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令和3年度第1回試験研究評価委員会評価結果(中間評価)

令和3年度第1回徳島県立保健製薬環境センター試験研究評価委員会

中間評価結果

〈課題名〉徳島県沿岸における有機物及び窒素化合物の生分解性調査

評価結果
評価結果1
総合評価
採点結果(出席全委員の総合評価点の平均点)
3.8点.3点(5点満点)
評価結果2
評価項目ごとの採点結果。点数は、出席全委員の平均点。
評価項目 必要性 目標 研究内容 手法 成果
採点結果(5点満点) 4.4点 3.4点 3.7点 3.7点 3.9点
試験研究評価シート
主なコメント

○・瀬戸内海環境保全特別措置法の改正や瀬戸内海の環境の保全に関する徳島県計画の変更により求められるようになった「湾、灘その他海域ごとのきめ細やかな水質管理」の観点から、ニーズを踏まえた研究内容である。
・より具体的な目標設定が望まれる。瀬戸内海の他の海域との比較があればよりわかりやすいように感じた。
・研究内容、手法とも適切と認められる。
・県北沿岸、紀伊水道、県南沿岸の調査、解析が完了し、一定の成果が得られている。令和3~4年度の調査を加味した結果のとりまとめが期待される。

○きめ細やかな水質管理が求められていること、そのため漁獲量減少やノリ・ワカメの色落ちが発生しているなどの背景から、本研究の必要性は非常に高く喫緊の課題であることがわかる。しかしながら、今回の発表においては測定値を並べているだけで、そこから何が言えるのか、どういった仮説が考えられるか、今後どういった視点で各測定値を比較すべきか、などの考察が全くなかった。また、どの形態を保持すべきか、あるいは除去すべきか、その比率を変化させる要因が何なのか、今回の測定結果が今後の水質管理にどのように影響を及ぼすのか全くわからなかった。今回の研究目標を「質的管理のための実態調査」に留めていることが問題であるように感じる。

○お忙しいところたくさんの調査をお疲れ様でした。今後、別の地域の調査をされるとのことで、各地域の水質と漁獲量やノリ・ワカメの養殖状況などとの相関を見られると宜しいかと思いました。水質の維持について対策を行うことは難しいと思いますが、国などと協力されて今後の対策を考えることはできるのかなと思います。

○漁業は徳島県における重要な産業であり、この発展には、海の状態を知り、最良にする必要があり、本研究はそれにとりくむことで重要と考えられる。ワカメなどの海産物に影響する色おちを防ぐ点からも評価できる。

○近年着目されている難生分解性の有機物や窒素有機物を取り上げて、徳島県沿岸海域の調査活動で有用な調査データを取得されました。水産資源の維持向上に結びつくことを期待します。

○本研究は、海域における栄養塩動態の中で比較的不明な点が多い難分解性の物質の動態に着目した研究であり、既往の知見と組み合わせることで、海域の栄養塩管理に関する基礎的な知見を得ようとするものである。研究の必要性は法改正によるものであり明確であるが、研究上の仮説や論点については、やや不明確であり、言葉の定義と合わせて整理した方が良いと思われた。すでに100日分解試験を実施しており、成果を得ている。今後は、この成果の確からしさを多面的に確認することや、得られた結果を行政が行う栄養塩管理にどのように活かすのかを検討することが期待される。また、表層水を対象としているが、海水なのか河川水を含んでいるのかを塩分で確認し、試水の水環境上の位置付けを明確にすることも検討いただきたい。

〇海域ごとに形態別有機物、窒素化合物濃度を測定する為に、海域を分けて何箇所も海水を採取し、100日かけて培養し、かつ有機物を分解させて測定するのは大変だったと思います。今後さらに別の海域もすすめていくことで徳島におけるどこの海域で1番窒素化合物が多いか?また、その対処法もあわせて研究いただけたらと思います。