〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
- 電話番号:
- 088-621-2500(代表)
- 法人番号:
- 4000020360007
(知事)
それでは、通常の定例記者会見に先立ちまして、次の議会で議論される令和7年度6月予算案の編成方針についてご説明いたします。お示しさせていただいているように、今回の補正予算編成に当たりましては、我々のビジョンであります「未来に引き継げる徳島の実現」に向けまして、改めて「防災・減災対策の推進」、そして「国際的・魅力的な地域づくり」を喫緊の課題として迅速に対応するために、積極的な獲得・配分要望に努めた結果、県の当初予算計上額を上回る国庫内示が得られた公共事業、県の当初予算編成後、詳細な内容が判明した国庫補助事業や社会情勢等の変化により生じた新たな課題に対応する事業を計上いたしまして、補正予算額は「66億円」としたところでございます。そもそも補正という考え方は、私も国会議員時代に当初予算作ったのに何でだろうなっていつも疑問に思っていたのだけれども、今申し上げたように、編成後に判明した国庫補助事業とか、今年度始まってまだ2ヶ月ちょっとですけれども、新たに生じた課題といったものに対応するためにこういう額になっているということは、皆さんともぜひ共有したいと思っております。特に、公共事業予算でございますが、本年3月末に被害想定が見直されました南海トラフ巨大地震をはじめとする災害リスクの高まり、1月に埼玉県で発生いたしました道路陥没事故など、緊急性を増す老朽化したインフラ等に対応すべく、これまでの9月補正予算から前倒しして計上する、前例にとらわれない予算編成を行ったところであります。河川・港湾施設の地震津波対策、災害に強い道路ネットワークの構築、そして、予防保全型の計画的な老朽化対策などを柱に、しっかり進めて参りたいと思っております。公共事業について1つコメントをすると、2030年の大阪万博後のIRの事業が進むと、やはり全国的に公共事業と民間も含めた社会資本整備で大変な人手不足も懸念されるということも想定しながら、担当部局には、できる限り前倒ししていかなければ、我々が作りたいものも作れないということも想定しているということでございます。主な事業の概要につきまして説明を申しあげます。まず「安心度UP」でございます。「54億円」となっておりますが、上下水道施設の事前防災対策をさせていただきます。先ほど申し上げたとおり、南海トラフ巨大地震の被害想定では、県内避難者数も大幅に増加すると見込まれております。県民の生命と財産、健康を守るという最重要ミッションから、まずは応急給水活動の給水拠点としまして重要な役割を担っております配水池の耐震化、もう1つは、災害発生時の汚水処理体制構築に資する下水道への接続及び合併処理浄化槽への転換に取り組む市町村を支援して参りたいと思います。被害直後からの水の確保、さらには、公衆衛生悪化の事前防止を促進して参りたいと思っております。続きまして、グローカル人財の育成強化であります。高校生が海外と直接繋がって、地域課題を探求する機会を提供して参りたいと思います。これは、民間企業等のご協力もいただいて、留学者支援の仕組みの構築をさせていただきたいと思います。国際的な視野を持って地域課題を解決できる人財を育てていければありがたいと思っております。次に、「魅力度UP」でございます。これも当初にも含まれておりますが、観光客の受入環境の整備といたしまして、大阪・関西万博によるインバウンドの増加を見据えるとともに、旅行者ニーズや観光施設からの声を踏まえて、県内観光関連事業者の多言語対応、さらには免税店登録・導入等を支援させていただいて、徳島県内の受入環境の充実・強化を図って参りたいと思っております。次に、魅力ある職場づくりの支援でございます。県内中小企業者の労働者の多様なニーズを踏まえた魅力ある職場づくりを促進したいと思います。1つには、若者や女性に選ばれる職場環境づくり。さらには、柔軟な働き方や健康経営というものを推進して参りたいと思います。労働関係法令の基準を上回る制度を導入する企業の取組を積極的に支援して参りたいと思っております。結果として、人材確保・定着に繋げていけるようにしたいと思います。続きまして、がん検診の受診率向上に向けて野心的な対応をしていきたいと思います。今やがんは2人に1人が罹患する疾患でございます。がん検診の受診による早期発見・早期治療が重要であると考えております。現在の日本の受診率は、例えば隣国の韓国と比べますと、韓国は7割を超えている。しかし我が国は40%台である。また、我が県においてもその中でも低い位置にいると考えた時に、改めて事業者の皆様方でがん検診を積極的に受診していただくように促し、そしてまた、特別休暇創設などに取り組む事業者へも支援をして参りたいと思っております。また、健康経営をはじめとして、連携協定を締結した企業の皆様方とともに啓発活動も行って参りたいと思っておりまして、特に本来的には保険者さんの仕事であろうかと思っております。県も率先してがんの征圧に向けて、これから具体的に政策を実行していきたいと思っております。結果的に企業の皆様方も健康経営を推進することによって選ばれる企業になり、そして生産性が上がっていくとこういうことで、Win-Winの政策ではなかろうかと思っております。最後に、米国の関税政策への対応でございます。これは4月以降に、特別相談窓口やアンケート等で寄せられました現場の意見を踏まえまして、県内事業者の経営の安定と事業継続を図るために、本日、県の中小企業向け融資制度の中に新たな融資枠として「米国追加関税等緊急対策枠」を創設させていただきます。事業者への速やかで円滑な資金調達を支援して参りたいと思っておりまして、この点についても伝えるだけじゃなくて伝わる、多くの方にこの制度の周知徹底を図って参りたいと思っております。その他、各事業の詳細につきまして、事前に財政課から皆様方に説明させていただいているところであると承知しております。この後、ご質問等ありましたら担当課から回答させていただきたいと思います。この6月補正予算案による成果を、今後の補正予算や来年度の予算編成に繋げて参りたい。そして、当初予算を補完する、補強する成果を出していければと思っております。まず、補正予算は以上です。
(幹事社・読売新聞社)
ありがとうございます。そうしましたら、幹事社の方から質問させていただきます。今回、公共事業が非常にウエイトを大きく占めている形で、今知事にもおっしゃっていただきました防災関連に非常に注力されている。改めて、南海トラフや先ほどの陥没の事案も踏まえて、危機感をもう少し教えていただけますでしょうか。
(知事)
特に南海トラフ対策といいますか、防災減災の予算、これはかねてから申し上げているように被害想定が1段上がった。こういう中では、規律というのはもちろん大事でありますけれども、不作為ということは許されないということで、積極的にハード並びにソフトの事業は徹底して参りたいと思っております。昔、石原信雄さんという官房副長官した方が、危機管理というのは現場主義であると、地方主権であると、こうおっしゃっていただいたとおり、先般も石川県の能登半島地震で、まだ復旧・復興の途中ではありますが、連携協定を結ばせていただく中で、またうちの県庁職員の方も、今なお県庁並びに輪島市に派遣で頑張ってくれております。そういったさまざまな現場の声、また実際に被災した皆様方のお声を聞けば聞くほど、やはりやるべきことをしっかりやらなければいけない。日本の場合は、災害が起きた時、予算は青天井に付くんですよね。しかし事前防災や減災を事前にやることによって、被害はもちろん最小化できる。また財政も最小コストで最大。ただ、人命や財産を守るという意味においては、財政規律を超えた考え方も大変重要だと思っております。また先般、いろんな担当の方も人事異動で替わられまして、国と県、そしていわゆる民間のライフラインを担当する企業の皆様方と今年度第1回目の危機管理総合調整会議を開催させていただきました。その際にも、南海トラフの被害想定見直しの中心的な学者さんであられる福和先生にご講演をしていただきました。これも後ほどご説明したいと思っておりますけれども、いわゆる南海トラフ巨大地震が発生すると死者数は最大30万人、また全壊・焼失の総数は約235万棟と予想されています。そして資産等の経済的損失で言えば約225兆円ということであります。こういった数字は非常に天文学的な数字にも見えますが、やはりこういった数字は最悪のケースを想定して、国もやはり補正予算で防災・減災に対しての予算を計上しているということでございますので、我々も国の補正予算に合わせてやるのみならず、県単独も含めて。また、緊急防災・減災事業債も、今まで四国4県の中で徳島だけがなかなか活用しきれていなかった。例えば、令和3年度の緊防債の活用は、高知県さんが100億を超えているけれども徳島県は9億円台だったということにも私は着目いたしまして、市町村長さんにも早急な緊防債の活用を促させていただいた結果、私が就任して以来の令和5年、6年はそれぞれ50億円を超え、そして伸び率で言えば全国1位の伸び率になっているという状況でございます。やればやるだけ、やれてないところがまたどんどん見えてきますので、どこまでやれば完璧ということではございませんが、できることはしっかりやって参りたいと思っております。
(NHK)
NHKです。米国の追加関税の影響を受けた中小企業さんへの新たな融資枠の件なんですけど、今日から設けるということで、今日から申し込みを開始するという認識でよろしいですか。
(県担当者)
今日から民間の金融機関の方で受付を開始します。
(朝日新聞社)
朝日新聞です。公共事業の投資ですけれども、先ほど南海トラフの被害想定の見直しのことに触れられていましたが、その新しい被害想定というのは、今回の国庫内示が県の想定を上回る規模で内示があったというようなところと関係というか、影響してるんでしょうか。
(知事)
想像で物を言うのはあれですけれども、その考え方はあろうかと思います。ご承知のとおり、国土強靭化の事業規模も今まで以上の20兆円強といった数字になり、そしてまた昨日ですかね、今日かな、今後の国土強靱化の計画が閣議決定されるということでございますので、国もその点については非常に真剣であるということだと思います。今日の閣議決定の話、誰が詳しく説明できる人いますか。
(県担当者)
今日の閣議で国土強靭化実施中期計画ということで、次の5か年の計画ということになっています。そういったところで、国土強靱化の取組をしっかりやっていけたらと思います。
(知事)
皆さんもご承知のとおり、僕らも一昨年から私ども県庁、そして県議会の皆様、また民間の皆様で、国土交通省と財務省には頻繁に要望して参りました。いわゆる中期計画をしっかり法制化した中で決めていく、そして、その裏付けである財源を確保して欲しいといったことは、今までずっと要請をして参りましたので、それに答えていただいた結果であろうかと思っております。
(幹事社・読売新聞社)
ほか、よろしいでしょうか。予算関係はこれで終了させていただきます。