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令和6年11月20日 定例記者会見 フルテキスト版

発表事項

(知事)
 皆さんおはようございます。徳島県知事の後藤田でございます。まず冒頭は、先週の欧州訪問でございます。移動時間は往復で24時間ぐらい使っていますから、6日で4カ国、ドイツ、イタリア、フランス、そして香港でございます。特に、この写真でありますとおり、2007年に姉妹都市を締結したドイツのニーダーザクセン州、鳴門市の板東俘虜収容所の関係もあって、そこから県としても同州と姉妹都市協定を結んだというのが経緯でございます。ニーダーザクセン州はドイツ北部にございます。オランダと国境を接する地区で、人口が800万人おります。徳島県の10倍以上。さらに、ドイツには16の州がございますが、2番目に大きいということで、非常に強い州です。ドイツを牽引していると言っても過言ではない。そこにはフォルクスワーゲンのEVの拠点があったり、風力発電をはじめとした大きな送電会社があったり、1兆円を超える電力会社があったり、それぞれの代表、また、工場の視察もさせていただきました。何より、ニーダーザクセン州のヴァイル首相とともに、約17年経っている姉妹都市の連携協定を改めてアップデートさせる。17年も経つわけですから、さまざまな経済環境、また文化交流、スポーツ、そして共通の価値観として、例えば環境問題の技術協力等々、こういった中身を広げて深みをつけるということで、協定のさらなるアップデートをさせていただいたところでございます。この写真は迎賓館でございまして、そこで私ども県と、総領事にもお越しいただき、そしてドイツ側は先ほど申し上げました、それぞれの会社の責任者や代表にもご参加いただいた。非常に有意義な会にさせていただきました。毎年あらゆる分野でニーダーザクセン州と徳島県は交流を絶やしたことはございません。スポーツ交流から技術交流からありますが、今後もその継続とともに、例えば農業分野で先方からあったのは、いわゆるスマート農業とかフードテクノロジー等で、我が県の会社と何か連携できればいいねという話もさせていただきました。ハノーファー96というサッカーチームは、今2部でございまして、我が徳島ヴォルティスと同じ状況で、お互い1部に上がるために頑張りましょうと。ハノーファー96は2部で上位におられるようですので、このままいけばブンデスリーガに昇格ということで、非常に元気がよかったわけですが、そこでもサッカー場、スタジアム、アリーナの議論もさせていただきました。ハノーファー96のホームグラウンドは非常に古く、リノベーションを繰り返しているということであります。特徴的なのは、日本の古いスタジアムと違って勾配が急です。つまり、ピッチと観客が近い。スポーツを産業化している国。先進国アメリカもそうですし、ドイツのサッカー、イギリスのプレミアリーグも今後は学ばなければいけない。私ども鳴門の球場もそうでありますし、アリーナにつきましても、今後連携をしていこうという話もさせていただきました。続きまして、イタリアではトスカーナ州のフィレンツェにお邪魔し、来年私どもがやる食育全国大会、農林水産省と徳島県の共催ということでございます。実行委員会のメンバーにもなっておられる齋藤さんはイタリア在住でございますが、その方のいろんなアドバイスのもとに、イタリアは食育と言いますか、食文化と言いますか、こういったものが相当進んでいる。結論的に言うと、食べ物を大事にする、すなわち料理を大事にする、すなわち家族を大事にするというところに行き着くのかなと思いました。トスカーナ州の方にお話を聞くと、女性の方だったんですけれども、いくら忙しくても家庭でしっかりご飯を作る、これが文化だとか、週末も家族と一緒に極力食べると。なるほどと思ったのは、意外に外食する場所がないという。そういうのも一つの文化の表れなのかなと思いました。市場にもお邪魔しましたけれども、向こうはご承知のとおり、量り売りです。日本のように人参の細さが全部均等だとか、長さが均等だとか、フルーツの大きさが一緒とかいうことじゃなくてキロ売り、量り売りということで、なるほど、これはフードロスもないなとか、食というものを本当に大事にされているなと。日本の場合は、形になっていないものは多分廃棄していたりすると思うんですよね。農業者に対しての敬意も感じましたし、こういったことも、これから私どもの参考になるなと思いました。加えて、フィレンツェで日本料理屋さんをやっている日本人の方のお店にもお邪魔させていただいたところ、徳島の食材、もしくはバカスコを置いていただいていました。そこでも私どものゆず、そしてうどんが結構人気らしく、半田そうめんの可能性はないですかと言ったら、非常に興味を持っていただいた。いわゆる食の中心的な欧州のイタリアで評価されれば、フランスもそうだと思いますが、ヨーロッパや全世界に発信できるなという手応えを感じました。その後にフランスにも参りました。フランスでは「GOEN」、長野県さんや他県と一緒に出しているブースがございまして、ここではBtoCはもちろん、BtoBでレストラン向けの食材のPRもさせていただいています。徳島フェアが開催されている時期でしたが、木頭ゆずとか鳴門金時、すだちブリ、工芸品で言うと、藍染め製品、遊山箱などをPRさせていただきました。また、パリにあるイッセさんは、中澤さんという方で、旦那さんは亡くなりましたが、旦那様が元々徳島出身ということもあって、私が国会議員時代の2017年にもお邪魔させていただいて、7年ぶりの再会を果たしたわけであります。我が県にいろんなアドバイスをしていただけるというお話もいただきました。そしてまた夜は、フランスというとフランス料理、フランス料理といえばジュエル・ロブション。ロブションの最後の日本人のお弟子さんと言われている檀崎さん。この方はボルドーに住んでいるんですが、その奥様が私の昔からの幼馴染という偶然のご縁もあって、ボルドーからパリに来ていただき、ロブションの料理人の方々にゆず並びにすだちを積極的に宣伝していただいた。また、私が副大臣でクールジャパン担当の時に一緒に仕事をした、パリで30年ぐらい続くジャパンエキスポを主催している創業者のトマシルデさん。奥様も日本の方ですけれども、その方とも改めて再会いたしました。4日で30万人ぐらい集める巨大イベントになっていて、今年はもう終わったんですが、そこで料理を披露する方が日本人から一人選ばれました。その方は徳島県の藤六愛さんという方でございまして、そんな偶然もありながら。日本のアニメとかゲームとかをヨーロッパに発信するイベントですが、今後は物産もいろいろ、徳島ブースも含めて協力してくれるという話もいただきました。同時に、徳島のアニメイベントにもフランスからぜひ来てくださいと、お話もさせていただいた次第でございます。フランスで料理教室も主催していただきまして、檀崎ご夫妻やフランス在住の日本人の料理家の方々、特に徳島食材を使った料理、そしてなんとなんと、その料理をお持ちした遊山箱に入れて、皆さんに味を楽しんでいただくイベントもさせていただいた。その後、関係者の方にもSNSで発信していただき、伝統的な工芸品の遊山箱に非常に強く関心を持たれたわけであります。同時に、ゆず以外に半田そうめんも料理に使っていただいたり、すだちも味見していただいて、新しいフルーツの感覚をわかっていただいたと思っております。引き続き欧州にも、これから徳島新時代は国際化ですから、国際化なくして地方創生なしという考え方のもと、知事になって初めての欧州訪問でございまして、関係強化をすることができたと思っております。帰りの便は、私が行っている間に香港便の就航がありましたから、その関係もあり、普段だったら関空経由で徳島に帰るとか、成田・羽田経由で帰るわけでありますが、香港経由で、香港徳島便を使って徳島に帰らせていただきました。夜に香港に着いたわけですから、翌朝10時50分、週3便、月・水・土と往復、香港発はその時間ですけれども、その前日には香港の県人会と言いますかね、香港で徳島食材を含め、香港や中国本土にビジネスをしてくださっている方々とも懇親をさせていただきました。今後、直行便がつながるわけですが、人だけではなく物も運べますよと、特に生鮮食料品が運べますということでビジネスが広がりますねと、また人の交流が広がりますねと、こんなお話で協力をしていただけるという約束をいただきました。翌朝、香港国際空港を立つ時には、この度就航いただいたグレーターベイのリザ社長様にお見送りもしていただいた。昨日の庁議でも申し上げたんですけれども、来年の早い時期に香港との経済交流、そして人の交流、若者の交流、また修学旅行。香港にはディズニーランドもあります。帰りの飛行機では、たくさんの徳島県民の皆様が一緒に同乗されて、ディズニーランド楽しんできた小さいお子さんもおられまして、非常に嬉しく思いました。改めて、来年の早い段階でさまざまな分野の代表と、先般のタイのように経済ミッション、文化ミッション、教育ミッションと一緒になって、さらに関係を強化したいと思いました。欧州訪問と香港については以上でございます。続きまして、昨日来ニュースになっていますが、マスコミの皆さんは早くニュースを打つのがあれかもしれませんが、改めて正式に発表することとして、香港に加えて韓国便の就航が決まりました。今まで現場のみんなが頑張ってくださいまして、韓国やイースター航空の皆様と交渉しておりまして、韓国のいろんなプロセスをクリアして、今日正式に発表することになりました。具体的に申し上げますと、報道で既に出てしまっていますが、まさに徳島新時代、香港に続いて韓国便、12月26日の木曜日から運航される運びとなりました。年間を通した定期便となります。いつ離陸するんですかということでありますが、火・木・土の週3便で、徳島と仁川を結ぶことになります。仁川はご承知のとおり、香港と同様に国際的なハブ空港であります。この1年ちょっとで今までにない徳島の国際化、私自身の公約でもありました観光立県、徳島の国際化という点においても、大きく一歩を踏み出せたのかなと思います。関係者の皆様、そして県庁の現場の皆様に心から敬意、感謝を申し上げたいと思います。これからがスタートでございますので、先ほどの欧州のみならず東南アジア、東アジアにおきましても、人的交流、経済交流、金融交流をさまざまやっていきたいと思います。まさに、ビヨンド東京と言いますかね。バーサスどころかビヨンド、東京・大阪を飛び越えて、我が徳島県は国際化に大きく踏み出したということで非常に嬉しく思います。そういう点におきましても、今後子どもたちの修学旅行とか教育研修、徳島の企業さんのいろんな旅行プラン、個人含め、そういったことで利用されることが望まれます。先ほどの香港同様、来年の早い時期には経済、文化、スポーツ、さまざまな分野での経済ミッションを組成して韓国にも伺いたいと思っている次第でございます。韓国はご承知のとおり、9月、10月は本当に極寒になりますから、なかなか外に出ない、ゴルフもできないという方々が、徳島は1月ぐらいまでゴルフができたり、楽しめたりするわけでございますので、そういう観光客がたくさん日本に来ていただければありがたいなという思いです。12月26日に向けて観光部局、そしてさまざまな分野で、うちの知事公室長が総合調整して香港と韓国を含めた細かな対策協議を開くことになっていますので、来年に向けて、ぜひ報道陣の皆様も一緒にいかがでしょうかということでございます。続きまして、発表事項として万博関係でございます。万博というのは、我々はもちろんでありますが、やはり未来の子どもさんたちに地球がどうなるのか、日本や徳島がどうなるのか、世界がどう変わっていくのかということで、若者が主役だと私自身は思っています。そういう中で、万博に向けて徳島の若者の方々にプレゼンをしていただいて、さまざまなご提案をいただくと。そのご提案に対していろいろ見ていただくということで、テーマ事業プロデューサーの小山薫堂さん、中島さち子さん、福岡伸一さん、3人のプロデューサーの方に、徳島の若者のプレゼンを聞いていただくということでございます。また、いろんなアドバイスも若者にいただけるということ。プレゼン本番では、このお三方による審査・講評。まさに日本を代表する方々に徳島の若い皆様方が挑んでいく姿は、新時代としてもふさわしいなと思います。昨日も、神山まるごと高専の皆様方にパビリオンの一角をお任せしておりまして、その途中段階ではありますが、プレゼンテーションをしていただいたわけでございます。素晴らしい若者の発想と言いますか、大人にはない感覚に大人の経験値を加えてさらにブラッシュアップしていくという話を、昨日夕方5時半から7時ぐらいまでやらせていただいたということで、非常に良い会でありました。続きまして、防災関係でございます。これにつきまして、いよいよ内容が決まりました。防災訓練と言いましても、今回は南海レスキューということで、いよいよ切迫する南海トラフ地震に対して、よりリアルな災害時の現状を想定しながらの訓練でございます。私ども県としましては、県における総合司令塔の立場としての図上訓練になりますし、現場におきましては、いわゆる孤立集落、能登半島地震の教訓を踏まえたレスキュー、例えば海岸からの陸上げのイメージとか、壊れた構造物を復元させるとか、そういった実動のレスキューを現場でやっていただきながら、私ども災害対策本部の図上訓練も併せてやるということです。特徴は、15府県が参加する、そして自衛隊の実動訓練と連携するということが特徴的でございますし、今までにない自衛隊の装備を使った訓練になるということでございます。この件については、先般も関西広域連合において、2府19県を管轄する部隊のトップから私ども知事会にもご説明をいただいた次第でございます。その内容が改めて決まりましたので、ご報告をさせていただきたいと思います。こういった経験を通じて何が足りないのか、何をすべきなのかということを認識して、これから8市16町村徳島全域に広げていきたいと思います。また、県を超えた広域連合のあり方につきましても、ここで訓練をさせていただくということでございます。今までと違って申し上げたいのは、年に1回お約束のようにやる訓練じゃなくて、台湾の花蓮県に我が県の危機管理部隊が視察と勉強に行ってくれましたけれども、いざ発災した時に日本は相変わらず避難所がタコ部屋、雑魚寝ということがないように、今私どもは危機管理部にその点について大きな改善を、迅速にスピード感を持ってやってほしいと。これには市町村の協力をいただかなきゃいけないし、まさに防衛装備品ならぬ防災装備品を自主的に準備することのみならず、また明日以降日本国政府に要請に参りますが、防災装備品はやはり国が責任を持って現状を把握し、整備していただくという要請もさせていただきます。災害は待ってくれません。できることはこの年度中にしっかりやるように、危機管理部に指示を出しているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。続きまして、賃上げ支援事業の受付開始でございます。皆様ご承知のとおり、最低賃金の引き上げに伴って、中小・小規模事業者の皆様方に対する激変緩和措置として、一時金の支給ということを先般の議会でもお認めいただいたところでございます。その点につきまして、申請の受付を12月2日に開始させていただくということでございます。一時金の額につきましては、正規雇用労働者については1人当たり5万円、そして非正規労働者につきましては1人当たり3万円という制度になっております。加えまして、今までの生産性向上の投資補助金も非常に好評だということで、先般も申し上げましたが、この度の最低賃金引き上げに伴って国、県のさまざまな制度をもう一回認識いただく機会になったのかなと思っておりますので、労使ともにウィンウィンの関係を築いていきたいと思っております。私からは以上です。

質疑

(幹事社・NHK)
 幹事社のNHKから質問をさせていただきます。韓国便のことで、今まさにこれを契機として、今後どのように観光客の誘客を進めていくのか、お考えを教えてください。

(知事)
 何事もそうなんですけど、今までの徳島県は、素晴らしい人がいて、素晴らしい自然があって、歴史があって、文化があって、そういったところの発信力が欠けていたと思います。そういう意味で、私もトップセールス含めてこの1年半で海外にお邪魔させていただき、また、現場の担当部局も農林水産物の輸出や、観光分野においては香港、韓国等、今回成就しました直行便につきましても努力いただいたわけでありますが、これは一つのプロセスとしか思っていません。これから徳島をいかに発信するかということ。特に香港便につきましては、香港のグレーターベイさんが自ら香港のテレビ局に依頼されて、徳島にナビゲーターを派遣して番組まで作っていただいています。そういう意味におきましては、私どもが香港の魅力を我が県や関西地域で発信することもお互い大事じゃないかなと思っておりますし、それは韓国についても同様だと思います。ウィンウィンの関係で。今までの知事さんや首長さんはインバウンドインバウンドって、海外行っては日本に来てくれって話でしたけど、私が違うのは、インバウンドのみならず、うちも出てきますよと、アウトバウンドもやりますという話をしたところ、先方の国や航空会社や観光関係者は納得というか、賛同していただいた。私はかねてから申し上げていますが、日本のパスポートの取得率は17%を切りました。一方、韓国や台湾は6割の人がパスポートを持っております。徳島に至っては約10%です。ですので、この度の徳島新時代、徳島の国際化に向けて、まずはパスポートの取得キャンペーンを準備させていただいております。韓国だと5,000円~6,000円で取れるけれど、日本は1万5,000円~6,000円かかる。これも国にはもっと安くしてくださいよって話を再々しておりますけれども、我が県独自の支援策も考えていきたいと思っております。何より、PRは相手の国も尊重する。お互いウィンウィンになる関係が長続きするポイントと思っております。

(幹事社・NHK)
 ありがとうございます。もう一点、賃上げ支援事業受付開始のことで、企業に対して呼びかけがありましたらお願いします。

(知事)
 呼びかけについては、今のところホームページからの電子申請もしくは郵送、電子申請は12月9日の受付であります。これは先ほど申し上げたけれども、いろんな良い制度を作っても伝わってない場合があるんですよね。ホームページに載せましたから後はご勝手にということじゃなくて、私自身、伝えなきゃだめですよということを再三申し上げておりますので、その点については、あらゆる企業に伝わるようにといつも申し上げています。いつもは団体に言って終わりってなっていた。そうじゃない。団体に所属していない小規模事業者や中小企業はたくさんおられます。そういった方々の情報は、おそらく労働局や税務署が把握しています。本来は県が把握しないといけないんですけれども、その点について生活環境部から。

(県担当者)
 しっかりと伝わるように、ありとあらゆる手段を通じまして、県民の方や利用者の方にしっかりと制度の周知をしていきたいと考えております。

(幹事社・徳島新聞社)
 幹事社の徳島新聞です。国際定期便のことで、アウトバウンドのお話があったと思うんですけども、徳島に韓国と香港それぞれの定期便が就航しまして、韓国はテレビとかでかなり情報があると思うんですけど、香港はまだ少なくて、こちらから行くとすると治安面とか、どれぐらい過ごしやすいのかなというのが少し気になるところで、知事は何回か行かれていると思うんですけども、最近の状況はどう感じられているでしょうか。

(知事)
 香港は、皆さんも記憶があるのは民主化運動とか、直近では犯罪行為が隣の深?ですけど、こういうイメージはあろうかと思います。これについても私は、香港当局や中国大使館等には、そういったものの説明責任や払拭は大事ではないでしょうかということは申し上げております。ただ香港に関して言えば非常に親日でありますし、人口750万人のうちの3人に1人は毎年日本に来ている状況でありますので、非常に親日でございます。リピーターも多いということでありますので、日本の皆様が香港に行っても大歓迎だと思います。日本のどこどこ行ったよ、私もあそこ行った、ここ行った、ここ行ったって。聞いていると、東京、大阪、沖縄、北海道、いわゆるゴールデンルートはもう飽きた。新たな日本、アナザージャパンを探しています。徳島が楽しみですと言っていただいております。先ほども申し上げたとおり、私どもも何かしらのPRや香港の素晴らしさを発信する努力をして、お互いにウィンウィンの関係を築いていければいいなと思っております。

(幹事社・徳島新聞社)
 もう一点ですけれども、大阪・関西万博で若者によるプレゼンテーションの中で、スペシャルナビゲーターとして、事業プロデューサー8人のうちの3名が選ばれたということですけれども、どういった経緯で受けていただけることになったんでしょうか。

(知事)
 これは担当課長から詳細をご報告いたします。

(県担当者)
 そもそもこのプレゼン大会が若者主体の企画として位置づけておりまして、神山まるごと高専の方でプレゼン大会の事務局をローカル版で立ち上げたところがありまして、神山まるごと高専や博覧会協会と調整しながら決めさせていただきまして、学生さんがこのテーマでやりたいといった3人の方に接触させていただいて、決まったところです。

(知事)
 福岡さんは生物学者で作家であられる。そして中島さち子さんは音楽家で数学研究者。またSTEAM教育の専門家です。STEAMは、「Science」、「Technology」、「Engineering」、「Art」、「Mathematics」、こういった点についての専門家。また、小山薫堂さんは放送作家で有名でありますが、京都芸術大学の副学長もされていることで、今担当から説明があったとおり、我が県の若者の関心のあるテーマにつきまして、万博側がそれに合わせていただいたということだと思います。

(朝日新聞社)
 朝日新聞です。知事は先ほどから、徳島の国際化ということで若者もどんどん海外に出ていくべきだとおっしゃっていました。確かにそうだなと思うんですけれども、一方で、今の物価高とか円安を考えると、若者が海外に出ていくには経済的にかなり厳しい状況もあるかなと思います。先ほど、パスポート取得を支援するという話をされていましたけれども、それ以外に何か、例えば修学旅行に行きやすくするとか、お考えはありますか。

(知事)
 物価高に加えて円安が影響することは否めませんが、私が学生の頃は、アルバイトをしてはお金を握りしめて海外に行っていたんですよ。安いところを探そうと思ったら探せますよね。高い国にはカップラーメン持って行っていましたよ。一泊500円の安い宿に泊まったり。そういうのが若者の成長や教育にもつながると思います。少なくとも動線ができた。わざわざ関空まで3時間かける必要ない。成田や羽田まで行く必要がない。今まで観光立県で世界とつながるということでタイのことも考えていましたけども、タイは経済的・文化的な、投資も含めた連携協定を先般結ばせていただきました。タイも仁川や香港があればトランジットで安く行けるということで、東南アジアやヨーロッパにも門戸が広がった。先ほど申し上げたパスポート取得支援は、これはこれでやらせていただきたいと思います。県教育委員会さんと相談させていただいた上でありますけれども、修学旅行等でも韓国や香港に行くルート、東京じゃないと、我々は東京とバーサスじゃなくてビヨンド、もう飛び越えて国際化です。そういう人材を育てるための投資という考え方であれば、積極的に支援をしたいと思います。あともう一つ、これは一つの大きな論点で政府にもいつも言っているんだけれども、移動の金額が高すぎるんですよね、日本は。例えば羽田往復とか普通に買ったら片道3万とかですよね。ご承知のとおり、香港便は往復4万ぐらいかな、普通で行くと。韓国は往復3万円ですよ。市場原理ですから安い時は安いと思います。人が移動しないと経済って良くならないですよね。韓国とか香港という国際都市は、いろんな人に来てもらいたい。そして韓国は少子化で出生率0.7ですから日本よりも低い。そうなると人口が減少する。だから輸出をしないといけない。今韓国のGDPの4割は輸出ですよ。日本はまだ15%。これから四半世紀後には、日本も30%の人口が減ると考えた時には、やはり世界なんですよ。我々徳島における中小企業も含め世界です。現に先ほど申し上げましたヨーロッパに行っても必ず大塚製薬がある、必ず日亜さんがあるという素晴らしい、いわゆるファーストペンギンじゃないけど切り開いていただいた先進的な企業、先人たちにもう一度倣って、徳島が国際化することについては、私は惜しみなく支援をしたいと思っております。LCC戦略も国として推進すべきだと思います。そうしないとこれからは外資系の飛行機ばっかり飛びますよ。おかしな独占だとか既成概念で航空行政をすることは、私はすべきではないと。国内においても、国外においても、人が移動してこそお金を使うわけですから。内需拡大においても大変重要な視点だと思っております。

(朝日新聞社)
 もう一点、国際定期便で香港便に続いてソウルが就航決定決まったということですが、この先の展開は何かお考えはあるんでしょうか。

(知事)
 今のところはもうお腹いっぱいじゃないですかね。だって、世界のハブ空港、アジアのハブの香港、仁川がつながっただけでも革命的なことだと思いますので、そこから世界中に飛んでいけると。しかもそれはLCCであり、安く行けるということでございますので、そういうチャンスを県民の皆様にはぜひ活かしていただきたい。徳島の場合は、良くも悪くも淡路島、兵庫県、大阪に近いですよね。そちらに吸い取られてしまう場合もあるけれども、我々は対立ではなくてお互いに、淡路と徳島の良さで旅行商品作って海外から人を呼びましょうと。排他的じゃなくてインクルーシブですよね。包摂的な観光戦略を四国の4県や兵庫、大阪ともやっていきたい。例えば徳島イン、関空アウトとか、関空イン、徳島アウトとか、徳島イン、高松アウトとかいう形での空港連携もできたら、みんなお互いウィンウィンになるんじゃないかなと思います。

(幹事社・NHK)
 ほかに質問のある社いらっしゃいますでしょうか。では、発表項目以外で質問させていただきます。先日発表された鉄道高架事業の新たな計画案のことでご質問させていただきます。この計画案では車両基地を高架橋構造で作るということで発表されていますけれども、この高架橋構造にするメリットについて知事はどうお考えなのか教えてください。

(知事)
 これからいろいろ議会との議論もありますけれども、土地の有効利用という意味で、誰が考えてもそちらの方がいいと思います。ほかに良いアイデアがあれば柔軟に取り入れていきたいと思っておりますが、基本は徳島の駅の裏に息吹を与えるということですよね。徳島城という我々のアイデンティティと眉山という我々阿波のアイデンティティをつなげることが目的でありますので、それをする上で、駅裏のど真ん中に操作場があることは、ほかの松山駅や高松駅をご覧になったらわかるとおり、駅の開発は都市計画において極めて大事であります。加えて、再三申し上げていますが、県市協調でやらないといけない。市の都市計画にも合致していると思っております。先ほど来インバウンドの話もやりましたが、海外から来た方々にも素晴らしいまちづくりを提供しながら、一方で郡部における自然とか文化とか歴史を堪能いただくハイブリッドな徳島県づくりをしていく。そして、申し上げた県都の魅力度アップがあわせて大事ということであります。

(幹事社・NHK)
 この車両基地の案が9月に出た時に、盛土構造か高架橋構造かというところで、車両基地を上に上げて下に商業施設を呼ぶことの狙いについて教えてください。

(知事)
 都市計画において土地を有効に利用するという、その一点に尽きると思います。特に県庁所在地のど真ん中の、皆さんが集まる中心的な駅に、経済合理性から考えても、経済に資するまちづくり。そしてホテルとかも、これから誘致していかないといけないと思っています。今後観光客が増えるとホテルが足りなくなると思いますよ。駅前に三ッ星の外資系ホテルといったことも今もう頭の中に描いています。現に、海外のホテルチェーンに対して投資の交渉も始めております。

(幹事社・徳島新聞社)
 徳島新聞です。同じ質問ですが、鉄道高架事業の件で一つ質問があります。今回、費用便益比
が1.2と発表されました。最初の現行計画が1.3ということで、若干下がったということですが、遡ってみると平成18年の時では2.3だったということで、年々下がっているのはおそらく人口減というのも影響しているかと思うんです。きちんと国の補助を得るために事業は急ぐべきかと思うんですが、その点はいかがお受け止めでしょうか。

(知事)
 事業を急ぐべきだと言いながら、新聞はいつも混乱を助長するようなことばかりでありますので、ぜひ県民とともにということであれば、地元メディアも協力をしていただきたい、前に進めることに。今まで県市がこじれていたわけですよね。今回私どもは一緒に県市協調で遠藤市長とも合意をして前に進めようと言っているところで、また町村会からも早くまちづくりを進めてほしい、ホールを進めてほしいということでありますので、過去の対立ということじゃなくて、みんなで、ワンチームで前に進めていただきたいと思っております。

(四国放送)
 四国放送です。鉄道高架の件ですけども、昨日松山駅の映像を取り寄せてみると、徳島駅とは全く違うような都会的な駅が既に四国の中でできています。徳島が開発に乗り遅れてしまったというのは、どういうところに原因があるんでしょうか。

(知事)
 先ほど申し上げたけれども政治的な対立と言いますか、県と市の方向性が度々異なることが原因だったと思います。同時に、大胆なビジョンが示せていなかったと思います。そういう意味では、僕はいつも言っているようにラストチャンスだと思っています。これは遠藤市長も同じ認識でございますので、中途半端に駅を作るとか、歩いて駅から8分のところにということは、私は公約でもおかしいと申し上げています。それは公約どおり、そういうことではなくて、もっと俯瞰的に県都徳島を蘇らせたい。これはひいては県全体の利益につながるという考え方が必要だと思っています。遅ればせになっていますが、今ご指摘いただいたようなほかの四国地区でできることがなぜ徳島でできないんだという感覚は、県民の皆さんや市民の皆さんも同じだと思っていますので、ぜひワンチームでメディアも含めて応援をしていただきたいと思います。現に、その一歩のホールにつきましても、遠藤市長と同じ思いでやっています。その後は駅裏や駅周辺のまちづくりの再開発、その手段の一つが鉄道高架でもあり、加えてアリーナもいろんな要望がございまして、その建設も視野に入れております。それこそ市場を高度化で最新施設にするとか、いろんなことを県市でやろうということで、遠藤市長と一緒に前に進んでいるし、それを県民や市民の皆様も求めていると思っておりますので、後ろに退くことなく前へ前へ進めて参りたい。ラストチャンスであります。

(共同通信社)
 共同通信です。先日の兵庫県知事選で齋藤知事が不信任可決された後に再選するという結果が出たわけですけども、後藤田知事として選挙の結果をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 それは県民が選ばれたことでありますので、私が何か意見を言う立場にはございません。引き続き隣県として、我々大鳴門橋のサイクリングロードも一緒にやっておりますし、先ほど来申し上げました国際航路の香港や韓国の定期便ができたので、同じ兵庫県や淡路の皆様にもぜひご活用をいただいて、お互い関西圏を良くしていければいいと思います。とにかく早く一緒に仕事をしましょうと。国もいろいろごちゃごちゃしていますし、兵庫県もいろいろあったようですが、私どもは粛々と結果を出すことが仕事でありますので、早くいろいろな仕事を一緒にできたらいいなと思います。

(幹事社・NHK)
 ほかに質問のある社はいらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 はい、ありがとうございました。

このページに関するお問い合わせ
徳島県 知事戦略公室
電話番号:088-621-2015
FAX番号:088-621-2820
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