〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
- 電話番号:
- 088-621-2500(代表)
- 法人番号:
- 4000020360007
(徳島新聞社)
先日、自民県連との意見交換の場でも出たんですが、四国新幹線なんですけれども、県の政策提言を見ると、あくまで紀淡ルートっていうんでしょうかね、こちらの実現を求めていくという立場だと思うんですけど、現状としては四経連あたりが岡山からのルート、縦の方ですねの議論をしているようなんですが、この現状について知事はどのようにこう。
(知事)
四国新幹線についてはね、昭和48年に作られた全幹法というね、全国新幹線鉄道整備法というのが正式名称なんですが、その中で基本計画路線これを全国に将来的に作っていこうというのを決めた時に、実は縦軸、横軸っていう2つがあるんですね。で、1つは岡山から瀬戸大橋を通って入ってくる、そして、高知まで抜けるという縦軸ルート。それから横軸ルート、これは今お話のあった紀淡海峡を抜いて和歌山の方から、正式には大阪、徳島、そして高松、松山と書いてあるんですけどね。そして大分、こういうルート、横軸と呼んでいますがね。この実は2つが基本計画路線として記されてますね。
しかしその後、国がバブル崩壊するだとか、いろんな経済の問題があって、実はほとんどのものがそのまんま塩漬けになってる。その中で5線だけ、整備新幹線ということでね、今非常に脚光を浴びている北陸新幹線とか、あるいは北海道新幹線ね、こうしたもの。その前にできたのが、東北に向けての東北新幹線とか、できあがったんですけれどね。こうしたものが、どんどん今進められていると。そしてこの整備新幹線、あと長崎とかあるんですけれどね。これら、九州新幹線も出来上がった。で、この新幹線、整備新幹線が全て完成をすると、次にさあどうするのかということを決めようというのがこれまでだったんですね。非常にマイナス思考といいますかね、とにかくお金無いお金無いって、そういうことばっかりだったんですね。しかし、今回北陸新幹線、これが開業をして、北陸がすごく活況した。またその前には九州新幹線、こちらもすごかったんですよね。
こうしたことから、やはり新幹線効果これは非常に大きいということが各方面からかなり言われてきたと。で、従来は必ずB/Cというね、コストとベネフィット、Bというのはベネフィット、便益、そしてCはコスト、これがつまりB/Cと書く。つまりこれが1を超える、便益がコストを超えた場合にさあやろうかなと。これを1を割ってしまうと、それは無駄遣いだとこういうふうに言われてきたんですね。で、この新幹線2つの縦軸横軸の中で、実は縦軸、こちらについてはベネフィットとコストの関係、B/Cが実は1を少し超える。
こうしたこともあって、四国4県と四経連、経済界ではまずこれを旗上げたらどうだろうか。つまり、四国の皆が乗れるっていうのは、また国が採択をする可能性が、従来の感覚でね、高いのがこれだろうという形で、縦軸ルートこれを四経連の中心として進めていこうと、こういう話があった。しかし我々としてはかねてからその横軸を作らないことには第2の国土軸、でこれは大きな2つの目的があって、1つは今首都直下型地震が言われている中で、やはり東京中心ばっかりだとこの国大丈夫かということでの2眼レフ構造ね、そのために関西広域連合これも作り上げた。徳島はチャーターメンバーですからね。
それともう1つは、リダンダンシー、代替機能ということで、東京・大阪間については東海道新幹線。そして今、北陸新幹線がとうとう京都・大阪のルートが決まったんですね。ということで、これ北陸新幹線、さらには今もう工事が始まった中央リニア、JR東海が中心にやっている。これが東京から名古屋をまずやって、我々は今同時開業すべきと言って、国の方でも自民党を中心とする与党の方でも、同時開業すべきじゃないかということで、その大阪までと。実は3本ある。ところが大阪から九州を結ぶ路線、ここは山陽新幹線1本しか無い。今九州新幹線が活況だといっても、ここもし山陽新幹線で何かあったら九州新幹線孤立するんですよね。ということもあって、もう1本いるんじゃないか。第2国土軸とかつて言ったものなんですけれどね。これをやはり作るべきだと、このようにずっと主張してきた。
そうした中、実は北陸新幹線のルートが決まり与党の中でも、実は関空に新幹線を大阪から繋ぐべきだと。奈良県はリニアをと言ってるんですけれどね。リニアを通るのが名古屋から奈良を通って大阪へとこう書いてあるもんだから。ということで、今非常にこの関空新幹線、あるいはリニアといったものが、非常に一気に、整備新幹線でもあるいは基本計画路線でもなくて注目を浴びてきているんですね。というのはなぜそんなことが出てきたかというと、2020年にインバウンド、海外から2000万人と言ったのが、去年もう2400万人超えちゃった。それで今、去年の12月末に国では目標を変えたんですね。上方修正した。ということで、2020年には4000万、2030年は6000万、でもこれとても海外からのそのダイレクトに入れ込んでくる、もう羽田空港も満杯、成田も満杯となればやはり関空中心とする大阪ベイエリアに5空港あるんですよね。実は関空に滑走路が2本、伊丹空港に2本、神戸空港に2500、徳島阿波おどり空港に2500、南紀白浜に2000、7本の滑走路。これを有機的に繋いでいく。
これがまさにB/Cではなくて、インフラをこうどんどん活用していこうというね、新たなその概念、こちらが今上がってきているんですね。今あるものを使っていくと。となってくると、当然のことながら関空島に新幹線入れただけだと、当然これ盲腸線になっちゃう。これがターミナル駅になることは無い。じゃあ関空島のその向かい側にはもう淡路島があるわけだから、ここを抜けば実はストック効果っていう形で、淡路島と徳島との間の大鳴門橋は新幹線が通れるようになってる。つまり新たに作り替える必要が無い。かつてはね、明石海峡大橋ここを新幹線併用橋にしておけば、明石から入るっていう話だったんだけど、これはお金が無い無いって言って新幹線部分止めちゃったのね。で1回皆断念をした形があったんだけど、今違うインバウンドあるいはリダンダンシーということでね。やはり新たに今ここが急激に脚光を浴びてきた。
つまりB/Cというかつての考え方というんではなくて、今あるストックを使っていこう。公共財ストック効果っていうことでね、そしてこのインバウンド対策、これどうするんだと。これから成田空港はなかなかこれ滑走路作るの難しいし、かといって羽田にね後2本、今も洋上1本、洋上の上ですよ、また数兆円かけて作るって。だったら新幹線も作って、それで今ある空港も作らなくていいわけ。これを有機的に結んでいこうと。こうした我々が言ってきた主張が大きく取り上げられてきているということで、今この横軸についてはストック効果、それからインバウンド対策、これに資するものであろうと。だから我々が言ってきて、今では近畿を中心とし、そして今では日本全体としてね、ここに光がどんどん当たってきているということで、我々としてはもちろん四国でまず四国新幹線という名を出していくと、縦だ横だっていうんじゃなくてね。それだったら従来方式のB/Cという中で門前払いを食らうんではなくね、そうした話は別にそりゃ乗ることにやぶさかではないと。
ただ、ほんとの意味で四国が日本国全体に貢献をするんであれば、このストック効果、これをしっかりとやはり持ち上げていく。発案者は徳島だったわけだから。それに皆が乗ってきてくれているわけなんでね。それをしっかりと支えて。当然もう九州の側も、特に大分・宮崎はね、九州新幹線でかえって彼らはマイナスになっちゃったんですよね。昔は表九州、裏九州なんてこれ言ってたんだけど、まさにその裏ということの悲哀を今感じている。高速道路もなかなか繋がらない。そういう彼らにしてみると、四国新幹線っていうのは、横軸っていうのは非常にこれは期待っていうわけね。もちろん豊予海峡を渡るっていうのは、そう簡単な話ではない。深い。この紀淡と全然違うわけなんで。まして関空から関空島から淡路とは全然違うわけなんでね。
しかしそれも日本の国の技術、こうしたものの粋を集めね、やっていけば当然新しい技術がどんどんできるんではないか。なんと言ってもDMVが走ろうとするわけなんだからね。こうした点で、我々としては、我々が最初に火をつけたこの横軸、こうしたものをしっかりと支えていくと。もちろん、縦と横と両方を考えていくこれは重要なことなんで、決して二兎を追おうということではない。それぞれ全く違う観点からのアプローチということになります。
(徳島新聞社)
国会議員の中には、この間の場でも色々な意見があるようですけども、県として一つの意見を集約して訴えていくべきだという声も上がったかと思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
(知事)
いや、自民党県連の皆さん方がね、そうやって集約していただけると。そして今県の言っているこの横軸の話ですね、これを全面的に押していくんだということであれば、それはもう願ってもない話ですからね。最初はもう孤立無援みたいな話からスタートして、今では逆に関西の方が皆乗ってきてしまったと。だいたいこの話っていうのは、平成24年5月に私が近畿ブロック知事会議で打ち上げて、当時奈良の荒井知事さんが会長さんだったんでね、彼は運輸省出身なんで。それはもうぜひこれはいるんだってことで決議をして、その後6月の四国での知事会議でこうした話を上げていこうと、そして全国知事会7月香川でと。こういう手順でしたんでね。我々としては、やはりちゃんと最初に言ったことについては責任を持って、これを具現化をしていくと。もちろんこれが無駄だとかなんだとかっていうね、ご意見はそらたくさんあるんですよ。でもかつてやったことは全て無駄っていうことが多かった。
じゃあ本四高速、全国共通料金、私が平成16年に言ったときにね、四国も誰も味方してくれなかったじゃない、ね。だから、関西広域連合作ったんだから。そうしたら四国はもちろん、対岸の中国の方も乗ってきてくれたと。あのときはもう、この場でも皆、大風呂敷を開くんだっていう。でも今や皆、当たり前じゃないですかって。何で四国だけ高コスト構造に置かれるのってね。だから鳥取の平井知事さんが、スタバはないけど砂場はあるって言ってうけたあの話と同じでね、当時はだからセブンイレブンは無かったんよね四国には1つもね。だからそうした話、全然ね、いい気分じゃないよなんて話を言ったこともあったんだけどね。テレビはどんどん映るわけだから関西は全部徳島。そういった点で、その時としてはえっと思われるかもしれないけれど、やはりきっちりとその先、ひょっとするとそれは10年先だけじゃなくて20年、30年先なのかもしれないけど、でもインバウンド2030年までもう目標定めたわけでしょ、国が、6000万人って。ほら、この国の構造ガラッと変えないと。で全部作っていくなんて無理だから、あるものを使う。もうこれからはB/Cなんていうちまちましたこと言ったらね、日本全体人口減るんだから。絶対にベネフィット落ちちゃうわけ。国民の数減るんだから。となるとインバウンドをどうしていくのか。あるものをどう使うのか。このストック効果というものをどんどん、やはり打ち上げていく。その旗手に徳島構想と。これは過去の成功体験ね。なんといったって本四高速、孤立無援からいって、できたじゃない。だからそうした点を最初はもう皆が反対するもんなんですよ何でもね。しかしこの横軸についても、この場でも最初に言った時には、また第2の国土軸、紀淡ね、これを復活させるんですかって。そんな無駄をみたいなのが最初よ、ね。ほんとはそうじゃなくて皆そういうこと言うと、おっ、いよいよそれ言いますかみたいなね、ほんとは感じで乗ってきて欲しいんだけどね。そういう感じですね。
(朝日新聞社)
縦軸はB/Cで一応1超えているという形で、横軸に関してはそこまでの値は出てなかったんですよね。そこはもう一回じゃあ今の状況で、例えば見直すとかですね、そういうことを例えばご主張されるというようなことになるんでしょうか。
(知事)
もちろんそのB/Cという考え方っていうね、ただこれをやっていくと四国というか、地方というところはどんどんどんどん今人口が減ってるわけなんで、当然そのBの部分が落ちてしまう。ベネフィットが。で、これを考えていくと、B/Cだけの話ではなくて、やはり今、国の方もストック効果ということを言い始めてるんですよね。例えば新たに何か作ることによってその周辺がどれだけ効果を増すのか。で、私はさらにもう1歩進めたストック効果を言っていて、新たに何か作るだけじゃなくて、既にあるものを有機的に繋ぐというストック効果。あるいは、もう既に工事ができてしまっていて、でも今は繋げてないが故に、無用の長物になってしまっていると。
例えば瀬戸大橋にしても、大鳴門橋にしても、せっかく高速道路と新幹線併用橋にしてるのに、新幹線が繋がってないものだから無用の長物にそこがなっているわけですよね。でもそれを繋ぐことによって新たにそこにお金をガバッとかける必要なくて、できてるんだと。何でそれを使わないのって。こういうそのストック効果、ここのところをきっちりと言っていきたいと。もうB/Cを言っていると、じゃあこれができるところ、例えば20年、30年先になったときに、もうそこでアウトになっちゃうんですね。戦いにならない。もちろんその時に四国は人口が今の倍になるとかということであればいいんですよ。でもそこはなかなか今、日本全体がこんだけ人口が減るわけですから。この考え方やっぱり変えなきゃいけない。そしてどんどん逆に人口を呼び込む、人を呼び込む、そうした形を取る。ということで、新たなストック効果、こうした点をしっかりと理論武装をしていきたいとこう考えています。