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平成29年5月29日 定例記者会見 項目別

高知県大川村における村議会廃止の検討による住民自治の在り方について(質疑)

(徳島新聞社)
 お隣の高知県の大川村で、先日来、村の議会を廃止して町村総会、住民が直接なんかこう色々審議に携わるという総会を設置しようかという検討がなされているというような報道が出てるんですけれども、こういう議会を廃止して、住民が直接予算とか審議するっていう自治の在り方っていいますか、こういうところについて、まずどのように知事がお考えかということをお聞きしてよろしいでしょうか。

(知事)
 元々は、それぞれの、例えば自治体と日本では呼んでおりますけれどね。その1つの集団の中の意思決定を行うというのは「全員参加」、これが実はギリシャ時代から定められたんですね。例えば、陶片政治というオストラコンですね、これも全員が集まって、そこでこの施策はいいだ悪いだってやっていくと。
 しかしこれだと、時間がかかったり、あるいは必ずしも全員が知見が高いわけではない。じゃあそれをある程度知見のあるプロフェッショナル軍団といいますかその集団に、任せようではないかっていうことで、実は議会政治、つまり間接民主制が出来上がってきたんですね。
 だから、本来は直接民主制ということで、可能であればそれが実は1番望ましい形なんですよね。しかしどんどん人口が増え都市規模が大きくなって、いやそりゃ大変だということで、間接民主制が世界中で生まれたっていう、まずこの歴史これを見逃してはいけないと。
 ですから、今回大川村さんのお話っていうのは、実は県内でもね出始めている話で、特にその1番の根本原因は、人口がどんどん減少を地方という所がして、もっというとその中でまず議員さんになり手がいなくなってきているということなんですよね。例えば那賀町の皆さん方は、若い皆さん方に対しては少し手当を高くした方がいいんじゃないだろうかとかね。様々県内市町村の方でそうした工夫をしてくるわけなんですが、いやなかなかでもその民意でこれをOKとするのは難しいということがあって、議会では色々な工夫をされて、発案をされていくんですが、理事者サイドとしては最終的には住民の皆さん方のご意見、これをやっぱり考えていかなければいけないという中で、なかなか条例化が成されないというのが、今の現状ではないかな。
 まさに産みの苦しみになっている。これは、とりもなおさずやっぱり今日本が直面をしている人口減少、そしてもう過疎化とかねそんな話じゃなくて、今集落消滅っていう時代になっている。その意味でこの東京一極集中を是正をして、地方の魅力を高める。そうした地方創生をいかにしていくのか、ここがポイントということになるんではないかと思っています。
 ということで、このままいくと大川村だけではなくて、おそらく町村といわれるところは、ほとんどがそうなってくるんじゃないのかな。実は地方自治法上は、それを想定をある程度していまして、市は別なんですが、町村は全員協議会町村総会をもって行うということはできるようになっているんですね。いわゆるシティーマネージャー制度みたいな形ですよね。
 ですから、決してその制度的におかしいという話ではないし、歴史的な世界の歴史を見ても、直接民主制が本来あるべき。でもこれは人口の少なかった時代。でも人口が爆発的にこう増えてきた今の時代では、間接民主制が主になってきたということだと思いますね。
 ということで、いよいよそうした過疎化が進み、集落消滅という時代において、やはり日本の統治機構、地方における統治機構が、今大きな一大転換期を迎えようとしているそのまさに先駆け、象徴なんだとこのように思っています。

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