〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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(知事)
ただいまから記者会見を始めさせていただきたいと思います。まずは、令和7年度の当初予算につきまして、私から発表させていただきたいと思います。詳細につきましては、既に担当課から皆様方に細部にわたってご報告させていただいているとは思いますが、県民の皆様や報道の皆様には、私からも予算案の中に込める思いも含めてお伝えしたいと思います。まず総額は、「5,160億円」、令和6年度当初予算比「プラス3.2%」、「159億円」の増ということになっています。私自身、一言で言えば「新次元の未来投資予算」というふうに名付けてもいいんではないかなと思っております。中身につきまして、おわかりのとおり、新規案件がたくさんあると思います。県庁全体、さらには財政当局にいつも申し上げている重要な視点は、いわゆる歳出というのはコストじゃない、投資だと。得てして私も国にいたので財務省含め財政健全化とか、方法論の話についついなってしまいがちなんですけれども、そうじゃなくて目的論だと思っています。いわゆる目的が何かということで改めて振り返っていただくと、「未来に引き継げる徳島」ということであり、県民の皆様、もしくは日本の皆様、世界の方が「ずっと居りたい徳島県、いつも帰りたい徳島県、みんな行きたい徳島県」と常々申し上げております。そのためのミッションとしては、「魅力度を上げること」、「安心度を上げること」、さらには「透明度を上げること」、これは一貫して申し上げておりますビジョンとミッションであります。そういう意味で、方法論ではなくて今申し上げました目的に向けて、この度は「未来投資型」と呼んでもいいと思っております。今申し上げました「魅力度アップ」、「安心度アップ」、そして「透明度アップ」につきまして、「魅力度アップ」は「1,050億円」、「安心度アップ」については「1,533億円」、「透明度アップ」については「17億円」ということでございまして、概算で言えば、当初予算の半分がまさに未来に引き継げる徳島の実現に向けた重点施策ということになります。残りの半分はいわゆる固定費と言いますか、人件費含めた予算になっているということでございます。さらに、11月補正予算追加分に引き続き、2月補正予算も計上するんですね、今度の議会で。これはもうご承知のとおりなんで、詳細省きます。今申し上げた中で、当初予算の特色でございます。これにつきまして、8頁目以降の資料。それぞれ主な事業については、「徳島・国際化元年」関連予算ということでございます。国際化元年関連予算ということで言えば、当初予算としましては、令和6年度当初予算比で約倍増の「111億円」を確保させていただいているところでございます。通年の国際定期便の就航の環境を活かした新たな人流の創出や国際交流・関係人口の拡大を図るとともに、地域商社「徳島県産業国際化支援機構」と連携した海外プロモーションを展開して参ります。また、今年は「大阪・関西万博」、さらには「食育推進全国大会」、「国際消費者シンポジウム」、また「ISTS徳島大会」など、さまざまな大規模のイベントの開催を予定しておりまして、全国、さらには世界に徳島の魅力を強力に発信するとともに、イベントを契機とした観光振興やまちづくりを展開していくということでございます。もう一つ私から申し上げたいのは、国際化というのはこどもたちの国際化。こういったことも大きな柱にしております。実は来年度の修学旅行先というのはもう決まっちゃってるんですよ。教育委員会さんに聞いたら、だいたい4月ぐらいに次の次の年の修学旅行先を決めるらしくて、既に今年の修学旅行先は決まってるらしいです。私は言うんです、例えば北海道に決まってるというとこもあるんだけど、わざわざ東京まで行って北海道行って、ワントランジットで行くんだったら、せっかく韓国、香港直行便ができたのになんで行かないんですかと聞いたら、もう決めてしまったんですというわけですね。これは県民の皆さん注目してくださいね、教育委員会さんがどういう判断をされるのか。私はこどもたちに直行便が始まったことの意味や、こどもたちの国際感覚、そしていろんな国に行っていろんな新しいことを知るというのは最高の教育ですよね。ですのでこの4月、教育委員会の皆様方が再来年度どうするんだという話になってくると思うんだけれども、これは予算とは関係ありませんが、教育委員会さんには関心を持っていただきたいなと改めてこの場を借りて申し上げたいと思います。また、県民の皆さん、こどもたちも親御さんも教育委員会の判断に注目していただきたいと思います。教育委員会が国際化に挑戦するのか、こどもたちを国際人材に育てようという意思があるのか、皆さん注目していただきたいと思います。次に人材確保でございます。これも大変重要な政策でございまして、これから四半世紀後には日本全体の人口が3割減る。さらに徳島で言えば、労働人口も3割減ります。そうなると胃袋も3割減りますね。市場も3割減りますね。そういう中で、先ほど申し上げた国際化というのは世界に市場を求めていくということであります。しかし人がいなければ経営も成り立ちません。産業も成り立ちません。日本の未来、徳島の未来は成り立ちません。したがって、どこよりも積極的な新次元の人材確保対策をやるんだということで人材確保戦略本部を立ち上げ、昨日も各部長と、今一度このテーマにつきましては財政当局にもしっかり自覚していただいて、しっかりと予算をつけて人材を確保する、そして訓練、育成していく、こういう話をさせていただいたところでございます。これにつきましても前年度比で言えば「プラス30%」、総額「61億円」を確保させていただきました。基本方針に位置づけました県内就職の支援、企業等での定着支援、潜在的な労働力の活用、外国人材の受入れなど、部局横断で安定的な人材確保・定着に向けて取り組んで参りたいと思っております。次に、こども・子育て関連予算であります。前年度比「43.3%増」の「245億円」を確保させていただきました。おかげさまで、こども政策につきましては、こども食堂の伸び率も日本一番ということになりました。さらには、先般「こども計画」、「こどもまんなか大作戦」ということで、初めて3,000人を超えるこどもたちの意見を聞きながら、まさに政治参画をしていただいた中で大きな柱、大きな政策を達成させていただきましたが、それを実行する上での実行予算ということになっております。さまざまなライフステージがございます。産前・産後、また保育、そして小学生の低学年、学童に通う人たちもいるでしょう。仮に保育制度が充実していても、小学校低学年になったらそれが断絶してしまうということがよくあります。これにつきましても、切れ目のない子育て支援をやっていく。もちろんこれは市町村が現場においてやっているわけでございますが、私ども県といたしましても、応援をしっかりさせていただきたいということでございます。さらにいじめ、ヤングケアラー、こどもたちが相談できない環境から、我々大人たちが、社会が、行政がこどもたちに直接語りかける環境を作っていくということでございます。保育は今入ってましたか。
(県担当者)
保育はまた別の資料に載せております。
(知事)
この関連予算に入らないんですか。入ってますよね。県民の皆様も大きな関心があろうかと思いますが、今申し上げた切れ目のないこども・子育て支援ということで一番大きな額で言えば、0~2歳の保育料の無償化というところが4億5,500万円ということでございます。これにつきましては市町村の協力がなければできません。県民の皆様におかれましては、市町村の動向を注視していただきたいと思います。既に0~2歳の保育料の無償化をやられている市町村もございます。しかし、市町村によって差が出るということは、あまりよろしくないと考えました。その中で県も支援するので県全体で環境を整えていきませんかと。こういう子育て政策をさらに進める呼び水になっていただければありがたいなと思っております。新規で言うとそういうことですね。続きまして、公共事業関係でございます。これは安心度アップになります。これにつきましては、前年度比「プラス2.9%」、総額「711億円」ということになっております。その特徴と趣旨につきましては、レジリエンスを高める緊急輸送道路の整備、地域との協働によるハード・ソフト一体となった流域地水など、高まる災害リスクに備える防災・減災対策や、地域産業の成長に活かす道路、港湾、農業基盤などのインフラ整備、観光・にぎわい創出に使えるオロナミンC球場・内野スタンド、またウォーカブルな空間づくりに資するインフラ整備などを推進していく予算となっております。また、2月補正予算につきましては、道路の維持補修を集中的に行う道路3か年・リフレッシュ対策に加えまして、緊急輸送道路等の脆弱部を補強し、安全性を高めることができる路肩緊急対策を新たに計上いたしまして、「5億円」増の総額「21億円」を確保しております。次に、魅力度アップの「1,050億円」になっております。一つには、先ほど申し上げましたが、人材確保策の強化ということでございます。これは生産性の向上をメインにしております。特に細かい中身につきましてでございますが、医療人材の確保。先ほど子育てやこどもまんなかということで、あそこでも保育人材とか、いろんな相談窓口とか、そういうことが書いておりますけれども、これは安心度アップにも関係するんですね。やはり医療と教育、保育がしっかりしていなければ安心して暮らせないということで、若干安心度アップと重複しておりますが。そういう人を助けるという仕事ですね、医療人材確保というのは。特に、修学資金の貸与枠の拡大ということで、看護師さんを目指す方々は実質負担ゼロで看護師さんになれるという枠を作らせていただいております。さらには「メディカル・ワーケーション」ということで、医療関係の方々がこちらに移住していただくとか、そういった支援について3億3,300万円の予算を計上させていただいているということでございます。これが大きな点でございます。大きな予算としてはそういうことでございます。あと生産性向上につきましてでございますが、昨年来最低賃金の引上げ額全国トップということでございますので、その賃上げムードと言いますか、そういったものを絶やさないようにしていくと。ただ、経営者側のご負担もあろうかと思いますので、賃上げ環境の整備促進事業として、一部は2月補正でございますが、経営相談、またそういったものをワンストップで支援体制を構築する予算を改めて新しく作らせていただいております。また同時に、農林水産業分野につきましても、後継者不足、担い手不足というのは、全国的な問題になっておりますが、そういう中でも農業をやろうという個人や法人、また特に移住者の方々も最近増えておりますが、そういった方々の農林水産に対する挑戦に対して支援していく予算ということで、4億4,400万円という額を計上させていただいております。また、さらに大きいところで言いますと、医療機関ですね。医療機関を中心とした生産性向上、職場環境の改善を図るためのさまざまな設備導入に対しての支援というものも6億9,600万円という形で大きく掲げております。ですので、人材確保と生産性向上は一体化してますし、それによる待遇改善や賃上げという最終的な目的につながっていくわけでございます。さらに大事なところは、教育であったり、医療であったり、こども政策であったり、やはり我々食べていかなければ生きていけません。食料安全保障の要である農林水産業であったり、そういう形でメリハリをつけさせていただいております。全国規模のイベント開催ということでございます。これも新規案件が6つございます。一番大きなのは、今年食育基本法制定20周年を節目に、私も国会議員時代に食育基本法を作った張本人として、議員立法だったわけでございます。衆議院・参議院答弁に立ったことを今でもよく覚えております。そういう中で、農林水産大臣と徳島県知事の共催という形になっておりまして、私どもは国際色を豊かに出していこう、そしてパティシェ、そしてシェフ、そういった方々による楽しいイベントなども計画させていただいております。特にイタリアのガストロノミー。また韓国や日本の発酵食、健康食にも注目した大会です。さらに、既に数十社以上集まっていただいていますが、フードテックですね。食料安全保障やいわゆる食の多様性ですね。アレルギー対策とか、ビーガンとか、グルテンとか、そういう多様性にどう対応していくか、こんなことも議論になっていけば新しい大会になるのではなかろうかなと思っております。国際消費者フォーラム、そしてISTS徳島大会、これは先ほどご説明したとおりでございます。次の項目として「スタートアップ支援とM&Aの促進」ということで、「11億円」を掲げております。これもそれぞれ新規でございます。具体的には、いろんな相談支援と言いますか、アドバイスという形になっておりますが、先ほど申し上げました賃上げ生産性向上にも極めて関係しております。スタートアップ支援というのは、若者から大人まで常に挑戦する人たちにハード・ソフトを含めて支援をしていくということですが、M&Aというのは事業承継の一つの手段であって、事業再編。徳島県においても、後継者のいない中小零細企業の割合が6割を超えるという状況でございます。そうなると廃業なり清算なりしてしまうと従業員が困ってしまいますね。そういう中でも、そういった方々を後継者のいる会社にしっかりバトンタッチしていく。そして、結果として労働者を守っていく。さらには、会社としても生産性が上がっていくという好循環を生み出す政策に対する予算でございます。次に「バッテリーバレイ構想の推進」ということでありますが、「13億円」でございます。令和8年からの債務負担行為が大きくございますが、その中の一部として13億円の立地補助金。全国や世界から我々のバッテリーバレイ構想に賛同される企業、いわゆる蓄電池のサプライチェーンの参加者、我が県内で工場の新設や設備投資をしてくださる方に雇用要件の緩和を行いながら支援させていただくという内容になっております。次、安心度アップで、こども施策については先ほど述べたとおりでございます。それは割愛します。「新未来創生に向けた教育再生」が「149億円」ということになっております。これは新規ではありませんが、皆さんご承知のとおり、お子さんを持つ親、お子様方、当事者、世の中の施設見てもそうですよね。老朽化が相当進んでいますよ。最近では三好市の庁舎建て替え、鳴門市の庁舎建て替えであるとおり、ただ大人が集まるところだけじゃなくて、こどもたちの学びの場もちゃんと新しくしなきゃいけませんね。そういう意味で、県立学校の施設機能の強化事業というもので引き続き予算を取らせていただいております。新規事業としては少額になりますが、「地域みらい留学事業」の参画費の一部支援や、学校の中での先生方の働き方改革も含めたDXの実証事業、こういったものもやらせていただくということです。あともう一つは、「ラーケーションの日」というものを4月から導入させていただきます。これは先にも発表させていただきましたが、土日にお仕事をされている親御さんたちからすれば、土日休みの方々に比べると、こどもたちと一緒にいろんな学びをすることができない。県外に行く、海外に行く、こういった学びをすることができない方々。仮に行ったとしても平日にしか行けない。平日になると、こどもが欠席扱いされてしまう。こういうことがバランスとしていかがなものかということで、年間3日間は週末のサービス業に従事する親御さんが平日にこどもを休ませていろんな探求活動等、お休みを取った場合にはこどもは欠席扱いにしないという制度でございます。県としては、県立の教育機関のみの権限しかございませんが、やはり小中学校、特に小学校低学年の方々が一番大事なんじゃないかなと私は思います。小中学校ということになれば、市町村でございます。市町村の皆様にはその導入をぜひお願いしたいし、導入促進の経費の一部を支援させていただきたいという予算になっております。次は安心度の中でも「強靭化・レジリエンスの確保」ということでございます。これにつきましても、新規案件6つ紹介させていただきます。これにつきましては、いわゆる防災対策の飛躍的な推進、ハード・ソフト両面ですね。基礎自治体、最前線で頑張っておられる市町村の皆様の強靭化・レジリエンス推進の支援をさせていただくということで2億8,200万円。さらに市町村の皆様が、耐震化に向けてのお話を現場の方々にしていただいていると思います。そういった点におきましても、現場での耐震改修を加速する施工者のスキルアップ講習、こういったことにつきまして、市町村と連携して支援していくという予算に3億9,400万円ということです。その他の防災・減災、いざ災害が起こった時の第一フェーズは命の72時間と言われておりますが、その間も含め避難場所においてはTKB、いわゆるトイレ、キッチン、ベッド。そして、災害が起こった時には通信遮断、停電、断水、この3つが大変なことになります。また、道路が塞がれてしまったら道路啓開、道路を綺麗にしていく、輸送手段を確保する、こういったさまざまなことが現場において必要でございますので、この点について市町村の皆様の支援、また協力していただける民間の方々への支援策もこの中に織り込んでいるところでございます。続きまして、物価高騰対策でございます。いまだ円安が続く中、そしてまた、世界的な政治の変化によるさまざまな関税引上げ等々いろいろあろうかと思います。そういう中、11月補正でその対策をやらせていただいておりますが、その積み残しとして、医療社会福祉施設等電気料金等高騰対策事業、また、児童等利用施設等電気料金等高騰対策事業、そして、ひとり親家庭生活支援給付金事業、こういったことを中心に、物価高対策の支援策で「25億円」計上させていただいているところでございます。続きまして、透明度アップでございます。「17億円」ということでございます。これにつきましては、民主主義の根幹である二元代表制に加えて、我々が県民の皆様に常に透明である、常に効率的・合理的な仕事をしているといったこともお示ししていかなければいけません。その中でもDXに対する官民協働プロジェクトというものに新しく1億8,400万円を計上させていただいております。昨日も上田部長をはじめ担当部長にも申し上げました。我々県庁内のDX効率化もまだ道半ばであります。また、例えば士業の方々、行政書士さん、社会保険労務士さんをはじめ土地家屋調査士さん、さまざまおられますが、やはり専門家の方に聞くと、行政というのは書類がまだ多い、これって意味あるんですかというようなこともたくさんあると聞いております。その場に市町村長もおられましたが、市町村長からも、県との行政文書等々はもうちょっと合理化できないかといった意見もございます。一方、我々県としても国に対するいろんな資料や書類もさまざまなものがあって、こういったものも地方分権行政改革要望を毎年出しているわけでございます。加えて、私ども行政と民間の皆様方からしても、事務書類や事務手続をもっと簡素化、効率化できないかという声がたくさん来ておりますので、上田部長、今はチーフ・デジタル・オフィサーという立場でございますが、改めて徹底した現場の声の収集と、その対策を速やかに実施していただきたいところ。これは財政や予算にも関係してきますので、諮問機関のようなものを早急に作らせたいと思っております。そこで多くの士業の代表の人や民間の方々、そして市町村の方々に来ていただいて、どこが問題なのかをちゃんと明確にして、今年中に対策を講じるという指示を先般させていただいたところでございます。加えて新しい案件で言えば、今申し上げたとおり、それを実行するためにはデジタル人材の確保というものがなければいけません。私も含めて大人たちはなかなかDXについての日進月歩する知識にはついていけていません。会社もそうでしょう。我々行政組織も年功序列のようなところがありますが、やはりDX、IT、AIは別だと思いますよ。それを年功序列でやってたら世の中に遅れを取ることは間違いないので、特にここは人事や財政含めて、上田部長のところになりますが、我々自身が専門家であるのか。専門家である必要はないと思います、それは無理だ。専門人材をいかに登用するかということ。現在の人材でしかできませんというのは本末転倒です。これは方法論ですね。目的論があるのに方法論、つまり現状の人事や人材でしかできないというのは論外です。ですので、早急にそういった人材を探すこと、これが最大のミッションでございます。またそういった方々を通じて行政や市町村の支援をしていくということだと思います。いわゆるホワイトハッカーのような、よくFBIとかCIAとかNetflixで出てくるのはだいたいが若い人がITの専門家でGPS使って追跡してとか、僕も外務省の専門家の人に聞いたら、それはリアルにそうだと。DX人材というのは若い人、天才的な人じゃなきゃいけないと。その人材をどう確保するかが人事や財政当局の一番のミッションだと思っております。あと、ハードの話ですが、次世代コミュニケーションプラットフォームの導入でございます。さっき言った人材も含めたソフトに加えてグループウェアを新たなコミュニケーションプラットフォームへ刷新して、いわゆる庁内の情報共有を速やかにする、合理的に仕事をするといったことで、職員の働き方改革に資する予算となっております。私からは以上です。
(幹事社・時事通信社)
では、幹事社の方から何点か質問させていただきます。まず、当初予算の策定を受けまして、どのような1年にしていきたいのか改めてお聞かせいただきたいのと、もう1点、議会との議論について、どのような議論を期待しているのか教えてください。
(知事)
先ほども申し上げたとおり、常に新次元でなければいけません。前例踏襲では時代についていけないし、地方創生戦国時代の戦いにもついていけないということでございます。そういう中で、未来投資予算ということで申し上げたとおり、今まで何かの予算を計上しようとすると、それはコストだという意識が強いんですね。現場もそれに慣れてるし、財政当局もそういった感覚になってますが、今の新しい財政部門は私の思いをしっかり理解してくれて投資型、いわゆる今までコストと判断してきたことも投資であるという理解をして、今回の予算編成では新規事業がたくさん並んでると思いますが、その結果だと思っています。ただ、やみくもに予算を使えばいいわけではございません。いわゆる、賢い支出ですね。その賢い支出の条件は、私がいつも申し上げています。生産性が向上するか、付加価値が新しいものになっているか、持続可能性があるかと。生産性と付加価値と持続可能性。この3原則をしっかりと満たしているものについては、投資的な意味があると申し上げておりますので、現場の各部局と財政当局は、その基本理念に基づいて予算策定をしてくれたものと思っております。議会に対しても、今県民の皆様に申し上げたことをさらに深くご説明しながら、ご理解を得たいと思っております。
(幹事社・時事通信社)
ありがとうございます。もう一点なんですけども、バッテリーバレイ構想について、先日、京都大学やトヨタが新たな全固体電池の開発をしたというニュースの一部報道がありまして、今後蓄電池への議論とか開発競争というのがどんどんスピード感を持って進んでいくかと思います。今回バッテリーバレイ構想も当初予算案に含まれていますが、それに対する狙いと今後どのように企業の誘致や人材獲得競争などを展開していきたいか考えを教えてください。
(知事)
そもそもバッテリーバレイ構想というのは、世界における大変重要な蓄電池という技術と半導体ですね。これについては、世界がこの技術を欲しがり、その技術がなければさまざまな生活に支障が出てくるということで、我が国はこれを経済安全保障と呼び、その中の重要二大物資として指定されたのが半導体と蓄電池であります。半導体につきましては、九州熊本がTSMCを中心として、友好国に経済安全保障のハード・ソフトを整備したところでございますが、蓄電池はまだでございます。それにつきましては、我が県にある日亜化学さんの正極材をはじめ丸井産業さんの技術、そしてプライムプラネットエナジーソリューションというトヨタとパナソニックの合弁会社でハイブリッドEV、このマザー工場が松茂にございます。その3社はバッテリーコンソーシアムという日本で唯一の産官学によるコンソーシアムのメンバーでございます。そういう環境をさらに活かすためにバッテリーバレイ構想を立ち上げたわけでございますが、ご指摘のとおり、これもまたEVなのか、ハイブリッドEVなのか、水素なのか、そしてそれに対するマテリアルの話ですね、今全固体の話ありましたけれども、これは日進月歩でさまざまな競争や戦いが常に繰り広げられている世界でございます。当時はEVを世界中の企業が席巻してきましたが、いささかEV車は、環境対策やカーボンニュートラルにはいいので引き続き需要はあるようでございますが、その伸びは鈍化して、実際はハイブリッドEVの方が伸び率が今や上回っているということでございます、今後水素もどうなるかわかりません。ですので、いろんな意味でイノベーションというのは日進月歩、予断を許しませんので、それに対して一助となれるような企業や産業誘致の環境を整えていくということであります。
(四国放送)
四国放送です。今回の予算、財政課の資料によりますと、2022年度を除いて2004年度以降で最も大きい規模の当初予算ですけど、いろいろ投資的な分野があると思うんですけども、先ほどもいろいろ使い方がっておっしゃってますけども、財政への影響というのはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
個別に説明が財政課長からもあったかもしれませんが、財政の健全化という意味では、財政調整基金含めて全く問題はございません。逆に会社や家庭で言えば、貯金だけ残して結局県が滅びてしまう、こどもたちが成長しなくなる、少子化に全く対応できない、これは本末転倒でございますので、いわゆる賢い支出を前提にさっき言った生産性、持続可能性と付加価値、この数年はこれを前提に積極的にそういった財政運営をしていきたいと思います。今までは例えば10年で何かやるとか、毎年等分した予算しか使わないこういうことでしたけど、やはり経済成長や人口が増えている時だったらそれはわかるんだけど、今は人口オーナスなんですよ。つまり、人口が減る中で我々がいかに積極的に人に投資していくか。それは人材確保であり、子育て対策ですよね。それもしっかり反映させていただいています。そして新たな産業に投資していく。そしてこどもたちの国際化にも投資していく。そしてインバウンド輸出にも投資していくということで、この1~2年というか、明日にでもやらなきゃいけないことでございまして、私からすれば、2月補正の説明があったと思いますが、これは来年度予算です。つまり、今年の4月から来年の3月末まで。でも待ってられないので、2月補正で物価高対策の積み残しもやらせていただきました。観光政策や人事も含めて、この4月は人事で大きな民族大移動は起こりますが、それは待ってられませんし、相手は民間企業であり、海外の方であり、海外の航空会社であったりする場合は今すぐにでもやらなきゃいけないことがたくさんございますので、そういう意味では機動的に使える予算にもしていくことが地方創生戦国時代を勝ち抜くためには大事だと思っております。
(毎日新聞社)
毎日新聞です。歳入の件ですが、資料でも県債がだいぶ増えているというのがありました。その中で、特に知事が就任以来ずっと繰り返しおっしゃっているんですけど、緊急防災・減災事業債が今年度よりかなり拡大して、特に県立学校の機能強化とかに活用されてますけど、今のところ新年度が緊防債の最終年度になってますけど、ここまでいろいろ県内の市町村も含めて緊防債の活用をおっしゃって来られた立場として、新年度予算にこれぐらい緊防債を活用していろんな事業をされるということで、所感を。
(知事)
ご指摘のとおり、今までの県は緊急防災・減災事業債の利用が、例えば四国で高知県と比べると3分の1ぐらいの金額だったんですね、私が就任して調べたところ。ただ、一つの原因として合併特例債を活用しておられたという市町村もございます。ただ相対的な比較において言えば、高知県の黒潮町が今一番南海トラフで被害が甚大だと言われてますが、そういったところと比べると、いささかと言いますか、ちょっと危機意識が足りないんじゃないかなと私は就任してすぐ思いました。ですので、その比較を市町村長の皆様にもしっかりとお見せした上で、またうちの県の中でもその認識をした上で、確か一定期間で制度を見直しするんだけれども、それがあるうちは積極的に使うべきだということを昨年来再三申し上げてきたところでございます。さらには、市町村がそれをやる場合には県も積極的に支援させていただきますということもお伝えして参りました。今後、石破政権のもとで防災庁が検討されておりますが、その担当である赤澤大臣には今まで2度ほど会ってきました。いわゆる緊防債というもので、地方自治体が防災のハード・ソフトを揃えるという時代から、国が防衛装備品と同様に防災装備品も現状を確認して、全国に配備して、もちろん全部完璧なものは配備できません。それは防衛装備品も同じでございますね。私は国会議員時代、陸上自衛隊を阿南に誘致するお手伝いをさせていただきましたが、当時、奈良県と徳島県だけ陸上自衛隊が存在しなかったのです。そこで60回は行ったと思います、当時の防衛庁にです。防衛省になってますが。今の徳島駐屯地が実現したわけでございます。そういう意味では、うちの県の陸上自衛隊は施設隊であるけれども、高知県は普通科連隊である。特に言うと、どんぱちやる部隊が普通科連隊、我々の施設隊は、いざという時には国土防衛部隊ですから訓練されていますが、特に施設隊というのは橋がこけたり、法面が崩壊したりする時にそれを復旧させるプロでございます。ですので、今申し上げたように防衛装備ですら全国に配備して、いざという時にそれを結集させるわけですね。ですから、防災装備につきましても、スターリンクしかり、我々の市町村で整備してくださったWOTAという水循環器、こういったものも日本中に適切な配備をして、いざという時は被災地に集結させるという。こういうことは、本当は防災庁がやらなきゃいけない仕事ですよ。国がやらなきゃいけない仕事ですよ。こういったことは全国知事会でも再々申し上げさせていただいておりますので、緊急防災・減災事業債というよりも、新たな次元の対策を国が講じると私は確信しております。なぜなら、スフィア基準とか国際的な基準の導入を強く推し進めるという発表が確かあったと思います。スフィア基準というのは、災害が起きた時に避難をしている人たちの最大限の人権を守るための基準なんですね。しからば、避難場所の整備をしているか、避難場所に空調設備はあるのか、お風呂がちゃんと浴びれるのか、トイレがあるのか、キッチンカーが出動できるのか、寝所はプライバシーが保障される、台湾の花蓮県ではすぐ個室の仮設ベッドが配備されました。日本では石破総理がいつも言うように、何かあったら体育館で雑魚寝、たこ部屋。この景色は先進国とはとても思えないということを石破総理がおっしゃっている。しからば、繰り返しますが、緊防債で防災対策をする時代はもう終わったと、私はそう理解しております。新たな局面になったということですね。