〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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(知事)
皆さんおはようございます。本日は、通常の定例会見の前に、9月補正の概要を説明させていただきたいと思います。まず、お示しのとおり、9月補正予算の編成方針でございますが、大きな点におきましては、「魅力度アップ」の点で、大阪関西万博の積極的な関わりや、また国際航路、航空路線、直行便、定期化を見据えたさまざまな戦略、そして同時に安心対策として、防災、減災のさらなる推進ということ。魅力度と安心度の双方に共通する課題としての、人材確保や賃上げの促進、また生産性向上や物流の効率化など、経済成長への投資。こういう大きく言えば3つのビジョン、そしてミッションに基づいた補正予算となっております。補正の具体的な金額、総額は「145億円」ということでございますが、実質は、前年度の決算剰余金の財政調整基金への積立分の「76億円」が含まれておりますので、そこから差し引きますと、実質の補正予算額は「69億円」という数字の方がわかりやすいというか、現状を示していると思っております。これは地方財政法の規定に基づくやり方ですから、それはそれとして、こういう説明になるということでございます。それで、補正予算の主な事業をご説明申し上げます。まずは「魅力度アップ」の中で、医師の勤務環境の改善。これは「安心度アップ」にもつながっていきます。これにつきましては、長時間労働のお医者さんが所属する医療機関に対しまして、昨年度と比較して、追加で医師派遣を行った医療機関を対象に、派遣に要した経費の支援をさせていただきたい。もう一つは、医療機関が策定する、労働時間短縮計画に基づく医師の勤務環境改善への取組に支援させていただきます。これにより、お医者さんの勤務環境の改善を促進させていただきまして、徳島の医療を守る持続可能な地域医療提供体制の維持を図っていくということでございます。魅力度というよりは、安心度という分野に入ろうかと思いますが、両方重ねて効果のあるものだと思っております。続きまして、外国人材のさらなる活用ということでございます。これは入管法の改正に伴います「育成就労制度」の施行を見据えまして、外国人材の受入れ環境を整備するものでございます。まずは県内企業における雇用の状況、また外国人労働の受入れに関わる課題、そしてまた優良事例などを把握する「実態調査」を実施させていただきます。加えまして、外国人材の採用手続き、また在留資格等に関する「相談窓口」も設置させていただきます。また農林水産業におけるスキルアップに必要な新たな知識、または技能の習得、能力に見合う役職への登用や安心して就労できる環境づくりなど「外国人育成・定着モデル」の構築をしっかり準備することによって、外国人材がこれまで以上に活躍できる環境整備を進めてまいりたいと思っております。続きまして、地域公共交通の担い手の確保ということでございます。これにつきましては、人材不足が顕著であります路線バス運転手の不足に対応するということで、大型自動車免許保有率の高い退職予定の自衛官の方々、また消防士の方々など幅広い人材の採用に向けまして、就職説明会、また運転体験会の開催を支援してまいりたいと思います。また、「大型二種免許取得」に要する経費の支援もやらせていただくことにより、路線バスの運行体制を維持することによって、県民の皆様方の移動手段の確保、そしてまた維持を図ってまいりたいと思っております。続きまして、持続的かつ適切な賃上げということでございまして、今、物価が上昇する中、地域経済の健全な成長につなげるために、県内企業のさらなる生産性向上のため、「DX推進につながる設備投資」を支援してまいりたいと思います。続きまして、物流の2024年問題の解消につきましてでございます。これにつきましては、輸送や荷役作業の効率化に資する機器の導入、またシステムの導入、また荷待ち時間の短縮に資する施設等の整備など、「物流の効率化」に資する設備投資に対して支援をしてまいりたいと思います。また、職場の環境整備や就職説明会、資格取得支援など、若者、また女性、外国人など、多様な人材確保に対しての支援も重ねて行ってまいりたいと思います。続きまして、大規模イベントを捉えた認知度向上の取組というものに対する支援でございます。本県の認知度向上、また関係人口増加を図るため、来年の大阪・関西万博、そしてまたISTS、そしてまた食育推進全国大会、これが来年立て続けに開催されるわけでございますので、そこで我々はその機会を逃さぬようにSNS、またテレビCM、また都心における電車の吊り広告など集中的なプロモーションを実施してまいりたいと思っております。具体的には「徳島パビリオン」、いわゆる万博のパビリオンの来場者を対象に、本県へアクセスするための「交通料金割引」も考えておりまして、大規模イベント開催を最大限に活用して、本県の認知度向上を積極的に図ってまいりたいと思います。そして新たなにぎわいの創出ということでございますけれども、県内全域で新たなにぎわいを創出するために、1万人程度かつ県外からも多くの誘客が見込める民間団体等が開催する大規模イベントに対しまして、参加者や経済効果、またふるさと納税の活用等、さまざまな加算要件を満たすことにより、「最大3,000万円の補助制度」を創設させていただきまして、県内外からの観光誘客促進、また地域経済の活性化を図ってまいりたいと思います。ぜひ県内外からのさまざまなイベントのご提案をお待ちしております。続きまして、国際航空路線の安定的な就航につきましてであります。まずは県内メディアに対する就航先への「ファムツアー」、また地域や属性などターゲットを絞った「SNS広告」に力を入れていきたいと思います。また、県民が集う施設や機会を捉えた「イベント」の実施、また「就航PRチラシ」の頒布など、県民向けのプロモーション、また国際定期便を利用した「モニターツアー催行への支援」によって、県民の国際定期便利用の喚起、促進をしてまいりたいと思います。続きまして、新たな地域商社の立ち上げでございます。県産品の魅力度向上、また、新たな販路開拓などを推進して、県内事業者の持続的な発展を図るという基本理念の下、民間のノウハウを最大限に活用して、官民一体のワンストップ組織となる「新たな地域商社」を年内に設立させていただきます。もう既に、実行段階においては官民の協力の下、さまざまなトップセールスを既にさせていただいておりますが、ようやくこの形が整うということでございます。その中で県産品のブランド化、また、新たな販路拡大等を図るため、専門的知見を持つスタッフも積極的に配置、登用してまいりたいと思います。また国内外における「プロモーションイベント」の開催。これも単発、そしてまた、いわゆる公務員がやるものではなくて、持続可能な戦略的なプロモーションということで、大きく変化していくための支援をしてまいりたいと思います。続きまして「安心度アップ」でございます。自然災害に屈しないインフラの整備ということで、引き続き、「強靭な道路ネットワーク」の構築、また激甚化、頻発化する水の災害を踏まえた「流域治水の推進」、そして社会生活や地域産業を支える「インフラのメンテナンスの加速」、こういったものにつきましては、さらなる防災、減災対策として、引き続き予算化して対応してまいりたいと思います。次に、生活保護受給者の自立の支援をさせていただきたいと思います。日常生活や金銭管理の教育支援、そしてまた関係機関と連携した、一人一人に寄り添った相談の支援、さらには新生活の立ち上げ支援や安定した職に就いた際の支援など、総合的かつきめ細かいフォローアップの支援を実施させていただきたいと思います。次に、「透明度アップ」につきましてでありますけれども、持続可能な財政運営への備えとして、令和5年度の決算剰余金が「約150億1千万円」で確定しました。これは地方財政法の規定に基づいて、決算剰余金の2分の1以上の額を積み立てるものでございまして、そのご報告も併せてさせていただきたいと思います。その他、各事業の詳細につきましては、事前に財政課、また担当課から説明させていただいたところもあり、詳細につきましては担当課から回答させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。私からは以上です。
(幹事社・時事通信社)
ありがとうございました。では、質問させていただきます。9月議会がこれから開かれると思いますが、今回の事業などを受けて、どのように県議の方に説明していきたいか、どのような議論を期待されているのか、それについて教えていただけますか。
(知事)
まずは補正予算でございます。ですので、緊急性、そしてまたタイミングですよね。これが非常に大事だと思っておりまして、先ほども申し上げましたが、この機を逃さない。例えば、国際航路の直行便のプロモーションについては、相手もいることでございますので、タイミングにつきましては、逃さないようにやらせていただきたいということでございます。また、人材確保、賃上げ、そしてまた物価上昇に対するさまざまな厳しい課題も各事業者さん抱えられていると思いますが、それにつきましても補正というものの特徴を活かしながら、迅速に対応できるものは対応させていただきたいと思っております。また、さらには防災・減災の支援、これはハード、ソフトでございますけれども、これはもう絶え間ぬ対策をずっと取っていかなきゃいけないものでございます。これだけやったら終わりということではございませんので、加えて。本来、充実した十分な予算が国、地方にあればいいんすが、ご承知のとおり、各市町村も老朽化した施設、また学校においてもしかりであります。そういったものの対策というのは、本当に息の長い、先の長いものだと思っておりますので、いわゆる当初予算に含まれないものについても補正予算で、緊急的、また必要性の高いものについては、対応させていただくといった予算になっております。
(幹事社・時事通信社)
ありがとうございます。もし答えられたらなんですけれども、補正予算として緊急性の高いものに対応されていくということなんですけれども、今回の議会で、追加で何かそういった提案を新たにされることというのは想定されているのか。
(知事)
これは皆さん、おそらく最低賃金の対策をお聞きになりたいのかなと思っておりますが、それについては、今回我が県としては、全国で労働者に対して、また賃金に対して、非常に労働者目線で頑張っている徳島県というものが全国に発信されたと思います。そしてそれによって、より労働者がやる気になって、そしてまた生産性が上がって、そして会社が利益を得られて、そしてまた給料が上がるという好循環が定着することを目指したいと思っています。ただ、その中でも本当に大変なところ、まだまだ課題があるところ、そしてまた、価格転嫁が非常に難しい会社、または業界、ここについては、まずはいろいろ情報を収集させていただきたいと思います。何もない中で予算というのは組めませんから、まずは声をしっかり拾い上げていって、それに対する対策はしっかりやりたいと、この場で申し上げたいと思います。さらには事業者さんだけじゃなくて、賃上げに伴う労働時間によって、一方で年収の壁を超えるとか、就労抑制につながる場合がございます。そしてまた、実質の収入減につながる。こういったこともしっかり調査させていただきたいし、それに対する対策も国と連携してやらせていただきたいと思います。タイミングよくこの10月から、皆さんご承知のとおり、パート労働の方々の社会保険加入に対する国の支援策が、この10月からスタートするわけであります。それについても国、いわゆる労働局と連携して、賃上げをしっかりしていく中でも、労働者のさまざまな収入の変化に対して実質減にならないように、きめ細かく対応させていただきたいと思います。重ねて事業者の方々も、急激な変化に対してお困りの方々を、しっかり声を聞いて、しっかり寄り添って、対策を検討してまいりたいと思っております。この議会中に新たな追加の提案ということも、県議会の皆さんの議論を踏まえて、可能性はあると考えています。
(幹事社・時事通信社)
ありがとうございました。では、各社に自由にお願いいたします。
(朝日新聞社)
国際航路、香港と韓国。これは順調ですか。
(知事)
はい、順調ですよ。順調ですし、先ほども申し上げましたが、これは民間企業との交渉でございますから、いろんな形で、水面下で、また大手で、いろいろ交渉を進めさせていただいているところでございます。先般も香港につきましては、徳島を香港の方々にPRするために、エリック・チャンさんという、香港で非常に有名な、ジャッキー・チェンさんやサモハン・キンポーさん、また映画にも出られ、また監督もやられ、香港では非常に有名なテレビ番組の司会者、この方がお越しになりまして、その人がナビゲーターになって徳島を宣伝する番組を撮りに来られました。また、香港の新聞でも秋にはという話で、早速報道されているということでございますので、粛々と進めてまいりたいと思います。また韓国におきましても、これも香港同様、航空会社の投資というのは、何億もの投資でございます。ですから、これは会社としては当然慎重に考えるし、そしてまた、決定した限りは、我々もいろんな様々な支援して、お互い一緒に作り上げていくものだと思っておりますので、そこは担当部局が今丁寧にやっております。また飛行機を調達して、それを整備して、そしてそれを訓練して飛ばすというプロセスのみならず、我々受け手としましても、グランドハンドリングだとか、またCIQの体制の整備も、実は目に見えないところであるわけでございますので、そういった準備も今、粛々とやらせていただいているところであります。
(幹事社・時事通信社)
若干ずれてしまうんですけれども、今回の予算編成だと、空港とかも国際線就航に向けた準備というところで、ソフト事業がかなり目立つところではあるんですけれども、今後の予算編成においては、例えば国と協力して空港の拡大というか、そういったハード面の予算のさき方という部分は考えられているのかなと。
(知事)
空港自体が、今自衛隊との共用空港でありますから、そこのいろんな制限はございますが、ただ、国際航路、新しい路線の余裕はあるということは、自衛隊の皆様ともしっかり話をさせていただいているところです。加えて、そういったことで、さらに大きく需要が伸びて、空港拡張というよりは、先ほど申し上げたようなCIQだとか、グランドハンドリングをやるスペースですよね。そういったものが大きく広がっていくというのは、嬉しい悲鳴でありますし、そういったことは目指していきたい。
(幹事社・時事通信社)
ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。ではこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
(知事)
ありがとうございました。