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令和5年3月10日 定例記者会見 フルテキスト版

「徳島SDGsパートナー制度」の創設について(説明)

(知事)
 おはようございます。久しぶりの定例会見となります。どうぞよろしくお願いいたします。まず私の方から2点、発表させていただきたいと思います。
 まず第1点目は「徳島SDGsパートナー制度」の創設についてであります。もう言うまでもなく、SDGsは持続可能な開発目標、2015年に国連サミットで採択され、2030年、世界共通の目標として17のゴールズ、そして169のターゲットから構成されると。「誰1人取り残されない社会の実現」、これを理念としているところでありまして、地球温暖化などなど、さまざまな点で本当に重要性が日増しに高まっているところであります。特に、ビジネスの世界におきましては、SDGsが経営リスク回避、あるいは新たなビジネスチャンス、それを獲得できるんだということで、企業の皆さん方にとりましての持続可能な、そうした点を追求するツールとして大変注目されています。このバッジですね、つけている人が、本当に企業の人に増えてきたと思います。本県では昨年の9月7日、産学官・金労言からなる県内51の機関を発起団体といたしまして「徳島SDGsプラットフォーム」、こちらを立ち上げ、オール徳島でのSDGs推進に取組んでいるところでありまして、この度、次なる展開として、SDGsに積極的に取組む企業などの見える化、こちらを図る「徳島SDGsパートナー制度」を設けることといたしました。ということでこちらということになります。
 
(パネル「徳島SDGsパートナー制度」掲示)
 
 「SDGsパートナー制度」ということで、二次元コード、制度の紹介サイトもご用意をさせていただいております。少しこの制度の中身をご説明させていただきます。この制度では、県内に事業所を有する企業の皆様方から、経済、社会、また環境、三つの側面における重点的取組みや、その目標を記載いたしましたSDGsアクション、自らの活動と17のゴールズとの対応のセルフチェックを行うチェックリストなどの申請書類、こちらをご提出いただきまして、「徳島SDGsパートナー」として登録を行うものであります。プラットフォーム発起団体、51団体ですね。その皆様方のご意見をもとに、身近な取組み、また徳島ならではの項目を盛り込むなど、企業の皆様方が取組みやすい、その制度といたしたところであります。登録された企業などの皆さん方のメリットにつきましては、まずは県SDGsホームページでの公表によりまして、対外的にPRを県がさせていただきます。また、渦潮をモチーフとした県オリジナルのロゴ、こちらを使用いただけることといたしております。また、賞味期限の切迫、型落ちといった商品などを安価に提供する会員限定のECサイト、クローズドマート、こちらに登録された企業の皆様方が利用できる仕組みを作ることで、福利厚生サービスの充実とともに食品ロスなどの削減、SDGsの推進につなげて参ります。さらにプラットフォーム会員と連携したセミナーの開催、講師派遣などを行うことで、企業の価値やSDGsの取組みを、さらなる高みへと支援させていただきます。募集、登録につきましては年3回程度を予定しており、初回の登録申請については4月1日から5月31日までの間、受付をいたします。また、7月頃に登録証の交付を予定しておりますので、是非多くの皆様方からの登録申請をお待ちいたしております。なお、これに先立ち、制度説明のセミナーを3月24日金曜日に開催いたしますので、こちらにつきましてもご参加いただければ幸いです。「徳島SDGsパートナー制度」を通じまして、企業の皆様方とともに手を携え、徳島版SDGs実装に向け、積極的に取組んで参ります。

災害時における「住宅の応急修理」に係る事業者団体の協力について(説明)

 次に2番目、災害時における住宅の応急修理に係る事業者団体の協力についてであります。住宅の応急修理とは何ぞやということなんですが、こちらは法の規定によります。災害救助法、こちらに基づきまして、自宅が半壊、あるいは準半壊の被害を受けた世帯を対象といたしまして、市町村が窓口となり、屋根や台所、そしてお手洗いなど日常生活で必要不可欠となる最小限度の部分、こちらの応急的な修理を公費で行う制度であります。比較的、被害が少ない住宅を適切に修理することによりまして、特にご高齢の皆様方、また、小さなお子さんのいるご家庭などが環境を大きく変えることなく、住み慣れた自宅での生活を続けることができます。一方で、災害時に地域の事業者の皆様方に業務が集中してしまうなどの問題から、近年では平成30年、愛媛県などで発生した「7月豪雨」、徳島県も全面的に応援させていただきましたが、これらにおきまして完了の遅れが顕在化しておりまして、本県におきましても、比較的大規模な災害発生時に地域の事業者の皆様方に業務が集中しないよう、市町村の区域を越えた広域的な支援体制を整える必要が、まさにあります。そこで、県内事業者団体の皆様方にもご協力をいただきながら、修理の担い手となる事業者の皆様方を全県的にとりまとめさせていただき、被災された皆様方と事業者の皆さんとの円滑なマッチングに資するよう、広く情報提供を行う仕組みを整えるため、事業者団体の募集をいたして参りました。そして、その結果、7団体から協力をいただける運びとなりましたので、発表をさせていただきます。
 
(パネル「住宅の応急修理に係る事業者団体の協力について」掲示)
 
 こちらが、この住宅の応急修理に係る事業者団体の協力についてということですね。今、ご説明を申し上げた応急修理制度。また、今から発表する協力事業者団体、7団体ですね。そして、徳島県内の実施フロー、ここに書かせていただきました。では、少し詳細に申し上げて参ります。まず、ご協力いただく7団体、50音順で発表させていただきます。全徳島建設労働組合フレッセ、徳島県瓦工事・販売組合、一般社団法人徳島県木の家地域協議会、一般社団法人徳島県建設業協会、徳島県建設労働組合、一般社団法人徳島県設備業協会、そして、協同組合徳島県木造住宅協会の7団体の皆様方であります。これら団体の皆様方には、平時から修理の担い手となる事業者を掲載いたしましたリストを作成いただきます。そして、当該事業者への制度をしっかりと周知していただきます。こうした点に協力をいただくだけではなくて、災害発生時には、各団体の事業者の皆様方の被災状況を踏まえまして、事業者の皆様方の稼働状況の確認をお願いすることにしております。こうした取組みによりまして、いざ発災になった場合に速やかに実働が可能になっていく。つまり、実働してもらえると思ったら、その事業者の皆さん方が被災して稼働が無理なんていうことを、もう事前にそうしたことが起こり得るということを考えて平時から対応するということですね。今後は速やかに事業者リストを取りまとめさせていただきまして、市町村に提供させていただくことといたしており、修理の受付窓口、また、ホームページなどにおいて被災された皆様方に情報提供をさせていただくことで、事業者の皆様方との円滑なマッチングに役立てていただきます。今後とも、被災された県民の皆様方が1日も早く、安全、安心なお住まいを確保していただけるよう、事業者団体の皆様方、また市町村とも緊密に連携しながら、まさに平時から考える事前復興の取組みを着実に進めて参ります。
 それでは、以下3点、ご報告を申し上げたいと思います。
 まず第1点目、今後の感染症対策における、徳島県医師会をはじめとした医療関係団体との連携についてであります。本日3月10日、新型コロナウイルス感染症5類移行に向けまして、これまで講じて参りました各種の政策、措置、その見直しについて国から具体的な方針が示される予定となっておりますが、一昨日の3月8日、県医師会の方から、新型コロナウイルス感染症、5類感染症への変更に係る要望、こちらをいただいたところであります。県の医師会の皆さん方からは2月8日、全国知事会と日本医師会との共同声明、その内容の実現。新たな研修会の開催など、医療機関の理解、協力が得られるための取組みの推進。防護服や検査キットの配布など、感染防御に必要となる支援、その継続。クラスターが発生した医療機関や施設に対する相談支援の継続。この大きく4点のご要望をいただいたところであります。また、意見交換をする中で「5類になったとしても新型コロナの感染力の強さは変わらない」。「季節性のインフルエンザのように、例えばタミフル、リレンザなどの特効薬がない。そのため、医療現場での警戒は何ら変わらないんだ」との厳しい医療現場のお声をお聞かせいただいたところであり、要望とともに大変重要なことであると、このように認識いたしたところであります。そこで、今回ご要望をいただきました新たな研修会につきましては、3月23日木曜日、県と県医師会との共催により早速開催する運びといたしました。これまでコロナ陽性者の診察、また入院治療などに携わってこられました医療、介護関係者の皆様方をパネリストとしてお招きいたしまして、コロナ陽性者の受入拡大に向けた情報共有の場として、後日でも視聴が可能となるようにオンデマンド配信とするなど、医療関係機関と連携した新たな研修の場を今後も設けていきたいと考えております。県といたしましても、県医師会からのご要望を踏まえ、円滑な5類移行に向け、全力を尽くして参ります。また、今年度の年末年始、県医師会、県看護協会、そして県薬剤師会のご協力のもと、検査から診断、処方、調剤、投薬までを一気通貫して対応することのできるドライブスルー方式、臨時「発熱外来センター」、こちらのノウハウをしっかりと継承し、今後、想定される新興・再興感染症の発生時において、円滑な医療提供活動が実施することができるよう、昨日の3月9日、県医師会、県看護協会、そして県薬剤師会の関係3団体と「新興・再興感染症に係る医療提供に関する協定」を締結させていただきました。こうした四位一体での取組み、広報関係者からもお話が出ておりましたが、全国でも珍しいことであります。今後とも県民の皆様方の命と健康をしっかりと守り抜けるよう、県内医療関係団体と県がしっかりとスクラムを組み、新興・再興感染症にしっかりと備えて参ります。
 次に2番目、高齢者施設など、児童等利用施設、学校などにおける戦略的な検査についてであります。週明けの3月13日月曜日、大きくコロナの体制の転換が図られます。何か。屋外、屋内を問わず、マスクの着用は個人の判断が基本となりまして、コロナ感染対策はまさに大きな転換点を迎えます。しかしながら、本県の新規陽性者数は減少傾向で推移しているものの、感染力は「オミクロン株・BA.5」の1.47倍とも言われ、昨日、本県でも初めて確認されました新たな「オミクロン株・XBB.1.5」、通称は「クラーケン」と呼んでおりますが、この「クラーケン」による陽性者の増加が引き続き、大変懸念されているところであります。加えて入学や進学、そしてご就職、人事異動のシーズンとなり、県内外ともに人流が大きく増加することが見込まれます。そこで、この大きな転換点に、人流増加に際し、引き続き、感染拡大防止対策にしっかりと取組んでいくため、1月末で一旦終了していた週3回の戦略的な検査、こちらを3月13日月曜日から再開させていただき、4月9日日曜日までの4週間、実施することといたしました。重症化リスクの高い皆様方が利用される高齢者施設などの職員の皆様方には、是非、積極的にご参加をいただき、持ち込ませない、そして広げない取組みに是非ご協力をお願いいたしたいと存じます。ということでこちら。
 
(パネル「高齢者施設等、児童等利用施設、学校等における戦略的な検査」掲示)
 
 年度替わりにおける人流増加などによる感染拡大を防ぐための対策。3月13日から再開させていただきます。
 そして3番目、「みんなで!徳島旅行割」対象期間の延長についてであります。この度、観光庁の方から、全国旅行支援、その対象期間延長が示されましたことから、「みんなで!徳島旅行割」について、現在、対象期間が3月31日金曜日、もっと詳細に言いますと、4月1日チェックアウト分までを、これを6月30日金曜日、7月1日チェックアウト分までに延長することといたします。ただし繁忙期に当たる、いわゆるゴールデンウイーク期間ですね。4月29日土曜日祝日から5月7日日曜日までは対象外とし、そして、従来と同じ、予算がなくなり次第終了となります。また、延長する4月以降の旅行、割引適用につきましては、3月18日土曜日からの新規予約とさせていただきます。なお、「みんなで!徳島旅行割」の割引率につきましては変更がありません。引き続き、県民の皆様方をはじめ、全国の皆様方から、感染防止の徹底を図っていただきながら、4月以降「みんなで!徳島旅行割」を是非ご利用いただき、徳島への楽しい旅行を楽しんでいただければと思います。
 私の方からは以上、5点です。どうぞよろしくお願いをいたします。

発表事項について(質疑)

(幹事社・共同通信社)
 各社さん、発表内容に関してお願いします。

(毎日新聞社)
 毎日新聞です。「SDGsパートナー制度」についてですが、これは積極的に何か取組んでいらっしゃる企業さんなどを登録してPRというんでしょうか。県が後押しするというふうに理解しましたが、積極的に取組んでいるという部分は、何か県の方で認証とか、そういったプロセスが要るのでしょうか。

(知事)
 先ほど、これをご覧いただいたように、登録要件ということで、それぞれ積極的に対応する。例えば自らの活動、それからSDGsの17のゴールズ、県は施策で既にそれを全部、これは何番目に当たると出しているように、こうしたことを自ら関連づけると。それから社会、経済、環境、3分野、重点的な取組みに対して目標がしっかりと設定されていると、こうしたことを届けていただければそれでいいということになります。

(毎日新聞社)
 そうしたら、何か、ちょっといじわるな言い方をすると、企業さんがもう名乗り出たら、もうそこで認められるということなんでしょうか。

(知事)
 ええ。

(毎日新聞社)
 そうすると、何か一般の県民の方にしたら、本当に積極的なのかどうかわからないけど、県がそういう、登録してやっているということで誤認を与える可能性はないでしょうか。

(知事)
 もちろん、そうしたことは当然、起こり得るわけですから。ただ、企業の皆さん方というのは、当然のことながらいろんなところで評価にさらされる。県も同じことですよね。県が、じゃあ、そうやって出しているからといって国が認証するということではないわけでありますので、まずはしっかりと、そうしたものの登録をどんどんしていくと。つまり登録制度ということですよね。いろんな行政の点の、登録制度というのと認証制度とこうあって、認証の場合は今、おっしゃるような点、そうしたところをチェックして県がお墨つきを与えると。登録というのは、もうある程度、非常に熟したものに対して、あとは積極的にそれに対応しているんだ、見える化を図るということは、先ほど申し上げたように、その見える化をすることによって、その企業自体、多くの皆さん方から逆に評価にさらされてくる。言って出しているのにも関わらずおかしいじゃないか、こうした点もあるということになりますので、是非こうした点。というのは、企業も、我々行政もそうなんですが、これは国が、要はやろうということで、国連加盟193か国が決めていることですから、当然、そうした形で頑張っていただくということになるかと思います。

(NHK)
 5類移行に伴い3月23日に研修会を開くということで、これまで受け入れたことのない医療機関向けに対する情報共有ということなんですけれども、要望があったと、なので、こういった研修会を開くということですけど、もし、ご存知であれば、実際どういった、困惑の声というか、どういった懸念点が今のところ現場から上がってきているかというのはご存知ですか。

(知事)
 これはもう当然のことながら、あの時に齋藤医師会長さんが言われた、あるいは山上副会長さんが言われたように、例えば季節性のインフルエンザと比べていただいたら、もう一目瞭然なんですね。つまり、季節性のインフルエンザはどこでも受けつけてくれている。例えば、動線をどうとかいうことを考えることなくどんどん受け入れるというのは、特効薬プラス予防薬があるんですね。ですから、季節性インフルエンザが流行ったということになった場合にタミフル、これを事前に服用を、ドクターも看護師さんも、実はされるんですね。これで、要はうつらない。つまりどこでも大丈夫。ところが今回はそれがないんです。いやいや、塩野義のゾコーバがあるじゃないか。これは確かに、いわゆる軽症の人に投薬できるんですけど、療養期間が7日から6日、1日減るだけと。ましてやかからないという予防薬にはならないんですね。となってくると、今の現場は、ちょっと待ってよということになる。しかし、2類相当から5類になってしまうと、感染症法上はどこでも、これは受け入れると、保険適用ということになるので、お医者さんとしては拒めなくなってくるんですね。ぱっと来た人、「いやいや」、今までは「うちは対象じゃないから」と言えたんですけど、もう「かかりつけ医」さんにどんどんどんどん来られる。「どうもコロナっぽいんですよ」、「そうですか」と、こう。そうなった時にやはりどういった体制が必要なのか。そこで「今までと変わらない、その意識なんですよ、医療現場は」と言われたのはそこなんですね。つまり5類になったからといって、コロナの感染力が弱くなったわけでは全然ないし、逆に「クラーケン」、今までの「BA.5」の1.47倍の感染力、今まで以上に強いということですから、それは医療現場の皆さん方にとってみると「それは恐ろしいな」と。つまりご自分、ドクターがかかっちゃって、そうしたら休診しなきゃならなくなっちゃいますのでね。だから、そうした体験で、今まで実際にコロナ、最前線で立ち向かってきていただいた皆さん方にパネラーになっていただく。当然、そこにはご質問ということも、「じゃあ、こんな場合はどうしたらいいんだろうか」。今までですときっちりと動線を分けていたり、あるいは完全な防護服を着たりとか、あるいはフェイスシールドをするとか、歯医者さん、あるいはそれぞれの病院がきっちり対応した。だから、そういったことをどこまでやって、で、どうだったらかかっちゃったとか、どうだったら大丈夫だったとかを、実践を通したパネルディスカッションでお聞きいただいて、そして、それを我が物にしていただくと。ただ当然、病院、あるいは医院をやられていますから、そこに行けないという方も当然おられますから、今回は徳島が得意とするオンデマンド、国際会議もずっと、このコロナ禍、消費者のをやってきましたよね。ということで、オンデマンド形式にすることによって、例えばその時間帯に診察をしています、行けない、オンラインも無理という方々が、もう診察を終えて、ちょっと時間の空いたところで見ることができる。あるいはそれを繰り返し見ることができる。場合によってはその病院、医院の中で再教育をすることもできるという形を、今回取らせていただいて。もちろん、これもドクターたちが言われたように、タミフルに当たる完璧な予防薬、これができればここまですることは本当はない。実はそこが1点。今までこの場でも、私が何度も申し上げたように。何とか本当にこのタミフルに当たるものが、このコロナに作ることが本当に何でできないんだろうって、そこなんですよね。以上です。

発表事項以外について(質疑)

(幹事社・共同通信社)
 発表以外の事項に移らせていただきます。幹事社の共同通信から最初に伺います。2月議会が先日、閉会して、いよいよ知事選という状態だと思うんですけれども、今、現在の情勢をどのように見ていらっしゃるか。また、選挙戦でどのように戦っていくか、思いがあれば聞かせてください。

(知事)
 私個人ということですね。

(幹事社・共同通信社)
 はい。

(知事)
 今回、2月の定例県議会が3月7日、閉幕となったところでありまして、そうした意味では、もちろん公務、5月8日に向けて今後のコロナ対策、大きくフェーズを変えてくる、そうした対応。あるいは、明日の食がなかなか厳しい、「子ども食堂」に多くの皆さん方が殺到する。でも不景気がゆえに「子ども食堂」に食材が集まらない。こうしたものに対してどう手配していくのか。こうした点についても、これは現職としてさまざまな点に対応しなければいけない。また、多くの県民の皆さん方が、コロナが3年続く、いや、超えた。もうとにかく夢、希望の実現を何とかしてもらいたい。ある皆さん方はずっと、いい演目を見ることができない。そうした意味では2,000(席)を超える大ホールを持った、そうしたものが是非欲しい。何と言っても平成5年、当時小池市長さんから始まり、4代の市長さん、なかなか文化センターの新たなものが建てられない。また、2,000(席)ということが大きな、実はハードルとなっていた。こうしたものもいよいよ実現を。いや、それだけじゃない、小ホールも要る、スタジオも要るという、平成5年からの多くの皆さん方の意見集約が今、県立としての芸術文化ホール、これを作り上げていこうと。こうしたものをやはり進めていかなければならない。多くの皆さん方が「もう待ったなしなんだ」、「早くやってくれ」、こうした点があったり。あるいは、今度はスポーツ環境。本来でしたら平成5年、こちらも平成5年なんですね、くしくも。東四国国体、香川、徳島両県開催と。香川は多くの県立施設をこの時に改築、あるいは新設した。徳島では県立は手つかず。そして、市が入田の球技場、こちらを造られた。そうしたことで、さまざまな点で老朽化が、例えば蔵本の50メーターのプール、公認プールなんですが片側タッチだけだった。四国大会もできない、これでは困る。あるいは、今、非常に暑い。暑さ対策も要るということで、これを高速のプールにすることによって、高校生、中学生はどんどん新記録を出す。そして今、大屋根が既に、野球場の隣に入れてきているので「あれ、何だろう」という方も多いんですけどね。観客席も同時にカバーできるもの、雨の日でも十分対応可能、どんなに暑くても対応ができると。こうした形も今、進める。あるいは野球にしても同様。「オロナミンC球場」、こちらは昭和50年、日ハム、阪急戦以来、プロの1軍の試合を見たことがない。多くの皆さん方が、例えば巨人、阪神戦であるとか、広島、阪神戦であるとか、広島、巨人戦とか、「そうしたいろんなものを見たいんだ」、こうした声にもしっかりとお答えをしていく。こうした施設がちょうど、万博の翌年に今、完成する予定になっている。いや、それだけでも足りないよ。Bリーグはいよいよ今年の10月にできる。であれば、そうしたものに対応できる。いやいや、もっとあるんだ。柔道、弓道、剣道、三道会、新たな、今様の武道館のあり方、これらを合わす、新しい大道場つきの武道館。こうしたさまざまな文化、芸術、スポーツ、これまで平成5年から、多くの皆さん方の思い、これを今、集約し、進めようと。こうしたものの良さ、こうしたものもご議決をいただいたところであります。ということで、私もこの予算を発表する、コロナ、あるいは季節性インフルエンザの同時流行、これを抑え込んでいく。今では全国でも少ないレベル1の県となっているところでありますが、そうしたことも以て、2月4日、出馬表明をさせていただきました。しかし、今の情勢をどう考えるかというご質問でありますので、当然、ほかの候補の皆さん方というのは、お1人を除いて全て昨年から出馬表明、あるいはそうしたご意向を示し、行動を取られているわけですよね。そうした意味では、もうそうした皆さん方の地が固まってきている。そうした固まったところに出馬表明をして、私をよろしくと。これはなかなか、簡単にできるものではない。やはり多くの支援者の皆さん方、団体の皆さん方、こうした皆さん方とともに、有権者の皆さん方に一つ一つ丁寧に、そしてご理解をいただく。そうしなければ、なかなかこの状況を変えることは難しいこととなります。そうした意味では大変厳しい、短期決戦。告示が3月23日であります。もう今月ということですよね。そして投開票が4月9日ということですから、そうした意味では、あらゆる形を取って有権者の皆さん方に訴えかけていく。例えば今、40代以下の人たちというのは新聞を読まない。あるいはテレビのニュースを見ない。こうしたことが多いんですね。もうほとんどスマホ、これでもって情報を得ると。先般、実は新崎人生さんのプロレス活動30周年記念。みちのくプロレスを率いてきてくれた時には、私、大抵リング挨拶を、応援のためにもさせていただく。新崎人生さんは徳島出身でもありますので。また、みちのくプロレスは多くの徳島出身者の皆さん方が、GAINAにしても、拳王にしても、アレクサンダー大塚にしてもおられるわけでありますし、これら、皆、タッグマッチされたんですけどね。そうして、リング挨拶の前に、実はちょっと座っていたんですね、最前列に。ぱーっと若い人が来られて「飯泉さん、知事選挙出るんですか」。私としてはしばし、ちょっと「・・・」となって。「いや、出馬表明しました」、「なら、頑張ってください」と、こう言ってくれた。つまり、そういうことなんですよね。だから、例えばマスコミの皆さん方が新聞に、例えば飯泉が出馬表明した、あるいはテレビのニュースで出る。普通は、多くというか、全ての有権者の皆さん方に知ってもらっているのかなと思ったんですが、若い人は必ずしも、私が出馬表明したとは認知していない人も、恐らく一定の数いるということなんですよね。ということで、やはりこのSNS型の選挙というもの、こうしたものが全く、今、時代を変えている。こうしたことも実感をさせられておりまして、長らく、実はTwitterはさせていただいていたんですけどね。やはり動画がなかなかということがあるので、じゃあ、これにインスタを入れようかみたいな形。徳島国際映画祭では縦型。これ、マスコミの皆さん方、テレビでも全国放送をいただきましたけど、ニューノーマルといえば徳島と言われている。そういうことであればTikTokの活用であるとか、あるいはもう一つ、LINEですよね。LINEも普通のLINEと公式LINEと両方あるわけなんですが、そうしたものの活用。さらには、私として今まで全くやっていなかったのがFacebookなんですよね。「これが実は痛いんだ」なんてお話も言われたわけなんですが。こうしたネット型選挙、あるいはネットを通じてご理解をいただくと。こうしたことを、今、やっておりまして、そういった意味では夜ほとんど寝ていない。今日の会見もできるかな、なんて心配もあったんですけどね。でも、そうしたネット社会というのは、本当に24時間動いている。じゃあ、そうしたものを、ツールをやったらどんどんどんどん、お友達申請とか来るわけで、それは昼夜問わないんですよね。今も恐らく、こうやっている間で、音声は消していますけど、何十件か入っているわけでして。そうしたお声に一つ一つお答えをしていく。こうした点も今、大変重要なものと。これまでの選挙とは全く様相が違う。これが今回の、私の、まずは大きな印象となっています。

(幹事社・共同通信社)
 ありがとうございます。それでは、各社さんお願いします。

(朝日新聞社)
 選挙の取材をしていると、やはりよく多選の話題になります。それで、各候補も「多選で問題である」と。それで「風通しが悪いんだ」なんだと。「自分自身、もしなったら3期で降りる」というような話をされたりします。ご自身も長年、20年も、もともと行政マンをされていて、そのあと20年知事をされて、今、6選を目指される立場として、多選というのは悪なのか、いいのか悪いのか。ご自身、実務者、また立候補予定者としてどういうふうに考えていらっしゃるのか。理由も含めて率直なところを伺って。

(知事)
 「多選である」、あるいは「飽きた」、「変わったら」、当然のご意見ですよね。私も、逆に長らく、例えば新潟県、山梨県、埼玉県、そして徳島県と、いろんな県で知事さん方にお仕えをさせていただきました。もちろん、まだなられたばかりの知事さんもおられる。あるいは、もうかなりベテランとなった方もおられると。確かに、それぞれ一長一短あるわけなんですね。確かに多選、弊害という言葉を、マスコミの皆さん方がよく使うわけなんですが、このマンネリ化という言葉がよく使われている。あるいは忖度という言葉が使われるんですけどね。我々でも、役人時代の考えというのは、本来、そのマンネリ化にならないように提言をしていく。つまり両方の軸があるんですね。やはりなられたばかりの時というのはなかなか、思いはあるんですけど、制度を理解していただく。あるいは「今までのトレンドを全く変える」ということを言われる方が多いんですけど、今までの流れでもって多くの事業者、あるいは団体の皆さん方は計画を立て、そして商売などを進めると。それが根底から覆った時に、やはりここに混乱が生じてくる。これは、ちょうど山梨県でもそれを経験いたしましたし、徳島県では、もう身をもってこれは、毎年、知事選をやっていましたからね。平成14年、(平成)13年の秋からでしたけど、そして(平成)14年、(平成)15年と3年連続、1年9カ月で3回の知事選。右へ行って左へ行って、おまけに国からは日本の地図から外されると。部長として補助金をもらいに行ってももらえない。こうしたことをさまざま経験して参りましたので。縁あって徳島で知事に就任させていただいた。しかも、その時にも誰も出ない。もちろん不信任を受けた大田知事さんは出馬表明をされていた。そうした中で若干42歳。しかも徳島に親類縁者もいない。選挙というのは今回でも、誰々さんの親戚だから、誰々さんの縁者だから、誰々さんの同級生、同窓生だから。これは選挙母体としてはものすごい力があるんですね。私は一切持たないということもあって、本当に私でいいんですかと。これは皆さん方から言われて、若干42歳、平成15年の4月の半ば過ぎ、統一地方選挙。あの時は自民党の現職が6名、共産党が2名から4名、いわゆる交渉団体、代表質問ができる団体になり、第十堰可動堰問題、これが火を噴いていて、勝手連の皆さん方がいきなり4名、交渉団体になる。そうしたのを受けたあとに出馬表明をさせていただいたわけでして。当時は、マスコミの皆さん方からもよく言われました。部長の時代にお付き合いがあって、大田知事さんの時、あまり記者会見がなかったので「部長がやってくれ」という話もあって、この場に立ったこともありましたけどね。「飯泉さん、絶対やめた方がいい」って。「普通は、現職と対抗する場合というのは必ずダブルスコアって、新人にはつけるんですよ」って。「飯泉さん、トリプルスコアですから」って、「泡沫(候補)ですわ」、このように言われたところからのスタートでもあったわけでしてね。ということで、さまざまなことを経験させていただいた。役人の側から、お仕えする側、あるいは自分が知事としてと。ですから、この多選の弊害、こうした点については常に意を用いてきた。常に選挙というものがあるわけですから、原点、初心に立ち返りということは言ってきた。しかし、出馬表明の時にも言わせていただいたところなんですが、そうは言っても、やはり全ての県民の皆さん方のご意見、あるいは1対1で話をさせていただいたわけではない。絶対に、やはり「飯泉には話したくない」、こうした感情をお持ちの方も実はおられるんですよね。だから、そうした中で、やはり今回、原点回帰と言いますか、もちろん多選というそのレッテルというのは、これは拭えない。客観的な話ですから。しかし、そうしたものの中で、自分としては、リボーンではありませんが、やはり1から。でも、全国的に見るとこの62歳という年というのは、これから再チャレンジ、知事にチャレンジする方って多いんですよね。だから今、全国知事会47名いる中で、私の年齢というのは大体知事さんたちの中の真ん中やや上ぐらい、こうしたところで、決して長老と言われるあれではなくて。今回、引退をされる、同じ統一選、もしチャレンジをすれば6期目という大分の広瀬さんが80(歳)、一番最長老でありますので。あるいは、私のすぐ後に知事選をされて、ちょうど私がやったその選挙道具を皆持っていかれた青森の三村知事さん。今回、5期で引かれるということですが、私のちょうど四つ上、66(歳)ということですから。例えば、隣の香川県の池田知事にしてみても、そう年は変わらないわけですから。大体、世の常識からいくと、確かに私が42歳で全国最年少(知事)になった時に、多くマスコミの皆さん方が沸いていただいて、やはり40代知事と、今回、その皆さん方と、最初は5名で40代知事を結成して、今では23名、「日本創生のための将来世代応援知事同盟」を結成しているわけなんですけどね。そうしたところから言うと、やはり常に、その初心に帰る、そして原点回帰。まさに今回は原点回帰と。出馬表明も従来は県議会、その場で、例えば与党の皆さん方に押され、それにお応えをするというパターンでやって参りましたが、今回は会見場を設け、そして対応した。これはもう最初の時以来ということでありますし、さっき、実は記者会見の前もかちどき橋で辻立ちをさせていただきましたが、こうしたことも実は第1回目以来。あの時、みかん箱の上に乗って街頭ハンドトークでやっていたんですけどね。今回はみかん箱の上には乗ってなかったですけど。ということで、あらゆる点で最初に帰ると。いわば本当に無垢で、そして出て行くと、こうした感覚で臨まなければ、今回のこの戦というのは、そもそもいろいろな構図の中で難しいのではないかと。もともと出馬表明の時にこれら、お話もさせていただきましたけどね。そうした思いで、しかし、自分として、この今の徳島、日本の危機、何としても救わなければならない。「何とか夢、希望、これを実現したいんだ」。こうしたお声に、やはり一つ一つ真摯に沿っていく必要がある。そして、具現化をしなければいけない。言うだけは簡単なんですよね。そうした点を、これまでの経験であるとか、あるいは全国知事会長もさせていただいたわけで、多くの人脈、これを活用して、そして限界を超える。知事という限界を超えて、徳島未来創生のために、やはりこの一身を投げ打っていこうと。こうした覚悟で臨んでいるところでありまして、いわばその両面ですよね。しかし、あとは有権者の皆さん方がどうご判断をしていただけるのか。その1点にかかるのではないか、こう思っています。

(朝日新聞社)
 ありがとうございました。各候補から、今、メリットということで経験ということをおっしゃったのかと思うんですけど、メリット、デメリット。デメリットとして、候補によっては「忖度が横行している」と、「空気が、職員が知事の表情ばかりを見て」という批判もあります。それは的を射ていると思いますか。そのデメリットが的を射ているか。あと、ご自身が、多選だけれどもやることのメリットはどこにあるんでしょう。

(知事)
 これは、まず両方なんですよね。つまり期が浅ければ経験がない。つまりそれを学んでいく。例えばどのボタンを押せばいいかと。つまり徳島県だけで全てができるんだったらいいんですけどね。例えば霞ヶ関に行って、かつては陳情といったものを政策提言に切り替え、今ではそれが日本の制度になった。こうした点も一から、どのボタンを押せばいいのかと。「そんなのは全部、県庁職員に聞けばいいじゃないか」、いや、そうではないんですよね、ここも。やはり多くの経験、人脈、これがなければ、場合によってはかつてのように門前払い。つまり47都道府県の競争になるわけなんでね。徳島だけであればそれは問題がないんだけど。そうしたら、次は、まずは47番目に置かれてしまう。今、例えば1番、2番であったとしても。こうした点についてはもちろん、ただ期数を重ねるということではなくて、それまでの間に何をやってきたか。私の場合には、さまざまな知事会で委員長もさせていただいたり、国の、例えばITの世界とほとんど審議会の委員になったり、あるいは男女共同参画、環境、こうした点も同じですけどね。そうした仲間がたくさんいるわけですから、そうしたものを駆使することができる。こういった点はあります。それから、職員が忖度ということをすぐ言われるんですがね、この忖度という点については逆に、よりベテランになってくるから、その知事の、これは私というだけじゃなくて、さまざまな経験、あるいはノウハウ、あるいはヒント、これをもらおうと、こうしたことは確かにあると思うんですね。しかし、職員であれば当然のことながら、そうした点について、もし間違っている。これは法律に違反する。あるいは条例に違反する。あるいは信義則に反する。こうしたものについて、やっぱり一言、これを言うのが公務員。だから、公務員の場合には、例えば会社だったら社長さんが「あんた気に入らないから、あんたはもうクビ」とか、「左遷」とかあるんだけど、そういうことが、身分が法律で守られているわけですよね。それはなぜかというと、そういう時にきっちりと物を言う。ただ、それを聞くか聞かないかがそのトップの技量であったりするわけなんでね。そこは多選であるとか、多選でないとかということではなく、その人自身の、まさに人格の問題ということになるのではないか。だから逆に今、よく経団連とか、経済同友会の皆さん方が、私が全国知事会長の時に「Z世代の皆さん方のつき合い方がわからない」と、トップの皆さん方が言うんですよね。「だから、わからないんじゃなくて、彼らとともに話をして、その感覚を皮膚感覚で得れば答えはわかるんじゃないですか」と。「いや、何もしゃべらないからわからん」。「いやいや、ネット上ではものすごく饒舌に彼ら、彼女たちは話していますよ」と。「いや、わしはネットを余り見ない」。いや、それじゃあ、やっぱりわからないわけでね。だから、徳島の場合には必ず、あの「vs東京」を作った平成26年の4月からタスクフォース、これを作って、若い皆さん方を中心に、そして自分の所管以外で、本当はこんなのやりたかったと。ただ、どうしてもこういう役所というのは赤紙といって、最近は言わないけど。辞令書1枚でどこどこへ行かされてしまう。実は、自分はそれをやりたくなかった。私も結構、そういうことありましたよ。だけどそれは与えられて「君はここに行ってくれ」と。嫌だな、明日行くの嫌だな。ところが、あるタスクフォース、自分がやりたいと思ったもの。そこに対して、じゃあ、入れた。そうすると、自分の今やっている所管が非常に重要なんだということがわかる。例えば、よく障がい者行政、電話がたくさん掛かってくる、大変だ、こうした話があったり、土日がないんですけどね。しかし、自分はインバウンドをやりたい。ところが、インバウンドで対応するためにはインクルーシブ、もう日本で今、やっている以上のことがヨーロッパでは当たり前のことなんですよね。だから、それに初めて気がついて、インバウンドで来たお客さんたちに満足してもらうためには、今やっている障がい福祉行政というのは何よりも重要なんだと。バリアフリーだとか、そうしたものともう次元が違う、インクルーシブだと。そうした気づきを持つと、「いや、今の行政をしっかり頑張らなきゃ」、「これがインバウンドにつながるんだ」。これは一例なんですけどね。よく、これを経済界の人にはご説明するんですけどね。そうすることによって、「あ、この会社面白い」、「ここ面白い」。ただそれだけでもだめなんですね。やはり、それぞれ会社も、行政も結果が求められる。じゃあ、それでアウトプットを出して、「よくできた」、終わり。これではだめなんですね。徳島の場合にはそれを、原則、予算化をすると。予算化をして、もちろん議会を通していただいたら実行に移す。実行に移したら、自分たちが机の上で、あるいはいろんな人と話をして、できあがった制度が本当にいいのか、悪いのか。明らかに出てくるんですよね、利害関係者が出てくるわけだから。そうすることによって、自分たちの、こんなところがまずかった、あんなところがあった。これは別に、知事の経験があるとかないとか、そういうこととはまた違って、意識の問題なんだと私は思います。だから、まずはそうした、職員の皆さんも、これは県民の皆さんも同じなんですが、しっかりとそれらの皆さん方の立場、どういうふうに今、置かれているのか。例えば、何でそのポストにいるのか。辞令書1枚で行っている。それで楽しいと思っているのか、いや、違うことやりたいなと思っているのか。でも、そうした皆さん方にいろいろな機会、そして自らが気がつく。そうした点を、しっかりと制度として作っていく。こうしたことが大変重要なんじゃないのかなと。何となく、本質のところではなくて、この言葉のそうしたところでとらえられているのかなという感じが、今までさまざまな行政をやってきた、皆さん方、そうした行政をやられていないから、それに対して「おかしい」ということを言うこともおかしいんだけど。そういった点が少し違っているかな。でも、表面で見ると、確かにそうしたことは一般的には言われる。しかし、実質、それを、弊害なんだからより改善をする。弊害だから放っておけば、それはもたないですよね。だから、それを常に変えていく。そして、職員の皆さんも、県民の皆さん方も、世代がどんどん変わっていくわけですから。その変わった世代の皆さん方の思考、価値観、こうしたものにしっかり寄り添っていく。これが何よりも重要と、そう考えています。

(四国放送)
 四国放送です。知事はいつも、政務と公務って非常にちゃんと分けられている印象があったんですけれども、私、ちょっと一つ気になるのは、業界団体からとか、政党関係者からの選挙における推薦状をもらう場合ですね。それを、例えば県庁の公の応接室で受け取るというのは、僕はちょっと公務と政務がちょっと混同しているんじゃないかなというようなイメージがあるんですけれども、その辺いかがお考えでしょうか。

(知事)
 ここは、まずは庁舎管理の問題ということで、その庁舎管理上、それが適切なのか、適切でないのか。そうした、まず、そのつかさ、つかさの判断というのが一つ。それからもう一つは、それぞれ今、業界団体と、こう言われたんですね。さっきも、例えば医師会、看護協会、薬剤師会。考えによっては、それは業界団体と言われれば業界団体。だけど、彼らからさまざまな政策提言、これは当然受ける。今日、記者発表したわけですから。そうしたものの一環として、例えば出馬要請があるとか、あるいはその結果として推薦状を持って来てくれると。こうしたことは普通にあることですから。それを政務と公務で分けるというよりも、それらの皆さん方の行動の一環というふうに捉えられるのではないかと思いますけどね。

(四国放送)
 ただ、その推薦状だけを持ってきたケースもありましたよね。

(知事)
 ただ、それは皆さん方のお考えですからね。あるいはその時間帯、どのくらい、例えば15分差し上げられるのか、30分差し上げられるのか、いや、5分しかないのか。5分しかないということであれば、時候の挨拶とその用件だけ済まして帰られると、こういうことはあり得ると。特に、昨今ではもう時間がないですからね、そういったところ。今まで皆さん方も立ち会われていて、普通の、一般の話から、ということがありますから。そこは、その割り振った時間に応じて、それぞれの団体の皆さん方が気を利かせていただいているということだと思いますけどね。

(四国放送)
 例えば、それを後援会事務所で受け取るという考えはないですか。

(知事)
 恐らく、それも全部、時間の問題ですよね。

(四国放送)
 でも、時間の問題で公の部屋を使っていいというのは、また別の問題じゃないですか。

(知事)
 だから、その団体の皆さん方が完全に政治団体であるという場合は、今おっしゃるようなところがありますが、大抵は両面お持ちの場合がありますから。その時に、例えば政治団体ではない形で来られて、そういうことと。もちろん、だから後援会事務所で受け取る、そういうこともちろんありますよ。

(四国放送)
 そちらが普通かなと思うんですけれども。

(知事)
 ただ、今言うような、ただ単に渡すと、これは時間の関係でそうなったところもあるんですけど、今までも立ち会われて、日頃の状況をいろいろ説明して、それは、その団体として、知事に直接現状をわかってもらうと。そういったものを、より良く改善してもらいたいという、最後にそうしたものが出てくるというように考えていますけどね。

(四国放送)
 自民党の県議の方も推薦状を持って来ましたけれども、それも。

(知事)
 あれは県議会が終わったあと、皆さん方、当然、ちょうど終わられた時でしたから、その流れでお越しをいただいたと。

(四国放送)
 多分、それは推薦状を渡すために行っていますよね。

(知事)
 ただ、あれは推薦状だけじゃなくて、その後、記者の皆さん方に先にということで、あとはいろいろ政策の話をということで、それは記者の皆さん方との関係で、恐らく最初にそれを撮っていただいて、引いていただいてと。普通は最初に話をして、じゃあ、皆さん呼び込んでと。それも待たせちゃうことになると思うので。それは、それぞれの皆さん方のお考え。我々がお呼びをしたわけではないですからね。

(四国放送)
 逆に、じゃあ、推薦状を持って行きたいという連絡があった場合は、知事はどうされますか。

(知事)
 原則、それだけということであれば、後援会事務所でもらえばいいし。

(四国放送)
 いう認識はお持ちだと。

(知事)
 ただし、そういう、「だけ」ということはほとんどないですよね。必ず、それぞれの団体の置かれた立場、こうしたものを、窮状であったり、あるいは国の制度がおかしかったりと、そうしたものをしっかり言いたいと。で、言った最後に、あるいは渡してから、それを聞いてくれと。それは、もうそれぞれ皆、ほとんどそうですね。もちろん5分しか時間がないということであれば、要件だけ済まされるということもありますけど。それは皆さん方も立ち合われて、ほとんどお分かりと思いますけどね。

(読売新聞社)
 読売新聞です。ちょっと話が変わります。コロナ対策についてお伺いしたいんですけれども、(3月)13日からマスクの着用が個人の判断になりますけれども、知事ご自身のお考え、どこでマスクをつけるか、外すかというところについてお考えを教えてください。

(知事)
 これは、実は今、平井知事会長と政府との間で、かなりやり取りがあって、特に御紙にはかなりのスペースを割いて出ていましたけれども。ここのところはやっぱり国として、今の国の方針というのは、あくまでも国民の皆様方に下駄を預けた。皆さん方の、まず自主判断ですよと。ただ、リスクがあると、高齢者であるとか、既往症があると、そうした人たちは防御してくださいねと、こういう話なんですけどね。しかし国民の皆さんにとってみると、じゃあ、どっちなんだと、必ずこうなっちゃうんですね。だから、私も聞かれた時、今、「国の判断は」ということを前置きしながら、まずはマスクフリーと。そういう中で、でも受験を控えているとか、何か重要な行事を控えていて防御をしなければならない。自己防衛のためにはマスクをつけると。今、国の考えはそういうことなんですよと。でも必ず聞かれるんですね、「でも、どっちなんですか」って。そこなんですよね、難しいところは。ただ、私としては、当然のことながら、私自身が、例えば現職であればですけど。その期間、コロナにかかって1週間近く、もちろんオンラインでやれば支障はないという場合もあるかもしれないけど、やはり体調は落ちるわけですね。体調が落ちるということは思考、判断、こうしたものがやはり影響を受けるわけですから、やはりきっちりと防御していくと。こうしたことは、やはり最低限必要ではないだろうかと。だから、自分としては防御するという考えです。もちろんこの職を辞せばつけないかもしれないですけどね。私の場合、既往症はないですから。

(読売新聞社)
 そうしたら、他の、全国の知事さんの中では、基本的に外すという考え方をしていらっしゃる知事もいらっしゃいますけど、知事は、基本的にはもう着用して。

(知事)
 私はつけます。なぜかと言うと、もし私が外すと、つけている人たちが返って奇異な目で見られちゃうんですよね。「何であの人はつけているの」って。「知事さんだって外してるじゃない」みたいな。でも、私がつけていると「注意する人は注意しなきゃいけないんだな」、「でも我々はよかった、外していてもいいんだ」、こうしたパターンになるようにできればと。やはり、マスクをつけている人がそれぞれの理由でつけているのに揶揄されてしまう。「何でつけているんだ」。これはやはり気の毒なところがありますから、「いや、知事もつけてるじゃない」って、そういうふうに言ってもらえるとね。「私は外していて、楽でよかった」と、そういう、お互いが良くなるパターンを考えると、私がつけているのが一番無難かなと、そう思います。

(読売新聞社)
 もう1点、すみません。今日にも政府がコロナの見直し案を発表されますけど、それまでに出ている報道の中では、4月中に、都道府県が移行計画を作って、コロナ病床の位置づけがなくなったあと、どうするかというような判断になりますが、徳島の場合は、もう知事選を控えていて、その辺りが断絶する可能性もあります。なかなか、その見直しの考えが遅れてしまうしわ寄せが来る可能性もありますけれども、例えば今、どのように考えていらっしゃるのか、5類に移行すると。

(知事)
 これは、知事選があろうがなかろうが、ましてやこの感染症対策、これは止めるわけにはいかない。ということで、先ほどから、ドライブスルー方式の、臨時の「発熱外来」、こうした点について、もしこれから出た場合にもすぐ対応できるようにと。昨日もちゃんと調印式をさせていただきましたよね。ということで、そこが現職としてつらい部分でもあるわけなんですが、それがあるから、知事選があるから遅れて良いということにはならないと思っていますから、それはきっちりと。逆に言うと、徳島の場合には、全国から模範として見られている県でもありますのでね。そこはしっかりと対応していきたいと思います。

(読売新聞社)
 他県でも、一定病床は5月以降も確保するというような考え方を示す知事もいますけど、徳島県の場合は、今のところどういう考えなんでしょうか。

(知事)
 もちろん、いざ発災となった場合というか、そうしたものに対応をしっかりできると。まずは国の制度、例えば財源の点とか、療養病床なんかについて、こうした点については制度を、5月8日以降については切り替わるわけだから、その制度に則ると。しかし、まだ、先ほど申し上げた特効薬がないということがありますので、一定のセーフティネット、これは引かないといけないと、こう思っています。以上です。

(徳島新聞社)
 先ほどの質問と重なるんですけれども、知事に多選批判の声があるんですが、知事も陳謝されていますけれども、どれだけ知事がそういう声に誠実に向き合っているかというのをお聞きしたいんです。それと、多選の弊害でよくいわれる独善的になるとか、職員の忖度ですとか、そういったことを知事はどのように認識していて、どう改めようとしているのか、聞いてもいいですか。

(知事)
 でも、これは先ほどと回答がほとんどかぶる部分だと思うので、先ほども申し上げたように、当然、そうした忖度といった点については、これは職員一人一人の考えでもあるんですけどね。でも、私は忖度があるとは思っていない。というのは、忖度というのは両側がやる、これが忖度ということで。それよりも職員の皆さん方お一人お一人に、さっき、若手の話も申し上げたように、やはり自分たちの考えというものをしっかりと言っていくと、こうしたことがやはり重要だし、私はその出てきたものを、よりスムーズに、組織的に決定していくということがやはり重要だと。もちろん、その忖度というのが内面のものと、どうも今、言われている人って、外に出ていると見ているようなんですが、忖度というのは内面のものなんですよね。だから、そういったものを、忖度を内面の自由に対してどうこうというのはなかなか難しいんだけど、そうしたことをしなければいけないということに追い込んでしまう、こうした環境がいけないわけなので。そういうことを何も考えることなく自由に、自分たちとしてこうあるべきじゃないかと。「知事、少しそれはまずいんじゃない」。逆に、その「まずいんじゃない」って言ってくれることがありがたい。本当はそれが忖度なんだね。何でも迎合することを皆、忖度って言っているけどそうじゃない。本来、忖度という言葉というのは、非常に敬意を持って、その人にしっかりやってもらいたい。ということは、耳に痛いことを言うというのが一番の忖度のはず。どういうわけか、今、忖度という言葉が切り替わってしまって、迎合するという言葉に使われている。本当は忖度っていうのは、昔、中国の話では崇高な話なんですね。だから、当然のことながら、王様であろうが、どんな偉い人であろうが、その人のためを思って言うこと。これが本来の意味ではないかと思うので、逆に若い人たちがぽんぽんと言うことは逆にありがたいことなので、それをいかに実現できるようにするのか。それを、さっきご説明申し上げた。だから、その忖度という意味が、今、非常に広く使われちゃっているから、何となく悪いことというふうに位置づけられているんだけど、昔、忖度というのは、中国などでは悪いことじゃなくて崇高なことだった。もちろん、今、使われているというのは、何となく迎合主義的に使われていることなので、やはり、そこのところの意味というものをきっちりと、これは仕分けをしていく必要があるのではないのかなと、こう思うんですけどね。

(朝日新聞社)
 今おっしゃったみたいに、さっきの、予算化を若手が挙げた案について予算化するというのをはじめ、つまり自由に自分たちが言えるように、もしくは若手の意見を言いやすい空気を作ったりと言うことを、知事として、リーダーとして歓迎しているという理解でよろしいですか。

(知事)
 そうです。逆にそれこそが忖度ということであって。

(朝日新聞社)
 中傷に当たるかもしれませんけど、「厳しいことを直言すると飛ばされた」みたいなことを言う人もいますけど、そのような組織運営はしていないという理解でいいんですよね。

(知事)
 これは全くないですね。私自身が忖度という言葉は、そうは捉えていないですから。ただ、今は一般にそう言われているということは認識していますよ。一般に忖度という言葉を使う意味。だから本来、私が思っていた忖度というのは苦言を呈する。でも、それは何で苦言を呈するかというと、その人が立派に行政なり、あるいは治世をやってもらいたいがためにあえて。だって、耳に痛いことを言ったら、今言ったように嫌ごとになって不興を買う。皆、黙るじゃないですか。でも、それじゃあ、その人が上手くいかない。場合によってはそれで失敗するじゃないですか。明らかなんだから。だから、そうした点についてしっかりと苦言を呈する。でも、それはその人のことを思って言っていると。ところが、今、何かその言葉が変わっちゃって、迎合すると。権力にへつらうみたいに使われているけど、ちょっとそこは昔の元々の意味と違う。例えば、よく「情けは人のためならず」ということが、昔は、回り回ってくるから人には情けをかけましょうというのが本来(の意味)だったんだけど、人に情けをかけるとその人のためにならないから厳しく突き放した方がいいって、何か時代とともに言葉が変わってくる部分があるんじゃないのかなというふうに思っていますけどね。

(朝日新聞社)
 リーダーが強ければ強いほど部下の中には怖がる人もいると思うんですけど、そんな中でもやっぱり、耳に痛いことも言える雰囲気を自分としては作っていらっしゃる、その予算化とかも含めて。

(知事)
 もちろんそれは十分でないかもしれないし、さっき申し上げたように、その内面の点ということが重要なのでね。いくら制度でできても内面でそう思っちゃうということに対して、なかなか、どうやってそれをほぐすのか。それは1対1で話して、例えば、会ってなければなかなかわからないって、あるじゃないですか。話すと「フランクなんだ」、「冗談も言うんだ」、「自分たちの言うことも聞いてくれるんだ」と、そうしたことがわかってくれれば、その内面の「怖いな」というところが消えていく。だから、なるべく若い皆さん方とタスクフォースの、例えば立ち上げの時にその目的であるとか、さまざまな点を話すというのがそこなんですよね。でも、それで全てが解決をするわけではもちろんない。そこは内面の点になってくるので。ですから、是非マスコミの皆さん方も、一時期、忖度という言葉が突然出てきて、それが何か「おもねる」みたいな形で使われているんだけど、そういった点をきっちりと本来の意味というのと、今はこのように使われていると、そういうふうに切り分けて考えていただくほうがいいのかな、そう思いますね。

(県担当者)
 以上になります。公務の都合がございますので、幹事社さん、よろしいでしょうか。

(知事)
 それでは、よろしくお願いします。

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電話番号:088-621-2015
FAX番号:088-621-2820
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