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阿波尾物語第3回

阿波尾鶏物語-開発からブランド確立まで-

第3回 JAS認定と今後の課題

徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所

養豚養鶏担当 専門研究員兼科長 澤 則之

「地鶏肉」JAS認定の取り組み

農林水産省は、日本国内で出回っている銘柄鶏肉が150種以上(表1)に及んでおり、その中で地鶏と称するものが数多く存在し、「地鶏肉」の販売表示が曖昧なため、消費者が製品の価値を正当に評価できるよう「地鶏」を定義づける「地鶏肉」JAS規格※を平成11年6月21日に制定しました。この規格は、JAS法の特色ある作り方に対し認定することであり、地鶏肉の生産の方法についての基準を定めた規定です。

また、JAS法が平成11年7月22日に改正され、地鶏生産行程管理者が第3者認証機関(登録認定機関)に認定を受けることにより、自らが格付け(当該地鶏肉がJAS規格に適合しているかどうか検査することにより、その結果JAS規格に適合していると判定すること)してJASマークを貼付する仕組みとなりました(図1)。

徳島県では、JAS法改正に伴い社団法人徳島県畜産協会(当時畜産会)が登録認定機関として、JAS認定業務を行うことを推し進め、登録申請に係る書類(表2)に関して理事会を数回開催すると共に、臨時総会を経て農林水産大臣に平成12年11月3日付けで申請しました。地鶏肉の登録認定機関として、申請書の提出が初めてであり農水省との書類のやりとりは数回に及び、業務規程等を変更することにより、平成13年3月9日付で登録認定機関として認定された経緯がありました。 徳島県阿波尾鶏ブランド確立対策協議会は、地鶏肉JAS認定申請書を提出に当たり、協議を行い早急に提出することにより、消費者に地鶏日本一の認識をさらに深めてもらうため、JAS法改正から準備を進めていたことから、平成13年3月19日付で認定から10日間で申請書類を作成し提出しました。

これを受けて同畜産協会では、申請書類の審査(認定の技術的基準等)と実地検査(食鳥処理場と阿波尾鶏生産農家)を実施し、判定委員会において検査結果を審議し、適正であったので、平成13年3月27日付で県内2カ所の生産行程管理者(食鳥処理場及び生産農家)を全国に先駆け認定しました(写真)。

現在、認定から2年が過ぎ、監査を実施しているところですが、証拠書類や格付け組織の徹底等の労力が当初想像していた以上に係っていることが伺えますが、食肉に対する消費者の目が偽造表示やBSEの発生以来、厳しくなっている時代にJAS取得による信用を裏切らないためには、苦にならないとの声がでており、全国で先駆けてJAS取得したことに誇りを持って販売されていることが一番うれしいことと思います。

JAS取得から阿波尾鶏肉販売は、順調に京浜・阪神地方の大消費地で順調な伸びを示し、他県の地鶏生産組合から登録認定機関の設置に関する問い合わせが多くなりました。JAS認定地鶏が全国で多く流通することは、阿波尾鶏の知名度が高くなることに繋がると考え、同畜産協会の業務方法書等の公開を進め、現在では8カ所の登録認定機関が6つの地鶏を認定しており、今後も増えることを望んでおります。

国産銘柄鶏の現況
JAS規格制度の仕組み
提出書類一覧
阿波尾鶏の特定認定JAS認定証授与式
【阿波尾鶏の特定認定JAS認定証授与式】

今後の課題

阿波尾鶏の生産販売がされた平成元年度には、100万羽を越える生産となると誰もが想像しておらず、徳島県農水産物のトップブランドとして揺るぎない地位に居ることも夢物語的な事になっております。

食肉の安全・安心が叫ばれている中、毅然と生産から販売まで組織がスクラムを組んで取り組んでおり、課題を取り上げるのは、難しい状況にありますが、食肉のトレーサビリティーを牛肉がJAS法に基づき作成に取り組んでいることから、将来は、地鶏肉トレーサビリティーシステムの構築が必要になってくると思われます。昨年度から同協議会では、種鶏場から出荷した阿波尾鶏雛の農家を報告し、生産された阿波尾鶏肉の親がわかるシステムにしております。販売されている肉に生産農家から給与飼料および親の証明を貼付できうる状況にありますから、何らかの形で、消費者にわかりやすいトレーサビリティーシステムの導入を考えたいと思っております。

今後とも阿波尾鶏の安定生産を実施していくため、阿波尾鶏生産販売体制を維持しながら当研究所では、育種及び飼養管理技術に関する研究を継続していく予定です。

※『阿波尾鶏物語』は「畜産コンサルタント」(中央畜産会出版)に掲載されています。