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令和7年7月25日 定例記者会見 フルテキスト版

発表事項

(知事)
 皆さんこんにちは。おはようございます。ただいまから定例記者会見を始めさせていただきます。まずは、先の参議院選挙も終わりまして、一昨日、全国知事会議が青森県で開催されました。その中で、参院選後の不透明な国政に対して多くの知事さんから懸念が表明されたということでございました。参院選について客観的に申し上げると、世界的に一つの政党が単独過半数を取るということは非常に難しい時代になった。この背景には情報化社会の進展、こういったものが挙げられると思います。自公単独過半数は取れなかったということでございますが、個人的見解ですが、自民党は政権与党の善戦と私は思っています。新しい政党の台頭ということで、より政局が混迷していますが、逆に言えば私どもからすれば、やはりスピード感を持ってさまざまな課題に成果、結果を出していただきたいということ。報道を見ていますと、与野党で選挙結果についての話ばかり、そして与党においては責任追及についての話ばかり、何にも政策の議論が聞こえてこないということは非常に寂しくもあり、残念だなと思います。自民党につきまして、私は元居たとこでありますが、石破総理は過去の自民党の派閥政治、そして裏金をはじめとする政治と金、こういった負の遺産を背負って、また背負わされて戦った割には比較第一党、そして自公過半数には3人足りないということですよね。そういう意味では私は、今まで反主流派だった石破さんが主流派の負の遺産を背負って戦ったという意味では非常に評価されるべきだと思っております。歴代の首相と会談されたということですが、歴代の首相は石破さんに我々の負の遺産を背負って戦ってくれてありがとうと感謝の気持ちがあって当然じゃないかなと思っています。さらには、スピード感を持った実行という意味ではトランプ関税の交渉も一定の成果を出されたということで、参院選が終わってみんなふわふわしている中で唯一仕事をしている政党ではないのかなと。もちろん政権与党でありますから当然なんですけれども、そういった印象を受けます。そういった参院選を受けて全国知事会議ではさまざまな議論をいたしましたが、一つには消費税の議論がありました。消費税下げます、年金の負担下げます、下げます競争。我々現場を預かる知事としては、負担が減った分の代替財源はどうなるのかという議論が全くなされていないことに非常に強い懸念を表しております。実際に我々地方政治、現場の政治からすると、例えば消費税が廃止ということになると、我々の地方消費税366億円が丸々無くなります。これはどうするのですかという議論が全くなされていない。報道も含めてファクトチェック無く、下げます下げますの話ばかり報道されていた。それによって有権者がいろいろな誤解や勘違いをされたんじゃないのかなと。実際366億の地方消費税の減収、さらに国税は地方交付税の原資にもなっております。それを県分の地方交付税は393億円の減少になります。合わせて759億円。我々は約5,000億円の一般会計歳出予算を組んでおりますが、15%の財源が無くなるということです。皆様方の身近な行政サービス、また医療も含め福祉、そして経済対策、農林水産、さまざまな予算が15%削減されます。これについて考えて投票されたのかなと。ここは非常に懸念と疑問を感じるところでありますので、そういった点についても各国政における負担減をおっしゃった方々は減収分の補填財源をどこから調達するのかも明確にしていただきたいという考えを知事会でもお示しさせていただいたところであります。また、消費税というのは社会保障制度を支える財源でもありますので、今各都道府県、我が県も例外ではありませんが、公的病院の赤字が大変なことになっています。開催県の青森県におきましても、約90億円の赤字を毎年出しておられるということです。我々県立の病院や県営の病院は毎年多くの赤字を抱えながらも、いわゆる一般の民間医療ではできない政策医療や公的医療で県民の皆様の安心安全、健康をお支えさせていただいていることからすると、その財源の消費税を減らすことで、そういった社会保障制度や医療提供体制の確保の財源を一体どこからどう持ってくるのかといった議論も無いままに参議院選挙は終わられましたが、早急に補填財源をお示しいただきたいと思っております。「青森宣言」ということで出しましたが、今言ったような代替財源なき減税など次世代につけ回すような政策はやめましょうということと同時に、いつも私もこの場で申し上げていますが、日本の人口は3割減ります。3割減るということは胃袋が3割無くなる。市場が3割無くなるのです。加えて労働力も3割減るということですね。そうした時に、どう考えたって外国の市場を求めにいかなければいけない。さらには外国人の労働に頼らなければいけない。さらには安全保障においても、日米同盟はじめとした世界の中での平和と反映、共通の価値観を持つ方々と外交しなければいけない。またエネルギー安全保障においても、海外依存度の高い日本は国際的なインクルーシブなお付き合いをしなければいけない。食料自給率も40%を切っている中で、海外と仲良くしなければ我々の食の安定供給は守れない。食料安全保障は守れない。我が県も外国人の方々がたくさん増えていますし、インバウンドもたくさん増えています。そういった中で、外国の方に対する排他的な考え方というのは非常に危険だなと思っておりますし、知事会においても懸念が一致した見解として示されたわけです。まさに多文化共生社会というのは、我々現場を預かる地方行政が一番感じているところであります。いわゆる労働者であるだけではなくて、外国人は生活者であるのだと。その生活も日本国民同様しっかり守るということは、当然、国際的な相互主義の観点からも重要なことでございますので、そういった点において、参院選においては一部排他的な考え方が発信されたことに対して知事会としても強い懸念を要するという議論もされたところでございます。我が県のみならず、都道府県をまたがる事案について一つ言いますと、我が県の徳島自動車道で起きた残念な事故がございました。また国土強靭化の会議でも情報共有させていただいて、暫定2車線区間の早期解消を求めていくということと緊急的な安心安全対策。既存の幅をもう少し狭め、中央分離の区間を広めるといったこととか、県警さん中心にタイヤのバースト問題。タイヤが燃えたことが事件を誘発させたということも含めて点検、こういったことも機動的にやらせていただくと。私個人的には、暫定2車線のところはバンプといって道路を走っていると少しもこっとしているところがいくつかあるとスピードを下げないといけないということで、慎重に運転してくださいねと。居眠り運転とかそういうのが気付かれるような能動的な仕組を作ること。そして、ラバーバンプからワイヤーロープということですが、橋梁部分については構造的に難しいということではありますが、その他の代替案を早急に研究し、そして我が県において早急に実験、実践していきたいという話も同時にさせていただいたところでございます。自動車事故における今後の対応について今少し触れたので改めて申しますが、中村愛媛県知事からも「早急に解決しないといけない」というご賛同をいただきまして、県警とNEXCO西日本などにより「緊急交通安全啓発キャンペーン」を実施しております。改めて申し上げました早期の4車線化。これは令和元年に、令和10年から令和15年の間に暫定2車線の解消を国も目指すということになっておりますので、これについて中期的に4県合同で国に申し入れしていくと同時に、緊急的な安全対策というものもやっていきたいということでございます。想定する4県合同での取組は、4県知事による高速道路の安全対策に対する宣言、4県の県警さんによるタイヤ点検の実施、各県のトラック協会やバス協会等の業者への緊急要請、こういったことを4県まとまってやっていこうという話をすることができたということでございます。続きまして、大きな話から順にやっていきますが、日米関税交渉の合意につきましてでございますが、相互関税が25%から15%に引き下げられたと。自動車関税も15%に引き下げられ、数量制限なしといった内容で合意されたということでございます。政府与党の粘り強い交渉が実ったものであって、国益を守る重要な成果であると評価させていただいております。国におきましては、引き続き、国益に沿った形でアメリカとの交渉を継続するとともに、国内産業の支援に万全に期していただきたいということでございます。私もいくつか県内の輸出企業にヒアリングさせていただきましたが、今回の関税交渉の結果につきまして一定の評価をしていくということで安心したといったコメントを直接伺っております。ただ、これから合意の実施に向けて我々徳島県としてもトランプ関税に対する対策会議を早急に担当部長を中心に組成したいと思っていまして、必要があれば補正予算も含めて対応できるように次の議会に向けて準備させていただきたいと思っています。今まで県庁におきましては相談窓口や融資枠の創設などやって参りましたが、今申し上げた対策会議、また、経済団体等の関係機関による連絡会議も早期に開催して万全を期したいと思っています。続きまして、ツキノワグマ。これも対岸の火事ではなくなってきたんだと思います。これも今までの前例踏襲で何か起こったらやるのではなくて、能動的に我々からクマを探し、そして対策を先手で打つということをすべく対策会議を指示しまして、今、開催しています。ちょうど今日の同じ時間から国、いわゆる環境省と林野庁、また県警、教育委員会、市町村、または猟友会、専門機関である四国自然史・科学研究センターなど、ここは四国のツキノワグマに関する調査研究をしているとこでございますので、そういった方々に集まっていただいて、今日の同じ時間に対策会議を開いております。会議におきましては、出没時の対応や被害防止対策、捕獲する場合の対応について改めて共通認識を確認するということでございます。今申し上げたように緊急パトロールの実施、または県民や観光客の皆様へのプッシュ型によるクマ対策による周知、そして能動的にこちら側から捕まえにいくといった新次元の対策が必要だと思っておりますので、今後目撃等ございましたら速やかに県警、もしくは県庁やお近くの市町村にご連絡いただきたいと思います。今四国では、少なくとも26頭のツキノワグマが徳島県と高知県でのみ生息していることが確認されております。本県におきましては、4月以降、那賀町、つるぎ町、上勝町、三好市の山中で5件の目撃情報があったということでございますので、県民の皆様も改めてクマの出没にご注意いただくとともに、万が一があった時の対応もしっかり把握していただければありがたいと思っております。続きましては、毎年秋に「徳島おどりフェスタ」をやっておりますが、今年の開催につきまして詳細が定まってきたのでお伝えしたいと思います。昨年は「東京ディズニーリゾートスペシャルパレード」の企画を実行させていただき、約8万人の方が来場されて、県全体の皆様、特に子どもたちに喜んでいただけたかと思います。また、去る5月2日、3日には、万博におきまして世界中から集まった約1万人の方々と一緒に阿波おどりが開催されたということでございます。今後も徳島県への観光誘客のイベント、また県民の皆様の魅力度、楽しみという形で、「徳島おどりフェスタ2025」を開催することといたしました。今回は多くの方に参加してもらえるように、11月1日、2日の2日間にわたって開催いたします。徳島の秋の風物詩となっております「ふるさとカーニバル~阿波の狸まつり~」をはじめとする周辺のさまざまなイベントともコラボレーションさせていただくことによって、多くの化学反応を起こせればと思っています。そこで今年度は、国内外で幅広い年代層からの人気を誇る「株式会社サンリオ」のキャラクターにパレードやグリーティングをしていただくことになりました。ハローキティやポムポムプリンなど、人気キャラクターの出演を予定しております。また、ナイトタイムコンテンツの創出に向けた取組といたしまして、眉山上空においてドローンショーを実施し、徳島の夜空を彩ることとしております。11月2日は阿波おどりやサンリオキャラクターのパレードにより、元町交差点から新町橋二丁目交差点までの区間を交通規制させていただく予定となっておりまして、周辺住民の皆様にはご迷惑をおかけしますが、また、渋滞等で県民の皆様にはご不便をかけますが、徳島おどりフェスタとして子どもたちが大好きなサンリオキャラクターのパレードの機会にご理解いただければありがたいと思っております。今後も新たなコンテンツの実施について発表を予定しております。また、今申し上げたイベントや交通規制の内容については現在調整中でありまして、詳細につきましては、また改めてこういった場やホームページ。ホームページに載せましたと言うだけでは伝わっていません。いつも私は県庁のスタッフに常々申し上げていますが、「伝える」ではなくて「伝わる」、到達するまで発信させていただきたいと考えております。続きまして、国際定期便のキャンペーンでございますが、ご報告を申し上げることは2つでございます。1つ目は「パスポート取得支援キャンペーン」、2つ目は「複数人旅行者向け・韓国旅行促進キャンペーン」の2つを7月25日から9月30日まで約3ヶ月間の期間限定で実施することといたします。1つ目の「パスポート取得支援キャンペーン」は、徳島県内にお住まいの方で、今年の7月1日以降に新たにパスポートを取得し、徳島阿波おどり空港に就航する国際定期便の往復利用者を対象に、デジタルギフトのQUOカードPay、1万1,000円分を贈呈させていただくという内容です。2つ目は、「複数人旅行者向け・韓国旅行促進キャンペーン」につきましては、3名様以上で韓国便の往復利用者を対象にして、韓国現地で使えるICカードであるT-money cardを一人当たり5万ウォンをプレゼントさせていただきます。5万ウォンと言うと、だいたい5,000円ぐらいです。なお、両キャンペーンの重複利用はできませんので、どちらか一方の応募でお願いしたいということでございます。国際化元年という年でございますので、より多くの県民の皆様が国際化に向けて、まずは近隣の直近で始まった韓国を体験・体感していただく。他国の素晴らしいところ、文化や魅力、さまざまあります。加えて外を知ることによって、日本の素晴らしさや徳島の良さも体験していただいて、幅広い人間形成に向けて子どもたちを率先して連れて行ってあげていただきたいと思っております。続きまして、いわゆる人材確保という大きな目標に向けての人材マッチング。これは、かねてからシステム会社さんや協力していただく県内企業さんと共に先日も記者会見をさせていただきました。いわゆる隙間時間ですね。世の中にもそういったマッチングのアプリがありますが、手数料も非常に高額という中で、地元の皆様方からこういったものを県としてやれないかとのお話もいただく中で、求人をする側と求職をする側をマッチングする「徳島マッチボックス」というものが、いよいよ8月1日からサービスが開始されます。これは学生さんたちはじめ、家事や子育ての合間の隙間時間に。例えば子どもさんを保育園に預けている間は時間ありますよとか、高齢者におきましても退職されてまだ時間も力もありますよという方々とか、また障害のある方、ハンディキャップのある方、こういった方々。後はそれをマッチングするということですので、キャリアアップに向けても県で新しい体験をしてキャリアアップに繋げていくといったことにも活用していただきたいと思っておりますので、皆さん奮ってご活用していただきたいと思っております。労働関係で言いますと、先日も申し上げました最低賃金の審議会が始まっております。我が県におきまして昨年は日本一の上げ幅であり、これは経営者の方々のご努力、または労働者の方々のご努力の成果であります。9ヶ月連続実質賃金がプラス、全国ではマイナスが続いている中でそういうことになっております。私どもが求めていた地方最低賃金審議会の透明性を求めておりましたところ、分科会の公開が決定されたということで、まず徳島から日本の制度を動かすことができた。いわゆるブラックボックスの中での議論ではなくオープンの中で、そして最低賃金がどういうふうに決まっているのか、どういう人たちがどういう知識で論理的、合理的に議論して決められているのかが公に晒されるということは、非常にいいことだと思います。労使、公益の三者の方々は緊張感を持って発言し、いい議論をしていただく大きなステップになったと思いますので、全国にこういったものが波及されたらいいなと思っております。続きまして、徳島県奨学金返還支援制度の募集開始でございます。徳島県奨学金返還支援制度の令和7年度募集を来月1日から開始させていただきます。この制度は、若者の地元定着と人材の確保を図るため、在学中に奨学金を借り入れた学生の皆様が卒業後に県内の事業所において3年以上就業していただいた場合に奨学金の返還を支援するものでございます。今年度から制度を拡充いたしました。何かと言えば、募集人数を250名から300名に拡大しましたのと、助成の支援の上限額を奨学金種別によって異なりますが、最大で100万円から125万円に拡大させていただいたところでございます。募集の対象者は、今年度または来年度に卒業予定の全国の大学生等、そして県外在住の既卒者、県内の高校3年生となっております。ぜひこれをご覧になった方々、ご近所やご家族にも伝わるようにお力をいただきたいと思います。8月1日から令和8年1月23日まで募集を行いますので、ぜひ、徳島県で働きたいという皆様にご応募いただければと思います。県内企業の皆様方におかれましても、採用活動の際に徳島で就職するメリットの一つとして学生の皆様にお伝えいただければありがたいと考えております。続きまして、新ホールのお話でございます。新ホールにつきまして結果は報道のとおりでございますが、これは全国知事会でも大変議論になりましたが、皆様ご承知のとおり全国で入札不調が頻発化しております。本当に残念なことに、石川県知事ともお話をしましたが、能登半島の復興・復旧ですら入札不調が続いているという状況。他県も多くの知事さん達が、事業がなかなか進まないと。もっと言えば、大使が先日徳島に来られて話をしましたが、万博のパビリオン建設の苦労もそうですが、ある国の大使館の建て替えにつきましても、設計はしたけれども建てる人がいなくてどうしようと、こんなお話も当たり前のように起きているのが現状でございます。どこも設計変更を余儀なくされて遅延するということが全国中に頻発化している。ある意味、想定はしておりました。ただ我々としては、現場がしっかり公平性・透明性・公正性を基にいろいろプロセスを進めてきました。入札不調の一番大きい原因というのは、今申し上げたように労働力不足。そして、これから大阪のIR等を考えた時に、関西地域についてはさまざまな事業に対して影響が出てくる。これはもう随分前に担当部局に、そこを準備しながら早めに発注することを県土整備部にも指示しているところでございます。そういう中でもう一つ、2番目には民主主義のコストとして、やはり丁寧に説明をせよということをこの記者会見でもいろいろおっしゃっていただいて、全くそのとおりだと思います。ですから時間をかけて丁寧に説明させていただいたというところであります。やはり民主主義の基本である透明性・公平性・公正性に則ってやってきたということ。さらには、やはり財源も青天井ではありません。今回知事会でも毎年予算を組むのが大変だといった県知事さんも何人もおられました。我が県は幸にしてまだそういう状況にありませんが、今後高齢化、または南海トラフへの地震対策、そして子どもたちが暑い夏でも冷房の効かない体育館やいろんな場所での運動を余儀なくされているものについて、県立高校では100%体育館の空調整備を指示してあとは完成を待つのみでございます。市町村においても小中学校の皆様方の安心安全を守るために小中学校の体育館の空調整備にもお金がかかる。また、市町村の老朽化した施設の更新や改修。我が県においてもそうでございます。多くの道路含め、また農林水産業の振興や支援。財政需要を言い出したらキリがありませんので、私が知事になって以前の案からダウンサイジングさせていただいたということは正しかったと改めて認識をしています。前の案であれば400億円近いお金、これは物価スライド条項も入っておりましたからこういうことになっていたのではないのかなと。100億以上のお金は今後の我々徳島県にとって、住民サービス、危機管理、医療福祉においての大変貴重な財源でありますので、ダウンサイジングというのは不可避であったと思います。改めて、その規模でやっていくということは正しかったと思っております。ただ、現実として入札不調という全国的な傾向であって驚きはしませんが、今後はあらゆる可能性や発注も含めた考え方に基づいて早急に対応していきたいと思っております。皆さんもおわかりのとおり、入札不調のところはさまざまな発注の方法を変えたりされているということでございますので、その内容については今は申し上げませんが、担当部局には新次元の発注の仕方を含めて早急に新ホールが建つべく頑張って欲しいという話をさせていただいているところでございます。やはり公共事業というのは、透明性、公平性、説明責任という民主主義のコストはかかる。しかし説明をしっかりしてくれということと、一方で早く作ってくれという、この二律背反することに対して私どもは結果を出していかないといけないという責任がございます。加えて、財政というものも同時に考えていかないといけない。新ホールのみならず、先ほど申し上げているように医療、介護、福祉、子どもたちの教育現場の環境、そして南海トラフへの対策、多くの財政需要がある。この3つのトライアングルを、いかにして最善の結果を出すかということに引き続き傾注して参りたいと思います。私の感覚で言えば、いろんな方々から温かいお言葉をいただいております。大幅な遅れはないと認識しておりますので、引き続き現場の皆様方を信じ、私も含めて新次元で対策を講じてきたいと思っております。以上です。

質疑

(幹事社・読売新聞社)
 ありがとうございます。そうしましたら、幹事社の方からご質問させていただきます。ホールの関係ですけれども、工事の関係事業者や建設の事業者さんにお聞きすると、コスト的に利益が出にくいというようなご指摘もあったりするんですが、その辺りはどのように捉えてらっしゃいますか。

(知事)
 公共事業は皆さんご承知のとおり、重ねて申し上げますが、公平性・透明性・公正性。最初に業者の人とお話すると大変なことになりますよね。これは、現場は非常に真面目に頑なにしっかり仕事してくれたと思っています。ただ、こういう結果になった限りはどうしてそうなったのか。どういう価格であればどういうものができるのか。こういうことは真摯に、事業者の方々とも公平性・透明性を失わない範囲で意見を聞いていきたいと思っております。

(幹事社・読売新聞社)
 ありがとうございます。工期の関係ですけれども、大幅な遅れはないと今おっしゃっていただきました。その辺りの雰囲気というか、基本的には遅れはほぼないというような理解になるんでしょうか。

(知事)
 今のところ、私どもが議論してる中で今おっしゃったような価格の話とか工法の話とか、臨機応変に対応していけば大幅とかいう言葉はないと思いますし、ないようにしたいと思います。

(幹事社・読売新聞社)
 そうしますと、価格の面においても柔軟な対応というか、今後考えうる点があるということでしょうか。

(知事)
 それを含めて予断を持ってお答えはできませんが、今回の入札不調の原因については事業者の方々ともしっかり情報交換をしていきたいと思っています。本来は事前にそんなことしちゃいけないわけですからね。だからそこは担当部局はしっかりと公平性・透明性をもって頑張ってやってくれたと思っています。こうなった限りはどこの行政機関もそうなんですよね。その後さまざまな新しい発注のやり方、価格の変更も含めていろいろ協議をして決めていくということでございますので、私どももこれは1つの民主主義のコストと申し上げましたが、やはり透明性・公平性、そして説明責任。ずっと議会でも説明責任を果たせと、メディアの皆様にも説明が足りないと言われてきました。これも1つのコストだと思っていただければと思います。

(幹事社・読売新聞社)
 ありがとうございます。冒頭でおっしゃっていただきました徳島自動車道での事故の関係で、早急に実験、実践をしたいというか、研究したいというようなお話もいただきました。この中で、どういったスキームでお考えがあるとか、その辺りをお聞かせ願えますでしょうか。

(知事)
 先日、NEXCO西日本の社長も事故の翌日にお見えになってお話させていただきました。10数年来、研究も続いております。いわゆる橋梁部においては、ワイヤーロープを敷設することは構造上非常に難しいという中で、10年以上前から、それ以外の代替の策といったものの研究がずっと進められておりますので、それにつきましてさらにギアを上げて、その設置も含めて、テスト・検証も含めてご協力したいという話をさせていただいております。

(幹事社・読売新聞社)
 今、国の有識者の方で進められている実験について、さらに県としてもタッチしていくというか、そのような趣旨をおっしゃっているということですか。

(知事)
 はい。

(幹事社・読売新聞社)
 承知しました。

(幹事社・徳島新聞社)
 幹事社の徳島新聞から一点。冒頭でおっしゃった参議院選挙の結果についてです。徳島県内の投票率は50%を超えて前回よりも上がっていて、合区で徳島を地盤とする候補者がいない中で低くなるということが当初言われていた中で上がったものの、全国では一番低いという結果だったんですが、こういった投票率含めた選挙の結果についての知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 前回の補欠選挙でも20%台ということですが、今回は正式な参議院選挙で比例も含めて多くの候補者、多くの政党が出られたということもあって50%を超える投票率になりましたが、おっしゃったように全国で最下位となった原因は、やはり地元に候補者がいないということが一番大きいんではなかろうかと思っております。憲法第14条には「法の下の平等」というものが書かれておりまして、いわゆる1票の格差につきましても憲法第14条をベースに語られるわけであります。ただやはり各県で国権の最高機関の参議院に人を出すこと、また出せないことに対しても私は平等原則に反すると考えておりますが、やはりこれを決めるのは国でございますので、引き続き合区の解消。そういう中でも1票の格差を言い出したら人口が多いところに議員が増えてしまって、意思決定プロセスも都会中心。今回の知事会議でも、いつもやる議論ですが東京1極集中、財源の偏在、これについて東京都と地方の知事が議論するってことですが、いつもパラレルですよね。それは仕方ないと思います。東京は都民を背中に仕事をする。我々地方もそうであります。ですので、やはり立法政策、国の法律というものを、憲法改正までいくと大変でありますが、やはり解釈の問題だと思うんですよね。法の下の平等という中で各県に1人を最低出すというのは平等原則に合致すると思います。そういった解釈のもとで選挙制度を改革するというのは、私は一番早いのかなと考えておりますので、引き続きそういった主張をしていきたい。今のところ島根と鳥取の合区、徳島と高知の合区ですけど、これを国会が放置していくと、ほかの県にどんどん広がっていくんですよね。ですから早急に解決していただきたいと思っています。

(幹事社・徳島新聞社)
 もう1点、投票率に関して、低かったのですけれども、全国的な傾向として上がった要因はどういうところですか。

(知事)
 そこはさっき言ったように新しい政党の躍進。そして、やはり情報化社会というのはSNSを通じて。40代以下の人達というのは、ここで申し上げるのは申し訳ないんですけど、あまり紙媒体は見ない。やはりSNSやYouTube。テレビも見なくなっている傾向がございますので、そこでの発信に火がつけば、瞬く間にそれが伝播するというのは世界の潮流になっているんではなかろうかと思います。そういった点において投票が増えたということです。昔は既存政党に対して飽きが来て投票率が下がるという傾向にあったんですけれども、その受け皿ができたということと、その受け皿が発信するツールを持ったことが大きいんじゃないかな。そして「伝える」んじゃなくて「伝わる」ことに長けた政党が多くの有権者を投票所に向かわせたんではなかろうかと思います。政策とは別にね。

(NHK)
 NHKです。県立ホールのことについてなんですけど、さっき知事のお話の中で、今回募集に応じる業者がいなかったということについて、労働力不足とかIRの大型事業の影響というのをお話されていましたけど。

(知事)
 先の話ですけどね、IRは。

(NHK)
 そうです。IRがあることで、なぜ今回応じる業者がいなかったのかということの関係性を改めてもう一度お話していただければ。

(知事)
 先ほど申し上げたように、被災地の能登半島ですら入札不調が続いているのが現状ですよね。時間的な話でいくと、それは万博も含めて、その時によって差が出てくると思います。私が先ほど申し上げたとおり、私も大阪の吉村知事と雑談もしながら2030年には作るんだという強い決意を感じ取る中で、そうなると、これはまた大変なことになるなと。近畿圏の知事さんも同じ認識でございます。全国にも波及する恐れがある。例えば昔、熊本の蒲島前知事と話した時に、熊本にTSMCという半導体の工場ができましたね。これも10年ぐらいかかるって言われたのが、2~3年でできちゃったんですよね。これはやはり単価が跳ね上がって全国中の、我が県からも行っていますよ、住み込みで。ですからそういう現状を、しっかり我々は今までの前例踏襲の考えではなくて、これだけ環境の変化が起きているということをしっかり認識した上で事前に、かつ発注方法も前例踏襲じゃなくて新次元にやっていかなければいけないということを改めて感じておりますし、その策はいろいろあると思っています。

(NHK)
 今お話になった発注方法ですけど、まだ具体的なことが決まっていないとおっしゃっていましたけど、今回やったのは公募型プロポーザル方式で、これと違った、プロポーザルかもしれないし、違った入札の方法も考えていかなきゃいけないという認識ですか。

(知事)
 プロポーザルでもいろいろあるんですよね。プロポーザルの中でもいろんな段階があったり、いろんな方法があったりするものですから、やはり目的は何かといえば早く作るということが目的なので早く作る。そして先ほど申し上げたように、より安く、より早くということですね。こういったことを実現させるべく早急にいろいろな策を講じていきたいと思いますし、その知見は先ほど来申し上げているように全国で入札不調が起きている中、その後入札ができて事業が進んでいる事例も多々ございますので、そういった点も参考にしながらやっていきたいと思っております。

(時事通信社)
 時事通信です。今回の参議院選挙に関してですけれども、今回の参院選を巡っては、外国勢力による介入や工作も指摘されていたと思うんですけれども、こういった偽情報への対策として必要なこととか、また国に対して求めていくことというのは、知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 おっしゃったとおり、ファクトチェックというのは民主主義の基本だと思うんですよね。先ほど来投票率の話も出ていますが、民主主義というのは代表なくして課税なしで、やはり代表を選ぶという、我が国においては議会制民主主義というのがあるわけです。選ぶ時の情報というのは極めて大事になってくる。投票率が上がったこともSNSをはじめとした新たな情報ツールが増えたことだと思いますが、その反動として偽情報も流されやすくなったということだと思うんですよね。だから、どうファクトチェックしていくかということが、国も含めて、我々地方も含めて、そしてまた皆様マスコミも含めて大事になってくるんじゃないかなと思います。投票率が上がるということは非常にいいことだと思いますよ。ただ、おかしな情報で物事が決まったり流されたりするというのは非常に危険だと思います。ヨーロッパを見ても、今おっしゃったようなナショナリズムをあおる政党が勃興していますね。そして、単独過半数が取れない。多党化政治というのが当たり前になっているということで、私は想定内ではありましたけれども、世界の潮流に日本がやっと追いついたのかなと。ただ、EUのSNSを含めた情報に対する規制も国もしっかり学んでいただきたいし、私どももそういった健全な民主主義、選挙というものを担保するといったいい意味での規律というのは大事だということです。

(幹事社・徳島新聞社)
 徳島新聞です。ホール関係でお伺いしたいんですけど、知事の話を踏まえると、今回参加表明がなかった主な要因というのは、建設業界の労働力不足と認識されているということですか。

(知事)
 労働力というのは、広く設計とか施工監理者とか、いわゆる大きな事業をやる時は、やはり限られたゼネコンさんや技術力のある会社になってしまうんですね。そういったところの人手が足りないという声も聞いております。また先ほどもお話があったとおり、事業費がどうなんだといったことにつきましてもお話を伺っているわけでありますので、そういったことも含めて今回はその公平性・透明性・公正性を含めて公募させていただきましたが、この結果を受けてさらにどういった形にしていけば新ホールが早く建つのかということを早急に研究したいと思います。また、先ほども何度も申し上げましたが、全国的な入札不調というのは潮流になってきていますので、他県のいろんな事例を含めて速やかに対応したいと思っています。

(幹事社・徳島新聞社)
 スケジュール感についてなんですけども、大幅に遅れということはないという話で、今回中止になったプロポーザルは優先交渉権者の決定が9月の予定だったかと思うんですけども、ここから事業所にヒアリングをして再度発注・公募となると、常識的に考えて9月で同じようにというのは難しいのかなと思うんですが、大幅な遅れはないという、もうちょっと具体的に、例えば年内だったり年度内だったり、そういう見通しがあれば教えていただきたい。

(知事)
 大幅の定義というのはだいたい1年ぐらい遅れるとかそういう話になるんだと思います。皆様方の報道はどういうおつもりで書かれたかわかりませんが、一般論としてはそうだと思いますが、そういったことにはならないと思いますし、ならないように努力したいと思います。今までのやり方できちっとやっていくと、やはり県の皆さん、公務員の皆さんは真面目ですから、ちゃんとしっかり透明性を持ってきちんと仕事してくれます。それは素晴らしいことだと思います。先ほどから何度も申し上げてるように、こういう形で入札不調が続くと、その後の展開としてはやはり思い切った形で、具体的にはまだ申し上げられませんが、各県の入札不調後の対応というのは普通に調べれば情報入ると思います。そういったさまざまな可能性を早急にやっていきたいと思います。

(幹事社・徳島新聞社)
 だいたい向こう1年以内ぐらいにはということですか。

(知事)
 先ほど申し上げたように1年以上延びるってことはないということです。

(幹事社・徳島新聞社)
 もう一点すみません。ダウンサイジングした方が正しかったというふうな話の中で、前の案では400億近いお金になっていたのではなかろうかという話が。

(知事)
 当時は200億って話になっていましたよね。今は建設資材も含めて倍の値段がかかると。これが一般的な話ですよね。事業費が倍になっているという意味で、それぐらいの規模になっていた危険性はあるんじゃないかという話です。

(幹事社・徳島新聞社)
 そういう試算があったんですか。

(知事)
 これは一般論として申し上げています。しかもスライド方式という物価上昇分も見ますよと。県民の皆さんが家を建てる時に3,000万ですよって言われて、物価スライドも見てください、物価が上がって資材が高騰したから4,000万になりますって、なかなか受け入れられませんよね。皆さんが家建てる時にね。だけど、公共事業というのは一般的に物価スライドも見ますという条件を入れたりするわけですよ。そのまま前の案も物価スライドを見るということになっていますよね。そうすると、とてつもない金額になっていたということは間違いないと思います。

(幹事社・徳島新聞社)
 重ねてすみません。資材高騰とか踏まえると一般論として倍の値段になるというのは、現計画でも藍場浜の計画でも現時点の工事費だけで162億ですよね。これが一般論として倍ぐらいになる可能性があるということですか。

(知事)
 そのために我々は計画を変更したわけです。1500+αというホールにダウンサイジングした。それでもその値段になっているということですから、それがあって今の話。そこがスタートじゃないんですよ。計画を変更して、なおかつ物価高騰も見た上での金額になっていますからね。でも今回の入札不調という現状を考えた時に、今後は事業費も含めて考えなきゃいけないのかなと思っております。これはどうすることもできないことですから、これは経済原則というか、需要と供給、こういったものにはなかなか抗えません。こういった対応は我々もしっかり研究をして早急に対策をしたいし、また議会の皆様とも協議していきたいと思います。

(幹事社・徳島新聞社)
 文化センターの前計画の金額を上回るということはまずありえないという。

(知事)
 考え方としては、さっき言ったように1,800人のホールと400人の小ホールを作るのと、1,500人のホールを作る。そこでダウンサイジングして、上回らないのはわかりますよね。1,800と400を作るのと1,500を1個作るのは、こっちの方が安いのは当然ですよね。

(NHK)
 今の県立ホールの質問に重ねて確認ですけど、先ほど1年以上の大幅な遅れはないという話があったんですけど、これはいろいろ見積もり合わせとか、計画を見ると今のところのスケジュールがあると思うんですけど、要はこの計画だと令和12年2月までに引き渡し期限になっていて、そこから1年以上大幅な遅れがないということなのか、そもそものスケジュールの見積もり合わせとか設計の中での。

(知事)
 完成でいいと思いますよ。結果ですから。

(幹事社・読売新聞社)
 関連して申し訳ないです。完成のところですけど、1年以上の遅れはないというところで、逆に1年以内で一定の影響というのは出る可能性があるかもしれないと。

(知事)
 我々はそれが出ないようにいかに策を講じるか。これは新次元でやらせていただくということであります。透明性・公平性・公正性という原則はもちろん守りながらですが、さまざま全国で入札不調が多発している中で、その後どうやって建設まで持っていったかというのはいろんな事例がございますよね。こういったいろんな武器は持っていますので、それを早急にやっていくということです。

(朝日新聞社)
 朝日新聞です。県立ホールの関連で、公共事業の入札不調が全国で続いているということでしたけれども、そういった状況を考えて県立ホールが多少後ろの方にずれるとなった場合に、県立アリーナの計画、こちらの方のスケジュールを見直したりされるような、そんな考えはおありですか。

(知事)
 我々の思いと現場の建設する力、キャパシティというのは、我々の都合で決まるものではございません。これは市場原理で決まっていくわけでありますから。いずれも早く作りたいということはもちろんでございます。いつも皆さんにも県民の皆様に申し上げていますが、3割の人口は減るんですよね、これから。全国知事会でも申し上げましたけれども、うちの土木職員さんにしてもなかなか、土木だけじゃなくて県庁だって、全国の知事さんもそういった点について非常に困っていますね。一方で違う話としても、各都道府県と連携して1つ、そういった設計施工とか、管理者、設計する人達を作ってもいいんじゃないかと思っています。ただ、その高度な設計、そして施工管理のもと現場で働く人たち、汗を流して働く人たち、そして今の猛暑、こういった夏というのはやはり労働安全を最優先しなきゃいけないわけですから、日本国内の現場というのはどんどん過酷な状況になっているということも否めませんよね。ですから、大きな意味で1つ重要なテーマとして国ともそういった相談をしていきたいなと思っています。

(幹事社・読売新聞社)
 いかがでしょうか。よろしいですか。

(知事)
 ありがとうございました。

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