〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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(知事)
よろしくお願いいたします。ただいまから記者会見を始めさせていただきたいと思います。県民の皆様、どうもいつもお世話になります。報道の皆様、よろしくお願いいたします。まず私から申し上げたい報告事項でありますが、この度、徳島県立総合大学校、まなびーあ徳島の特別講座としまして、報道等でもご存知の、徳島を舞台にした小説「音のない理髪店」の著者であります「一色さゆり」さんを講師にお迎えして、講演会を開催することになりました。先日来、高校生、若い人たちに、文学といいますか、小説家の方々にさまざまな出会い、学びの場を、私ども設定させていただいているということでございます。11月4日はこの本の発表会みたいな意味合いも込めているものでありますし、同時に、いわゆるろうあの方が当時受けたいろんな差別だとか、それから時代を経て多様性の時代になって、障がいのある方、ハンディキャップのある方をどう包摂的に受け入れる社会を作るかという意味でも、非常に素晴らしい作品であります。ですので、そういったこともこの本を通じて、我が県としましても差別のない、そしてまたあらゆる個性を受け入れる徳島、社会に、包摂的な、みんなを包み込むような社会にしていくという意味でもこの講演だとか、あとパネルディスカッションなども予定させていただいておりますので、ぜひ皆さんふるって、11月4日は四国大学の交流プラザ、フォーラムホール。グランドパレスの正面ですかね。ポッポ街を抜けて、駅から非常に近い、駐車場も近くにございますので、市立体育館の踏切の反対側です。ぜひ皆さんご参加いただきたい。また、一色さんのおじいさまは徳島のろうあの方で、なおかつ、ろう学校に理髪科ができた時の初代卒業生という実話にも基づいていて、またもちろん若干フィクション、ノンフィクション織り混ざっておりますけれども、私は夜中の4時近くまでかかって、非常に素晴らしい作品なので一気に読んでしまった作品でございます。ぜひ皆さんも、来られない方は本を読んでいただくと嬉しいなと思っております。続きまして「中四国サミット」の報告でございます。先日10年ぶりとなりますが、徳島県において中四国サミットが開催されました。(私を含め)6県の知事さん、3県の副知事さん、そして各経済団体代表の皆さんの会議でございましたが、その前に神山まるごと高専に視察に行きたいという他県の知事さんもおられて一緒に伺いました。そこで他県の生徒さん、山口県知事、そして広島県知事にもご同行いただきましたが、山口、広島、そしてまた鳥取県から来ておられる学生さんは10代ですよね。16歳、高校生(と同じ年齢)ですよね。そういった方々と学校の給食を一緒に食べて、ミーティングをさせていただいたところでございます。印象的だったのは、同じ地方出身の高校生が、これが東京や大阪にできていたら行きませんでしたと。地方にこういうものができるということが素晴らしいんだという話をされていた。最近の若い人は幻想的な都会志向ではなくて地に足についた、リアルなっていうか、本当のワークライフバランスって何なのかなとか、本当の豊かな生活は何なんだろうかっていうことをすごく真剣に考えている高校生(と同じ年齢)ですよ。素晴らしいなと思った。また同時に、皆さん服装は自由、髪型も自由、髪が茶色くても全然問題ない。ルールを自分たちで作るという最先端のっていうか、当たり前の学校運営をされているということも我々県立高校、特に学校設置者、教育委員会、校長先生はもっと学んでいただいたらいいのかなと思います。ですから、課題とか問題とかが本当にリアルであり先進的であるということですね。校則を守るとか守らないとか、そういう第一歩の、教育的にどうかなっていうところに全く関心がないっていうか、個性が何なんだとか、本当の学びは何なんだとか。これは国際的にもそうですよね。いまだにツーブロック禁止とか、髪の毛黒じゃなきゃだめっていうのは、世界中で多分日本ぐらいじゃないですかね。ぜひそういったことは神山高専さん、もっと言うと、通信制の学校とか定時制の学校の皆さんも本当に自由なんですよね。夕方から授業があるとか、その時点でまさに自由ですよね。この前定時制、通信制の発表会に伺いましたけども、皆さん茶髪あり、ピアスあり、ネイルあり、もう自由ですよ。こんなものは最初から自由にしてあげるべきだなと思っております。また、宮城県の仙台第一高校は県立高校ですけど、教育委員会さんに一回見に行ってくださいって言ったら、行って報告受けましたけど、県立高校で私服OK、茶髪OK、ネイルOK、化粧OK。それでも、運動も学問もしっかり結果を出す高校ですよね。ですから、ぜひ新時代を勝ち抜くために、教育委員会も高校も中学もしっかりキャッチアップしていただきたいなと思いました。それでは3番目でございます。今の学問、スポーツの関連かもしれませんが、先般「国民スポーツ大会SAGA2024」が行われました。全体の成績がどうのこうのということよりも、私自身、各個人での優勝選手とか、また入賞した団体の皆様方、高成績の皆様方には本当に心から敬意を表したいと思いますし、お疲れ様と申し上げたいと思います。我々知事会でも国スポのあり方については、いろいろ議論があるところでございますが、私もそう思っています。何かと言うと、やはり順番をつけることがいかがなものかっていうところもそうですし、また開催準備のための開催県は、非常に大きな負担がかかる。財政的なものもそうだし、人的なものもそうだし、また宿泊施設の確保とかいったことで、一県に負担がかかるということ。そうなると広域開催っていうのもありなんじゃないですかね。ワールドマスターゲームズ関西はそうですよね。今度やるワールドマスターズゲームズ関西が2027年。世界マスターズっていう高齢者というか、キャリアのある方のスポーツイベントを関西でやる。こうなっておりますので、こんなことも先般8月7日に全国知事会長から日本スポーツ協会の遠藤会長に見直し案が提出されたということでございますので、いろんな不断の改革、進化は当然あっていいんじゃないかなと思っています。我々としてまた一方で、スポーツに対して改めて、ある意味での強化も大事だと思っています。これはスポーツ課と教育委員会が一緒になって。そもそも子供の頃からどういう体力測定をして、そしてどういう運動方法を、先進的なものを教えていくだとか、これからやっぱり少子化でございますので、これは部活動の存続、地域スポーツとのあり方、こことも関係してきます。そうなった時に「デュアルスポーツ」といって複数のスポーツをするということ。これにより身体的なバランスを取ることはもちろんです。例えば野球をやっていて、右利きでずっと振っていると、体が歪みますよね、偏りますよね。こういったこともアメリカは先進的で、オフの時や寒い時は、手がかじかみながら野球やらないんですよ。みんな体育館でバスケットをやるんですよね。こういう当たり前の合理的なスポーツ環境も、今スポーツ課が教育委員会と取り組んでいるところでございますので、その取組については、また改めて発表したいと思います。それはトレーナーをやられて、今我々のアドバイザーもやってくださっている中尾さんといって、錦織圭さんのトレーナーで随行されて世界中まわっている方。その方のおかげで国枝慎吾さんや石川佳純さんも去年から徳島に来ていただいておりますが、そういった知見も賜りながら、これからやっていきたいなと思っております。続きまして、今私がつけているのが臓器移植の方でございますけれども、来週からは「世界脳卒中デー」でということで、来週の23日から県庁ほか、主だった場所でライトアップをさせていただきます。脳卒中を含む脳血管疾患は県内でも年間700人以上の方がお亡くなりになる疾患である。こういうことでございますので、この予防について改めてご本人のみならずご家族、また会社、組織の皆さんの中で高血圧の予防や改善、そして適度な運動習慣とか、健康でバランスの取れた食事、禁煙、そういった一人一人の生活習慣を今一度振り返っていただいて、早期発見、早期治療にぜひ取り組んでいただきたいと思います。続きまして、重大交通事故多発に伴う呼びかけでございます。去年から県警の皆さんとも私は再度にわたって発信させていただいております。お亡くなりになった方には本当に心からお悔やみを申し上げると同時に、ご家族の方々にも本当にお悔やみを申し上げたいと思います。そういう中で、私ども交通事故の死者数は10万人あたりで3.17人となっていまして、昨年に続いて現段階でも全国ワースト。一般論としてよく皆さんも言われていると思いますが、徳島は運転マナーが悪い。危険だということは、ほかの県から来る人からも言われます。徳島県民として命を守るということはもちろんですし、被害者にも加害者にもならないように、今一度県民の皆様には交通ルール遵守、そしてまた危険な運転、また危険な場所における運転に対しては十分にご留意いただきたいと思っております。改めて10月末まで集中啓発強化期間と設定をさせていただきまして、県警の皆様とともに集中的に注意喚起や啓発、そしてまた徹底的な取締りもやってまいりたいと思っております。改めてシートベルト着用の徹底。また特に高齢ドライバーの方は一層の安全確認。そしてまた、ブレーキ、アクセルの踏み間違い、これはやっぱりございます。そういった点において、やっぱり不安だなと思ったら運転を避けてください。被害者になることも、加害者になることも、常にその危険は、車に乗る限り隣り合わせであるということを県民の皆様には改めて認識をしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。続きまして、この月末にはタイを訪問しまして、今まで準備をさせていただきましたタイ政府機関との「MOU」、いわゆる覚書ですね。「Memorandom Of Understanding」っていう、いわゆる法的拘束力はないけれども覚書を交わすということでございます。相手ですが一つは「BOI:Board Of Investment」、タイの投資委員会ということで、タイへの投資振興、いわゆる資本もそうでありますし、技術もそうであります。私どもはさまざまな企業、また中小企業の技術を、タイを皮切りにいろんな形で技術移転をさせていただき、それによって経済交流をする。またタイを中核に東南アジア5億人マーケット。一番大きいところは、インドネシアの2億8千万人でございますけれども、そういったところの一つの拠点にさせていただきたいと思います。同時に、もう一つは「工業省産業振興局(DIPROM)」といって、いわゆる日本でいうと経済産業省と同じでございますけれども、こことも今申し上げた投資、プラス中小企業、大企業の経済交流、技術交流。こういったものをさせていただくということでございます。まず皮切りに、第一弾のミッションが、この月末にバンコクの方で。またプーケットにおきましても、プーケットはタイで一番物価が高い、給料が高い、経済のレベルが非常に高いということで、ある程度日本の技術を購入する購買力もあるだろうということでございます。また同時に、徳島県の企業と合弁をしている会社もあったり、もう既にスタートしているところもあるので、そういったところを突破口として今度は各現場、自治体、企業と幅広くやっていくということでございます。タイの場合は地方集権的なところがまだ残っているものですから、まずは政府とこういったものを締結することによって地方政府もしっかり受け入れてくれる、企業も信頼があるという流れになっていくんだと思います。例えばプーケットは40万人の人口しかいないんですけど、毎年1500万人に近い観光客が訪れます。そうなると皆さん食べ物も食べます。これは農林水産の輸出拠点にもなる。また、ゴミを出しますね。そうなると環境とか、我々の技術もタイに移転できるということもそうですし。いずれは高度人材の労働力の交流もやっていく。もう既に阿波銀行さんなどは、毎年タイの銀行と交流しておられるわけでございまして、そういったものももっと有機的に、これから活用していこうじゃないかということで、阿波銀行さんの長岡会長を団長に「経済ミッション」も組まれるということ。そしてタイの企業とのマッチングというか、お見合いというか、また小さい規模でありますがメッセ的なもの、見本市的なものを計画をしているということでございますので、まさしく徳島新時代、国際化する徳島という、そのスタートをまず東南アジアで始めさせていただきたいと思っております。続きまして「とくしま・丸ごと移住交流フェア」の開催でございます。これも徳島の関係人口増の大きなビジョン、ミッションの中で、移住を皆様方に促進していく中で、東京、大阪において、県単独の移住フェアを実施するということでございます。その第一弾として、11月9日、有楽町の東京交通会館におきまして「とくしま・丸ごと移住交流フェア」を開催するということでございます。皆さんもご承知のとおり、人材確保、人手不足が深刻な我が県の中小企業、団体、そういった皆様にも声掛けをして36団体が出展をされるということになっておりまして、多くの県出身の人たちが、いつも帰りたい県、いつでも帰れる県という形で、ふるってご参加いただければありがたいと思ってます。第2弾は来年1月19日にイノゲート大阪にて開催を予定しているところでございます。続きまして3番目でありますが、「徳島県ジュニア・ユース スポーツシンポジウム」といったイベントをさせていただくということでございます。これは先ほどの国スポの話でも若干出ましたが、改めて子どもを取り巻くスポーツ環境をもう1回検証して体力の低下、運動不足といった状況ではないのかどうか、まずは現状把握をさせていただく。また同時に、先ほど申し上げましたが、人口減少によるチームスポーツの課題、団体競技ではチームが組めなくなってくるといった問題に対しても、じゃあ地域スポーツをどうやって連携していくのかといったこととか、またメンタルやフィジカルの面でも、スポーツをやりながら燃え尽きた後の子どもたちをどうフォローするか、また怪我。うちも子どもが昔腰椎の怪我をしてスポーツを断念したことがあるんだけれども、そういったものも早期に発見する必要があるよねということで、子どもたちを怪我から守る。また指導者もそうですね。指導者もしっかりした人であることを信じたいですが、そこの点についても、年代が変わっていく時に必ず指導者には子どもの健康安全というものをしっかり認識していただくことが大事だということ。徳島大学の西良教授が世界的に有名な整形外科医さんです。某テレビ局の「プロフェッショナル」という番組にも取り上げられた方で、著名なスポーツ選手の手術を成功させた方、またアスレチックトレーナーの山口さんにも来ていただいて、スポーツをしながらの怪我、障害の予防のお話もいただくと同時に、スポーツデータバンクという会社の石塚さんという方にも講師になっていただいて、体力だとか、そういったスポーツをやる上でどういった筋肉が必要なのかとか、どういった運動が必要なのかというのもデータで分析している方でございますので、いわゆるスポーツを科学するという点においてのご講演をいただくと。またベースボールパートナーズ徳島、インディゴコンディショニングハウスの植栗さん。この方も評価が非常に高い方で、今のインディゴソックスの躍進を支えているのはそういったトレーナーさんだったり、スポーツ安全をこういった方が支えているということで、こういったいろんな専門家の方々をジュニアに落とし込んで、早期に子どもたちのスポーツ環境を日本一にしていくという取組をさせていただきたいと思います。続きまして4番目でありますが、四国4県対抗ウォーキングイベント「四国対抗戦」の実施でございます。これにつきましても本日10月18日から申込みを開始して今月末までの申込み期間となっております。4県対抗の戦いでございます。戦いと言っても楽しくウォーキングで競い合うということでございますが、各県の平均歩数により順位を決定するので、チーム徳島としても良い成績を期待したいと思います。また、平均歩数が5000歩以上の方の中から抽選で88名の方に賞品がご用意されているということでございます。健康に関する関心を持っていただけるような賞品。例えばセルフチェックができる新賞品とか。また「テクとく」とか賞品の「Vivoo」は、常に皆様方が自分の健康管理をいかにしていくかという意味で、非常にいいものでございますので、こういったものに改めて触れていただいて、健康に対する意識を高めていただければありがたいと思います。まずはぜひ「テクとく」アプリ。ここにも書いてます、「テクとく」ですね。テレビを見ている方は、携帯の写真にしてピュッとやると移りますので、まず「テクとく」というアプリをダウンロードしていただいて、四国対抗戦にご参加いただく。また、ご参加いただかない方も「テクとく」というものがどういうものであるかということを認識いただいて、それを活用いただくという機会になればいいなと思っております。私からは以上であります。
(幹事社・徳島新聞社)
ではすみません、幹事社から質問です。まず、タイ王国政府機関とのMOU締結についてなんですが、タイ投資委員会並びに工業省産業振興局とのMOU締結ということで、具体的な締結内容を、差し支えなければそれぞれ教えていただけませんでしょうか。
(知事)
まずは包括的な締結でありますので、これから細かいところは詰めていきますが、先ほど申し上げたように、それぞれ、投資を主管する政府機関、そして各産業振興を司る機関でございますので、まずは大きな形で包括的な提携をして詰めていくということであります。担当から、ほかの県の事例も含めて説明してあげてください。
(県担当者)
まずは当県の締結でございますけれども、工業省につきましては人材交流ですとか、あとは産業クラスター連携の発信またセミナー展示会などの経済分野での密接な関係を確立するための合意です。あとBOIについては投資ということで、幅広い産業分野における企業のグローバルビジネス展開をビジネスマッチングセミナーなどの投資促進活動を通じて支援すること、また関連情報について情報交換することに合意しました。
(知事)
今もう既に締結している自治体が和歌山県と横浜市でございます。あとそこは人も出しているんですよね。「ジャパンデスク」っていうのがございまして、どうぞ人材も来てくださいと、もっと深くやりましょうということで、タイ政府側としても、日本からの投資を積極的に考えていただいているということでございます。国レベルというよりは地方レベルでもやれる話だと私が判断したので、もちろん徳島県でやりますが、ぜひ私どもの窓口を通じて四国全体とか日本の企業もこのプラットフォームで一緒にやりませんか。例えば四国電力さんは広域的ですよね、四国全体ですよね。タイの電力は、電線がこんがらがってますよね。東南アジアの街とか見ると、こういうのもどう整備していくか。そういったことは、例えば徳島県ということではなくて、四国全体を広域的に網羅している四国電力さん、もしくは関係会社も一緒に行きましょうという話であります。一方で、皆さん工業だけと思いがちですけど、実はタイは東南アジアの中でも高齢化先進国です。少子高齢化がもう始まっています。そういう意味でも、皆さん信じられないかもしれないですけど、我々課題先進県である徳島の介護をはじめとしたさまざまなアドバイスもできるだろうし、また医療についても先進医療、また美容医療も含めて世界有数の医療技術をタイは持っていらっしゃる。こういったこともいろんな形で連携できたらいいなと思っております。
(幹事社・NHK)
NHK徳島です。よろしくお願いします。県立ホールの整備についてお伺いさせてください。徳島市議会の方で、県と市の基本協定を改定する場合は議決が必要という条例案が可決されて、遠藤市長が15日に再議を求める再議書を出されたと思います。昨日、遠藤市長が取材対応されて、今回の整備を止めてしまうと徳島市にとっても大きな損害になるという旨の話をされていて、その理由で再議を出されたという報道をおっしゃっていました。この一連の動きについて後藤田知事の受け止めをお伺いしたいです。
(知事)
徳島市政について私どもが何か介入、口を挟む立場にはないという前提で、改めて報道の皆様にも県民の皆様、市民の皆様にもご理解いただきたいのは、我々は法治国家であって、法律に基づいて仕事をしています。特に行政機関はそうです。私ども地方行政は、「地方自治法第2条」というものがございます。その法律には、都道府県の仕事は、「広域」「総合調整(正しくは連絡調整)」「補完」が基本原則だと書かれているんです。つまり住民サービスの最先端である市町村、我が県でいうと8市16町村でありますが、私はこの皆様が一番大変なお仕事をされていると思います。それを我々県は国との間に入り、国との「調整」、また市町村同士の「調整」をする。そして「広域」、例えば市町村をまたがる行政、例えば県警がそうです。また学校がそうです。そういう意味で「広域」という役割をしている。もう一つ大事なのが「補完」でございます。「補完」というのは市町村の支援ということです。財政力の厳しい市町村ではなかなか難しいものを私ども県がお手伝いをする、国をご紹介する、こういう役割でございます。ですから補完機能という意味で、私どもがこの度、前市長さんと前知事さんが締結された、いわゆる徳島市では作れませんから徳島県さん作ってくださいというこの協定を私が、今もう当時の知事さんも市長さんもおられないんで、その協定がどういうものなのかっていうのは、県民の皆さんも市民の皆さんもいろいろ思いはあると思います。ただ私は、そこをしっかり尊重させていただいて、市から依頼された、市議会さんももちろんそういう思いで前市長をお支えいただいていた方々のご要望を私は受け止めて、県立で作らせていただくという判断をさせていただきました。これは先ほど申し上げた地方自治法第2条の「補完」、いわゆる市町村支援という考え方に基づいてやらせていただきました。もう一つは、場所だとか費用だとか、そういった問題については、これ県立になりましたからね。そもそも市や市議会さんが県でやってくれって、県立でどうぞやってくださいって。県立ですから、これ以上私どもが誰かに何かを言われることは、ちょっとおかしな話で、逆にそれは県に対する内政干渉です。ですから、県としてしっかりとお作りさせていただく。そして地方自治法第2条にはもう一つ、「最少経費で最大の効果を得なければいけない」という法律も書かれております。本当はこれを、新聞、テレビの皆さんはもっと調査してちゃんと正確に報道しないと。両方の意見を垂れ流してどっちがいいとか悪いとかの判断を市民・県民ができないような状況は、それは報道の責任果たしていないと思いますよ。今言ったように法律に基づいてどうなのかっていうことで、改めて今日は県民の皆様に直接申し上げているんですね。だから法律どおりやらせていただいていますし、公約どおりやらせていただいています。民主主義において、先般も県議会で7割の賛成に基づいてやらせていただいていますので、これについては本当に丁寧かつ民主主義に基づいてやらせていただき、そして今言ったように法律に基づいてやらせていただいている。このことはぜひこの機会に申し上げさせていただきたいと思っています。私どもも市に対して何か介入するつもりは毛頭ございませんが、市から頼んでこられて、県でやってくれって言って、それで県がこれからやりますよって議会でもちゃんと認めてもらってやるものに対して我々が何か言われるというのはちょっと筋が違うんじゃないかなと思っています。遠藤市長はその点において市民目線で、そして今はおられませんが前市長さん、前知事さんのいろんな思いはあろうと思いますが、私と同様それを尊重してまずはホールを作る、そして前に進めるということに私と同じ意見であるということは非常に心強いし、まさにそれが市民目線であり、結果的には県民目線になっていると思う。さらに遠藤市長が市民のことを見ているなと思うのは、私との交渉の中で、「さまざまな県都の魅力度アップに向けてちゃんと支援してくれ」っていう交渉もされて、私としても「わかりました、それについてはしっかり対応します」と。今まで県市連携がなくて、県市がいつもゴタゴタして、何かあるとメディアが煽って分断させてっていう。「もうそういうのはやめましょうよ」っていうのが遠藤さんの考え方だと思う。いずれにしろ私も県民目線、遠藤市長も市長目線、そしてお互いに新時代に向けてワクワクする、いわゆる県市連携ワーキングチームでさまざまな課題に取り組んでいくという姿勢だと思っていますので、遠藤市長のご判断については非常に市民目線だなというふうに評価したいと思います。
(幹事社・NHK)
昨日の遠藤市長の話では、やっぱり市からお願いした事業なので、この前のトップ会談の時に市がノーと言ってしまうと県の方がどう思うかというところ、なくすという話ではないけれども、ちょっと心配したという話をされていて、そういう思いを持ちながら今回再議を出されて、今市政には干渉しないとおっしゃったんですけど、すみません、あえてお聞きするんですが、今度臨時会があって再議の採決がなされると思うんですけれども、3分の2以上の同意になると条例ができ、それ以下だったら廃案になるんですけども、どういう結果の見通しかをお伺いしたいと思うんですけど。
(知事)
それは私が何かコメントする立場にありません。ただ市民の皆さんは、自分がお選びになった議員さんたちがどういう行動をするかというのを、この際ちゃんと監視していただくことが大事だと思います。「県民とともに」とか、「大衆とともに」とか、こういうことをおっしゃられる人たちがたくさんおられますよ、いろんな政治家や政党。それが本当に徳島市民のための行動なのかどうかは市民の皆さんが、そしてまた報道も県民とともにと言うのであれば、県民の分断を煽るのではなくて、どちらが正しいことを言ってるのかっていうのを具体的なデータ根拠に基づいて報道するっていうのが本来の姿勢ではなかろうかと思っています。
(朝日新聞社)
朝日新聞です。この前首相が来られたんですけども、差し支えなければ、どのような情報というか、どのようなお話というか。
(知事)
ありがとうございます。もう首相でございますから、日本国の。空港でお出迎えして、お互い満面の笑みを浮かべ、再会を喜びました。総理ですから警護の問題もありますので、ご迷惑のかからない形でご挨拶をし、総理とは長年のお付き合いでございますので、折々にいろいろお互い意見を交わし合うということでございます。特に賃上げにつきましても、演説でも引用していただきましたが、私ども徳島県の賃上げをさらに定着させるというか、そしてそれが徳島モデルとして全国に波及するというか、こういったものについて、私としては今後地方創生交付金の倍増はしっかりお願いしたい。同時に補正予算では相当な額を考えておられるということなので、それは臨時交付金という形になるかはわかりませんが、ぜひお願いさせていただきました。あまり時間がなかったので、詳しい話はそれぐらいであります。防災省につきましても総理にも語っていただきました。いつも我々と議論していることをおっしゃっていただいたなと思ったのは、我藤田正晴、私の大叔父の名前も引用していただいたとおり、災害が起こった後の被害というのは人災ということですので、災害が起こったらいまだに体育館に雑魚寝、タコ部屋っていうのは後進国であるという演説もされておられました。こういったことは私が去年からずっと岸田内閣でも申し上げていることでありまして、いわゆる防災装備、そして各市町村の避難所の確認、それに対する支援、これはやっぱり国がやるべきだと。いわゆる国防は、防衛装備品というものが国の責任において5年で40兆と言われています。しかし有事は外交努力もあって戦後起きておりません。ただ災害有事は毎年頻繁に起きていますね。ですから防衛装備品と同様に防災装備品をしっかりと国の責任において各地域に配備する。そして事が起これば、それを集積させるという機能。これが大事だということは、僕が石破派にいた頃から防災省というものを派閥の大きなテーマとして掲げていましたので、意思が疎通しているなと思いました。
(幹事社・NHK)
ほかございますか。本日はこれで、ありがとうございました。
(知事)
ありがとうございました。