勝浦発電所は、洪水調節、かんがい、工業用水及び発電等の多目的ダムとして建設した正木ダムの水を取水し発電するもので、昭和52年5月一部運転を開始、昭和52年11月全運転開始しました。
最大出力11,300kW、常時出力770kWのダム水路式発電であり、総合管理推進センターから遠隔監視制御しています。
設置場所 | 勝浦郡勝浦町棚野 |
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発電機台数 | 1台 |
形式 | 縦軸フランシス |
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回転数 | 514rpm |
使用水量 | 10m3/s |
形式 | 縦軸回転界磁型交流三相同期 |
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容量 | 12,600kVA |
回転数 | 514rpm |
電圧 | 11,000V |
力率 | 90% |
周波数 | 60Hz |
棚野ダムは、高さ8.5m、頂長56.9m、幅3.0mの水位調整ゲートと幅28.0mの洪水吐ゲートを持つもので、昭和52年5月に完成しました。
上流にある勝浦発電所の運転方法は、勝浦川の流量が少ないときはピーク発電となるため、勝浦発電所に設置されているダムゲート自動制御装置により、発電所の下流約450m地点にある棚野ダムゲートを制御し、勝浦発電所からの発電水量を逆調整することにより、下流の水位変動を緩和しています。
また、同ダムの完成によって川がせき止められ、生息するモズクガニが遡上できなくなったため、その生態系を守るため国内でも珍しいカニ専用魚道を平成7年度に設置しました。専用魚道は、ダム正面をまたぐ形で下流へ31m、上流へ11m、幅1mの橋状となっており、魚道には水流を弱めるため仕切り30個余を設けてマス状としているほか、自然の川に近いように石を埋め込み、遡上するカニの休息や外敵から守る工夫を施し「カニにやさしい環境」になっています。
正木ダムは、勝浦川総合開発の一環として、洪水調節、かんがい、工業用水及び発電等の多目的ダムとして昭和52年8月に完成しました。
堤高67m、堤頂長215mの直線重力式コンクリートダムで、集水面積94.7km2、総貯水量1,505万m3、有効貯水容量は1,190万m3です。ダム湖は別名「美愁湖(びしゅうこ)」と呼ばれています。勝浦発電所で発電に使用する水は、正木ダム直上流右岸にある発電取水口より取水しています。また、発電によって生じた正木ダム直下流から勝浦発電所までの水無し(減水)区間を解消し、清流の復活、水質の改善及び生態系の保全を図るため、平成13年5月から河川維持放流を実施しています。
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