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試験研究評価シート(事前評価:指定薬物構造類似物質の探索と試験法の検証)

課題名「指定薬物構造類似物質の探索と試験法の検証」

1.評価の種類:事前評価

2.担当名:製薬衛生担当

3.研究期間:平成26年度~平成27年度

4.予算額:(総額)788千円

5.予算種類:県単独

必要性

 近年、「合法ハーブ」等と称した違法ドラッグによる健康被害、事件・事故等が問題となっている。これらに含有される成分のうち、幻覚等の作用を有する蓋然性が高いものについては、薬事法、徳島県薬物の濫用の防止に関する条例で物質等を指定し、取り締まりを行っているところである。これらの違法ドラッグには指定薬物以外に指定薬物に化学構造が類似した麻薬や向精神薬等の他の規制薬物、あるいは薬事法等で規制されていない新規の類似物質(以下、これらをまとめて「指定薬物構造類似物質」という。)が検出される場合があり、徳島県が実施する買上検査でも検出事例がある。

 しかし、これら指定薬物以外の物質については、スペクトル等の分析データがないため、物質の推定に時間がかかる。また、検出結果を確定するためには標準品が必要であるが、これらは海外の試薬メーカーから購入する場合が多く、入手手続き等に時間がかかり、最終結果を報告するまでに時間が費やされている(試験依頼日から約2ヶ月~半年)。これらの指定薬物構造類似物質を迅速に確定するためには、事前に物質を探索し、標準品を用いて試験方法を検証し、分析データを蓄積しておくことが重要である。

目標

 指定薬物構造類似物質の分析データを事前に取得する。また、実際の違法ドラッグ検査においては、それらを用いて指定薬物構造類似物質を迅速に確定することを目標とする。

研究内容

1指定薬物と構造の類似する他の規制薬物及び新規物質の探索

2国からの通知による試験法の検証、最適分析条件の確立

3得られた分析データと化学構造との関連性の評価

手法

1 麻薬や向精神薬のうち指定薬物に構造が類似する物質を調査する。新規物質は、海外で流行したものが国内に持ち込まれる事例が多いため、国内に持ち込まれそうな物質を探索する。探索は、海外のWeb情報、他の衛生研究所からの情報収集により行う。

2 入手した標準品について、国からの通知による試験法に基づき、GCMS、LCMS、LC-PDAの各分析機器で測定し、試験法を検証し、スペクトルや分析機器内での挙動等の分析データを取得する。なお、通知法で適切に検査できない場合においては、その他の分析条件やLCMSMSの使用を検討する。

3 各分析機器から得られたデータ及び既知のデータを用いて、化学構造と得られる分析データの関連性について評価する。

その他