの固相マイクロ抽出法の分析条件等を基にして、他の異臭原因物質(カビ臭物質、アルデヒド類など)が検出可能な分析条件等の検討を行う。

平成29年度:種々の食品を対象とした分析データ集の作成及び苦情食品での検査を実施する。

手法

1抽出・分析条件及び検出濃度の検討(過去の事例、他県の事例から食品及び条件等を選定)

2各種食品に対する適応可否の検討(必要に応じ最適条件の検討)

3苦情食品及び類似の食品を用いた分析法の検証(官能検査、目的物質の検索及び定性・定量確認)