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試験研究評価シート(事前評価:徳島県における微小粒子状物質(PM2.5)に関する研究)

〈課題名〉徳島県における微小粒子状物質(PM2.5)に関する研究

  1. 評価の種類:事前評価
  2. 担 当:大気環境担当
  3. 研究期間:平成28年度~ 平成30年度
  4. 予算種類:県単独
  5. 予算額 :(平成28年度)565千円 (平成29年度) 565千円
必要性

 PM2.5は、直径が2.5μm以下の粒子のことで、非常に小さいために肺の奥深くまで入り込み、呼吸器系や循環器系への影響が懸念される物質である。また、近年、中国での高濃度事例を契機に、世間での関心が高まっている。

 平成21年9月にPM2.5の環境基準(長期基準:年平均値15μg/m3以下、短期基準:日平均値35μg/m3以下)が設定され、その後全国的にPM2.5の測定体制の整備が行われているが、現在のPM2.5の環境基準達成率は低く(平成25年度:16.1%(一般局:492局中))、県内でも同様の状況(平成25年度:0%(一般局:5局中))となっている。したがって、県内のPM2.5の発生源の推定および影響の考察は非常に重要であると考える。特に、全国的に長期基準の達成率(平成25年度:44.3%)よりも短期基準の達成率(平成25年度:16.3%)の方が低いことから、PM2.5の高濃度事例の原因を明らかにすることがより有用であると考えられる。

目標

 県内におけるPM2.5の高濃度時およびバックグラウンドについて、無機元素成分やイオン成分などを分析し、比較することにより、高濃度となった原因を推定する。また、他の大気汚染物質との関係を比較することで、高濃度となった要因を多角的に捉える。

研究内容

 PM2.5の高濃度および低濃度(バックグラウンド)が予測される日について、PM2.5のサンプリングを実施し、無機元素成分やイオン成分などの分析により濃度実態を把握する。また、無機元素濃度比や後方流跡線解析などから、PM2.5の発生源を推定する。

 広域大気汚染が懸念される水銀の大気中濃度の測定も同時に行い、大陸からの移流や健康影響への考察の一助とする。

 他の大気汚染物質との関係性を考察する。

手法

○[調査地点]:保健製薬環境センター(徳島市)および脇町局(美馬市)

○[調査時期・期間]:PM2.5の高濃度および低濃度が予測される日について、23~24時間採取を行う。採取日は、国立環境研究所が公開している大気汚染予測システムVENUSや九州大学が公開しているSPRINTARSなどを参考に設定する。

○[調査分析手法]:試料の採取にはPTFE製ろ紙と石英製ろ紙の2種類を用い、無機元素成分、イオン成分については環境省「微小粒子状物質成分測定マニュアル」を参考にそれぞれ、誘導結合プラズマ質量分析装置、イオンクロマトグラフ分析装置により定量する。炭素成分については委託する。その結果を基に、無機元素濃度比や後方流跡線解析などから、PM2.5の発生源を推定する。水銀については、環境省「有害大気汚染物質測定方法マニュアル」を参考に、金アマルガム捕集加熱気化冷原子吸光法により定量する。

自動測定装置のデータから、他の大気汚染物質との関係性を考察する。

その他