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令和3年11月12日 定例記者会見 フルテキスト版

瀬戸内寂聴氏の訃報について

(幹事社)
 よろしくお願いします。

(知事)
 それでは、発表事項に移ります前に1点、訃報に対してのコメントを述べさせていただきたいと存じます。
 11月9日火曜日、瀬戸内寂聴さんが、99歳でお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 瀬戸内寂聴さんは、徳島で過ごされた少女時代から文学に接しられ、透徹した洞察力、独自の文学領域を開拓され、長年にわたり、文壇を代表する作家として、ご活躍をされてこられました。
 徳島では、平成16年の徳島県立文学書道館館長及び平成26年の名誉館長ご就任をはじめ、全国初、二度の国民文化祭におきましても、オープニングのテーマ曲「しあわせは」の書き下ろし、また、新作人形浄瑠璃として、若い人々に関心を是非、深めていただきたい、このようにお願いをしたところ、口語調で「モラエス恋遍路」を、また、源平合戦での四国初上陸の史実を人形浄瑠璃を通じて後世に伝えていただきたいと「義経街道娘恋鏡」、この2本の創作、さらにはベートーヴェン第九、こちらを徳島をテーマとした日本語歌詞「ふるさと賛歌」として手がけていただくなど、本県はじめ、日本の芸術文化の振興に大きくご貢献いただいたところであります。
 このご功績により、県内外、数々の文学賞はもとよりのことでありますが、平成6年には徳島県文化賞をご受賞、平成9年には、国の文化功労者となられ、平成18年には、本県ご出身では初となる文化勲章をご受章となられました。
 そして、平成19年には、徳島県民栄誉賞をご受賞されるなど、多くの受賞歴をお持ちであり、多方面においてご活躍をされてこられました。
 中でも、ふるさと徳島への思い、これが大変強いものがございまして、瀬戸内寂聴奨学金の創設、また、ふるさと納税など、心温まるご支援も賜ったところであります。
 今後も引き続き、本県文化芸術振興のために、ご指導を賜れれば、このように思っていただけに、ご逝去が残念でなりません。在りし日の笑顔と、そして寂聴節、さらには、新作に接することが出来なくなってしまった、こうしたことを思い馳せますと、痛恨の極みであります。ここに改めて、県民を代表して、心からご冥福をお祈り申し上げたいと存じます。

水素(燃料電池)バスの路線運行開始について(説明)

 それでは2点、発表させていただきます。
 まず一番目、水素(燃料電池)バスの路線運行開始についてであります。
 10月31日から本日まで開催中のCOP26、COPだけですと分かりづらいので、日本語訳をいたしますと、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議では、インドをはじめ、世界各国が温室効果ガスの削減目標を上積みしたことに加え、日本をはじめ、約20か国が電気自動車をはじめ二酸化炭素を排出しないゼロエミッション車の普及に向けた実行計画を取りまとめるなど、パリ協定の目標である世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べ、2度より十分低く保つ、いわゆる2度目標の達成が視野に入ったことは、一定の成果、このように受け止めております。
 本県では、パリ協定の発効前に策定した、緩和策と適応策を両輪に脱炭素社会の実現を目指す「すだちくん未来の地球条例」のもと、2050年温室効果ガス排出実質ゼロに向けた取組みを積極果敢に推進しているところであります。
 特に、究極のクリーンエネルギー「水素」につきましては、国よりもはるかに早く、平成27年度策定の「徳島県水素グリッド構想」に基づき、これまで中四国初となる自然エネルギー由来水素ステーションの設置や、四国初となる移動式水素ステーションの導入、全国トップクラスの公用車への燃料電池自動車の導入、地方空港では全国初となる徳島阿波おどり空港における水素ステーションと燃料電池フォークリフトのセット運用など、全国に先駆けた事業展開を図って参ったところであります。
 こうした中、徳島バス株式会社によりまして、中四国では初となる水素(燃料電池)バス2台の路線運行が、来たる12月1日水曜日から開始される運びとなりました。こちらですね。
 
(パネル「水素(燃料電池)バス写真」を掲示)
 
 このバスです。この水素バス、記しておりますが、トヨタ自動車のSORAを使用しておりまして、水素タンクに充填された水素と空気中の酸素から電気を作り上げ、そして、モーター駆動で走行するため、走行時には二酸化炭素、また排気ガスがなく、全くクリーンなバスとなります。
 また、大容量の外部電源供給システムを備えておりまして、いざ発災となった場合には、走る発電所として、例えば学校の体育館などの避難所におきまして、約5日分の電源の供給が可能となります。
 SORAは、全長(約)10.5m、全幅は(約)2.5m、全高(約)3.3mということで、現在走っている路線バス、今の三つの数字で申し上げると、全長は(約)9m、全幅は(約)2.3m、全高が(約)3m、一回り大きいノンステップバス、大型路線バスとなります。
 1回の水素充填で約200km走行が可能、定員は78名、また、コロナ禍においても安全安心に乗車していただける換気システムを搭載いたしております。
 水素バスが走る路線は、徳島駅を出発し、空の玄関口である徳島阿波おどり空港や、本県が誇る観光スポットである鳴門公園を結ぶ鳴門線の4路線、1日11便を運行いたします。ということで、こちらはその路線ということになります。
 
(パネル「水素(燃料電池)バス運行路線図(鳴門線)」を掲示)
 
 主要なところを巡っていただくことになります。12月1日水曜日、路線運行初日、午前8時50分から徳島駅前で、出発式を実施いたします。
 また、水素バスの運行開始に先立ちまして、県民の皆様方に水素エネルギーに触れる機会を創出できればということで、「水素立県元年」の幕開けを飾ります記念講演会、また水素バスの試乗会を来週の19日金曜日に開催することとしておりますので、是非、ご参加をいただければと思います。
 さらに、徳島バス株式会社におかれましても、水素バスを体感いただくため、13日土曜日を皮切りといたしまして、23日これは火曜日祝日までの土日、祝日の5日間、鳴門公園、大塚国際美術館、ウチノ海総合公園など、鳴門エリアを無料で周遊する実証運行が行われます。
 このたびの水素バス実装によりまして、運輸部門の脱炭素化をより一層推進するとともに、徳島からのGX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた取組みを積極果敢に進めて参ります。

放流用「トコブシ稚貝」の初出荷について(説明)

 次に2番目、放流用のトコブシ稚貝の初出荷についてであります。
 冬の初めにあたります立冬を過ぎ、寒さも大変厳しくなってきたところでありますが、これからの季節、是非とも召し上がっていただきたいものが、地元徳島で獲れる新鮮でバラエティ豊かな水産物であります。
 これから年末に向けましては、アシアカエビあるいはアオリイカなどの漁獲が本格化して参りますが、本県が全国屈指の生産量を誇るある食材が、来月12月1日、いよいよ解禁を迎えることとなります。では、それはなあにということですね。
 
(パネル「トコブシ写真」を掲示)
 
 アワビの仲間、トコブシであります。よく東京はじめ関東の皆様方は、ちいちゃいアワビと言われるんですけれど、アワビの仲間ではあるんですけれどね、アワビではない。アワビより一回り小さく、火を通してもアワビの場合は固くなっちゃうんですけれど、トコブシは身が固くならないことから、主に、煮付け、あるいは酒蒸しなどに調理され、おせちの具材としてもなくてはならない、大変重宝される非常においしい貝であります。
 本県では、阿南市や海部郡の沿岸地域で素潜りにより漁獲され、近年は漁獲量がアワビ類の約4割近くを占める大変重要な水産資源となっております。
 気候変動、気になるんではないか、ということですが、海水温、更なる上昇が懸念される中、トコブシはアワビに比べまして、高い水温を好むこと、また、成長が早く、漁獲が安定していることから、今後、資源として、大変有望である。漁業者の皆様方からも「放流用の種苗を作ってほしい」こうした声が寄せられております。
 そこで、県では、トコブシの漁獲アップに向けまして、昨年10月から海陽町の県有種苗生産施設におきまして、種苗の量産化に取り組んできたところであります。こちらですね。
 
(パネル「センター生産風景写真」を掲示)
 
 最初は、このくらいちっちゃいですけれどね、ご覧いただけるかと思います。卵をとってから約1年経過した、今、見ていただいた稚貝でありますけれどね。放流しても、タコあるいはカニなどの食害を受けにくいとされる3センチの大きさに成長するとともに、生息域に影響を及ぼす台風シーズンも過ぎたことから、来る11月18日木曜日、トコブシの稚貝2万個を初出荷いたします。
 
(現物「水槽内のトコブシ稚貝」を展示)
 
 ということで、こちらもう見ていただいていますが、現物の今、出荷するトコブシの稚貝、もうだいぶ上の方に上がってきていますね。
 ご覧いただいているように、鳴門わかめなどを与えて育てましたこの稚貝は、貝殻に海藻の葉緑素、クロロフィルなどですね。その色素が沈着して、緑色になっている、このグリーンマークと呼んでおりますが、その有無で成長後も、天然貝なのか、放流貝なのかを識別することができるんですね。
 出荷された稚貝には、直ちに漁業者の皆様方の手で放流され、1年後には、漁獲サイズが5センチを超えることとなりますので、県ではこの種苗放流を機といたしまして、漁業者の皆様方に改めて、禁漁期あるいは禁漁区の設定、漁獲対象サイズの引き上げなど、自主的な資源管理の実践を促して参りたいと考えております。
 なお、トコブシの種苗生産は、他県でも行われておりますが、本県では、本年度末までに20万個の稚貝を出荷予定であり、トコブシ種苗の生産量、放流量は、本県が一躍、全国トップに躍り出る見込みとなっております。
 今後とも、SDGsに掲げております「海の豊かさを守ろう」の実現に向けまして、気候変動への適応の視点も加えまして、水産資源を「作り、育み、守る」取組みを着実に進めて参ります。
 私の方からは以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

水素(燃料電池)バスの路線運行開始について(質疑)

(幹事社:毎日新聞社)
 発表事項について、幹事社の毎日新聞社から1点お伺いしてもよろしいでしょうか。水素バスですけれども、路線運行が中四国では初めてとのことですが、全国的に見たら何例目でしょうか。

 (知事)
 全国では、1番有名なのは東京オリンピック・パラリンピックに向けて東京都が走らせたのが1番有名な事例となります。

(幹事社:時事通信社)
 幹事社の時事通信社から質問させていただきます。徳島県は、全国に先駆けて水素ステーションの設置や公用車を水素燃料の自動車に変えているということですが、こちらの例えばトヨタのMIRAIとか水素燃料の自動車を県民の皆さんに普及していく試みとしては、どのようなことを考えているのかということを聞きたくて、まだまだ水素ステーションの数は少ないと思うんですけれども、これについてどのような広がりがあるのでしょうか。

(知事)
 まず、県民の皆さん方に普及させていくためには水素ステーション、これがなければ普及できないということで、先ほど四国初での移動式の水素ステーション。四国大陽日酸の皆さん方にお願いして作った。あるいは県庁の公用車6台ありますけれど、またパトカーは1台これが全国初、都道府県警としてはですね。当然水素の供給が必要なので、先ほど中四国初と申し上げたいわゆる全くの二酸化炭素フリー、つまり太陽光発電で生み出した電気でもって水素を作り上げていく水とですね。これが県庁の中に設置をしております。
 また、今回路線バスを走らせていくとなると、かなりの水素の供給が必要となるんですね。これも全国初の取り組みとして、東亞合成株式会社の皆様方が、まさに社運をかけていただきまして、いわゆる工場生産、その中から出てくる水素、地産水素このように呼ばれておりますが、これを活用した固定式の水素ステーション、これを今、取り組んでいただいておりまして、ここから供給をされる多くの水素これを活用して徳島バスの皆様方が路線バスに燃料電池バス、中四国初これを導入すると、こういう形となって参ります。
 また「道の駅いたの」、こちらの方にも、この東亞合成(株式会社)作り上げた水素を活用する水素ステーション、これも用意をするということになっております。水素の供給体制といったものが、だいぶ出来上がってくるということでありますので、そうなって参りますと当然のことながら多くの県民の皆様方にもお使いをいただく。あるいは県外から他県ナンバーのMIRAIであるとか、そうしたいわゆる燃料電池自動車、こうしたものが入ってくるということになっておりますし、またその普及として、かつてと言いますか、「水素グリッド構想」、平成27年に作り上げて県の公用車買う時にも国の方からの支援、これもありますので他の例えば団体などで入れるといった場合には国の助成と、これに合わせて県の助成、こうしたものも作らせていただいたところでもあります。

(時事通信社)
 ありがとうございます。

(幹事社)
 発表事項について、質問のある方よろしくお願いします。

(徳島新聞社)
 2台を路線バスに運行させることで、どの程度CO2削減効果というのがあるのでしょうか。

(知事)
 ここのところ、まずどのくらいの頻度で走らせていくか。もちろん実証も兼ねておりますので、こうしたものをまずは導入させていただいて、そうしたものについてもしっかりと測っていくことが出来ればと、このように考えております。

(徳島新聞社)
 運行は、実験的な試みということですか。

(知事)
 いや、実際にはもう路線バスとして導入をしていきますので、まさにモビリティの分野においての二酸化炭素を出さないという形を進めるということですので、あとは当然そうしたものがどのくらい増やしていけるのかということ、あるいはどういった間隔でやっていけるのかということがありますので、そういった意味で試みと申し上げたところです。実際にはもう営業運転ですからね。

(徳島新聞社)
 この2台をどのぐらいの頻度で走らせるかというのは、もう決まっていることですか。

(知事)
 これについては当然、徳島バスの皆さん方がどのくらい水素の供給との関係とかございますので、やはり普通のMIRAIに給水素するのとはだいぶ違うようでして、かなり時間もかかりますし、そうしたものの中から打ち出されてくると、このように思っています。

(徳島新聞社)
 この路線を走るバスが全ての燃料電池バスになるわけではない。

(知事)
 違います。

(朝日新聞社)
 今の関連質問で、これまた通常の鳴門線の中にガソリン車とともにこの燃料電池車が走るという(ことですか)。

(知事)
 そうです。

(朝日新聞社)
 これは、何台のうちの2台になるんですかね。もしも分かるようなら。

(知事)
 また、その辺りのデータ提供を。

(朝日新聞社)
 何便くらい走るのかというのがわかればお願いします。

放流用「トコブシ稚貝」の初出荷について(質疑)

(読売新聞社)
 トコブシで確認ですけれども、去年の10月から海陽町の施設で育てていたものを今度の(11月)18日に放流されるということでしょうか。

(知事)
 そうです。

(読売新聞社)
 1年後には漁獲というか収穫というのが可能な5センチを超えるということなので、初めてのいわゆる収穫は、1年後以降には始められるということでしょうか。

(知事)
 そこのところはさっき申し上げたように、これから海産資源というか水産資源の保護といった点で、どのくらいの大きさにしていくのか、こうした点。もちろん市場で高い値をつく大きさというのがありますので、そうしたものを漁業者の皆さん方と決めていくということになります。

(読売新聞社)
 一応1年後には水揚げが可能な大きさにはなるけれどもということでしょうか。

(知事)
 そうですね。

(読売新聞社)
 この辺り特に知事としての期待というか。いわゆる、より安定した収穫にこれからなっていこうということだと思うんですけれども、どのような期待を。

(知事)
 先ほどもこの20万個の稚貝を放流していくということを申し上げて、これによって一躍生産としては日本で1位。今、大体、主要な産地というのが和歌山県あるいは神奈川県なんですよね。令和元年のデータですけれど、トコブシの種苗生産を行っている和歌山県こちらが14.1万個、神奈川県が10.3万個ということですから、それの1.5割増し、あるいは倍ということになりますので、当然これが大きくなって、全部が育つわけではないですけれども、おそらく日本一の生産高を誇れるようになるのではないかと、こう考えています。

(幹事社)
 発表事項については、よろしいでしょうか。では、発表事項以外で質問のある方、よろしくお願いします。

瀬戸内寂聴氏の訃報について(質疑)

(NHK)
 先ほどの瀬戸内寂聴さんが亡くなられたことについて、コメントいただいたんですが、2点。
 まず県内で有名な方々が亡くなられた時に、これまで県民特別功労賞とかというような追贈をされたと思うんですけれども、何らかの形でまた、これだけ賞を出しているのであれなんですけれども、何か賞を追贈するようなことはあり得るのかというのと、個人的に知事が何か寂聴さんとのエピソードがあれば教えていただきたいなと思います。

(知事)
 まず最初の何かこれから賞をお送りするのかということで、寂聴さんの場合には先ほども申し上げたように県として最高峰の「県民栄誉賞」、こちらをお送りさせていただいておりますし、国の方からも「文化勲章」、ご受章になられていると。また叙勲もお受けになられているということがございますので、そうした点からいくと何か今後、追加でお出しをするということについては、少し考えづらいのかなと。最高峰のものを全て取られているということです。
 それからエピソード、これはもういうまでもなく先ほど一つ申し上げたように、まず一つとしては文学書道館、このオープニングにあたって、ちょうど平成14年度オープンしたんですね。この時、私は県民環境部長で、いわゆる担当部長でありましたので、この館長就任にあたって様々なアドバイスをいただいたところであります。実際には当時の文化振興財団の安芸理事長さんに最初なっていただいたんですが、やはり本格的な館長さんが必要なのではないかということでお願いをさせていただいて、(平成)16年、先ほど申し上げたように館長になっていただいて10年間。そして様々な寂聴さんの人脈を通じた講座、こうしたものを行っていただいたということがございます。
 また、寂聴さんの様々な作品、またそれだけじゃなくて文学書道館でありますので、書道家の皆様方の様々な作品も展示をさせていただいている。その両面にわたってご協力もいただいてきたところでもあります。そうした意味では、文学書道館、その生い立ち、その後の発展。ちょうど部長、そして知事としてお願いをしていくということになりましたので、非常に思い出深いものとなります。
 それからもう一つとしては、やはり全国初、2度の国民文化祭、ここが大きいと。特に阿波人形浄瑠璃、これを4大モチーフ、つまり「阿波藍」、その富で作られた「阿波人形浄瑠璃」と「阿波おどり」、そして「ベートーベン第九」アジア初演、これを4大モチーフとして全国初、2度の国民文化祭。平成19年度、24年度と行った。
 まず、寂聴さんにお願いしたのが、やはり阿波人形浄瑠璃、この国文祭4大モチーフになる前は、あそこの農村舞台が朽ちた、あそこの人形座がもう高齢化のために解散すると、そんな状況。そして、初代天狗久から始まって、様々な貴重な木偶(デコ)、こうした物の保存というのも難しい。そして、木偶(デコ)頭を掘っていただく後継者、こうした点についても様々な顕彰というものがない。そういったご意見もありましたので、ここについては阿波の名工、これを人形師の皆様方を加えていく。木工の一つ、それから芸術作品。そしてこれが国の現代の名工に、さらには叙勲につながっていく。もう既にお取りになられた方、もう物故されましたが、こうした皆さん方も出て、阿波人形浄瑠璃をどんどん広げていこう、盛んにしていこうと。ただやはり全て口語調なんですよね。だから若い人、あるいはあまり(人形)浄瑠璃になじみのない皆さん方からすると、どうしても入りづらいといった点があったので口語調で書いてもらえないだろうかと無理をお願いしました。そうしたら、モラエスさんで書くわと。子どもの頃モラエスさん、実際に現存されておられて、そしてモラエスさん、実際にお会いになったということがあって、そうした意味で「モラエス恋遍路」、これを描き下ろしていただいた。
 そしてもう一つは源平合戦。どうしても四国源平合戦というと、屋島の話になって香川県の話になっちゃうんですね。しかし、最初に(源)義経が上陸をしたのは当時の勝浦。阿波の国、勝浦ということで今の小松島(市)ですね。ちょうどあそこに騎馬像があるんですけれどね。ということで、そうした史実を分かりやすくこちらも描いていただけないだろうか。そうしたらこちらが「義経街道娘恋鏡」、これは文語調なんですけれどね、この2作。そしてこれを国民文化祭で上演をし、その後もモラエス座ができたり、様々な形で阿波人形浄瑠璃発展にもご協力をいただいた。
 そして、2度目の国民文化祭、ここの時にも「なかなか難しいわよ」という話があって、京都の後でしたからね。そうした様々なアドバイスをいただいた。いわば2度の国民文化祭を成功裏に、そして徳島ならではの文化といったもの、その後発展させることが出来たのも瀬戸内寂聴さんの様々なご協力、ご尽力その賜物と。何か2点といえば、この二つになるかと思います。

(NHK)
 先ほどお話いただいた寂聴節で何か印象に残っているのはありますか。知事の中で何か言われたとかあれば。

(知事)
 やはり寂聴さんの場合には、何事も前向きに。よくバラの棘の話が、若いうちにバラを摘みなさいという話が出てくるんですけれど、何でもまずやってみなさいと。ここですよね。失敗を恐れない。「いいのよ、やってみなさいよ」と、こういう感じでよく言われて、励まされましたけれどね。

(NHK)
 ありがとうございます。

新型コロナウイルス感染状況を示す新たな指標について(質疑)

(徳島新聞社)
 新型コロナ(ウイルス感染症)に関して、政府の分科会が新たな感染状況を示す新たな指標をまとめましたが、それに対しての知事の受け止めと、「とくしまアラート」に反映させるのかどうかというところをお伺いできますか。

(知事)
 国の新型コロナウイルス感染症の分科会、こちらの方がこれまでの「第5波」までの知見を受けて今までは「ステージ」という判断だったんですね。そして、例えば直近1週間の新規感染者数、また病床の逼迫具合、あるいは検査の陽性率、5指標7項目、これを見ながらこの四つのステージ、この判断をし、例えば「ステージ3」に入ってくると「まん延防止等重点措置」ここが見えてくる。「ステージ4」こちらにいくと今度は「緊急事態宣言」これが見えてくる。こうした今までの判断、そして「とくしまアラート」も、これにそれぞれ合わせて、なおかつ「とくしまアラート」は、徳島ならではというものとしてステージでいうと0、つまり「感染注意報」というものを出しているということになっています。
 しかし、国の方で今回の特に「第5波」を受け、またワクチン、こちらがだいたい12歳以上として7割、これを超えはじめてきた。いわゆる集団免疫、こうしたものもだいぶ見えてきた。そして今、ちょうど国と我々都道府県とでワクチン検査パッケージ、その技術実証これも様々行っている。そして、2度打ち終えた証明、例えばこちらは全国初、損保グループの皆さん方と徳島県。損保ジャパンの皆さん方と包括連携協定を結んでいるというご縁で、徳島での実証、例えば、健康を考える県民のつどい。これから行うドリンクラリー。こうしたところにこのシステムを使っていこうと。パッとスマホの中に、2度もう打ち終えたといったものがデータが分かる。あるいはワクチンが打てない、あるいは打っていない方々は陰性証明、これをたちどころに見せることが出来る。このシステム、今、実証ということで様々な点で例えば不具合があるのであればそれを直していこうということも、損保グループの皆さん方に提供させていただいているんですが、こうしたものを損保グループの皆さん方も今年中にこれを実用していこうと。
 こうした試みが今、全国で行われているということで、例えば今、大規模イベントの場合には、定員の半分あるいは5,000人をその多い方を使っていいと。これについても上限撤廃、このシステムを使えれば上限撤廃していこうと。こうした話がある中で、ステージ判断から今度はレベル判断へ切り替えるということで、どちらかというと病床の逼迫。例えば重症者この部分が非常に逼迫したとか。あるいは入院、ここのところが逼迫したとか。こうしたところを重点的にみていく「レベル」とする。もちろん我々全国知事会からも提言をさせていただいて、直近1週間の例えば陽性者数とか、これをなくしてしまうということはないんですが、ただレベル判断という中では、どちらかというと病床の逼迫、ここに重点を置いていく。このように変わるということになるんですね。
 ということで、当然のことながら我々も今、国と共に技術実証、ワクチン検査パッケージやっておりますので、こうしたものを受ける中で当然「とくしまアラート」、この内容を変えていくということになっていきます。その意味では、国の方が実際に分科会を開いてそれを出していく。来週にもという話がありますので、全国知事会でもこれに合わせて全国知事会の、いわゆるワクチンの特別な会を開いていくことになるかと思いますので、こうしたものと合わせて県としても対策会議を開いて、そして「とくしまアラート」、その中身を今の感染状況あるいは防御態勢、これに合わす形に変えていきたい、こう考えています。以上です。

病床数の確保について(質疑)(その1)

(徳島新聞社)
 今のお話に関連しまして、病床の逼迫具合に重点を置いていくということですが、国は「第6波」に備えて、病床の確保計画を見直すように都道府県に促していると思うんですけれども、徳島県としては病床を今の状態から増やすのか、お考えがあれば聞かせて下さい。

(知事)
 ここも対策本部などに合わせて最終的には打ち出していきますが、徳島の場合には病床、国で言われているそういった状況から見ていくと、ほぼほぼ足りている部分はあるんですが、今お話がありましたように、「第6波」がどのような状況で来るか分からない部分がありますので、そうした点については増やしていく、こうしたこともしっかりと視野に入れながら最終的な対応、これを取りまとめたいと、このように考えております。

(徳島新聞社)
 その目処ですけれども、だいたい11月中くらいに報告しなければいけないと思うんですが、決まれば、11月中くらいに発表はあるのでしょうか。

(知事)
 まず、最初のターゲットは先ほども申し上げたように、国の分科会これが開かれてステージからレベル判断へ切り替えていく。あるいは、様々なイベントこうしたものについての上限撤廃。ただし、ワクチン検査パッケージこの利用、こうしたものがかんでくるという形になるかと思いますので、これに合わせて全国知事会もコロナの対策会議これを開いていくことになり、当然それに合わせて県も対策本部を開いて、レベル判断に「とくしまアラート」を切り替えていく。そうしたものの対策の一つの中に、例えば病床、「第6波」を迎え撃つという形で対策を出していく、まずこれが1番。もし1番早く動くとすると、そこになってくるかというふうに考えています。

徳島文化芸術ホール(仮称)の整備に伴う新駅の設置について(質疑)

(徳島新聞社)
 ホールの整備に伴う新駅の設置について、今JRと協議している段階だと思うんですけれども、進捗状況を教えてもらえますか。

(知事)
 これについては、今もご質問があったように、JR四国の皆さん方とその位置の関係であるとか、あるいはどういった形で対応していくのかとか、費用の点であるとか、こうした点、協議を進めているところであります。もちろんJR四国の皆さん方とは、それ以外にもDMVの話があったり、ちょうど四国ディスティネーションキャンペーンがあったりと。他にも様々な点がありますので、そこのところの進捗、対応を進めている。しかし、それ以外のところも対応しなければいけないという状況になっていると、こうした点をご理解いただければ。

(徳島新聞社)
 現時点で具体的にお話しできることは、まだ。

(知事)
 そうですね。もちろん、そうしたものの方向性が出れば、しっかりと発表していきたい。

病床数の確保について(質疑)(その2)

(徳島新聞社)
 すみません、1点だけ。病床数の話に戻るんですけれども、病床を増やす場合、やはり1番問題になるのは人員の確保だと思うんですけれども、今回、「第5波」の中でもかなり人繰りに苦労をしたという現場の声もあるんですけれども、特に看護師さんの確保について、「第6波」に備えて何か対策というか考えてらっしゃることがあればお願いします。

(知事)
 当然、病床を増やすというハードだけでは足りない。それに当たっていただくいわゆるコメディカル、メディカルの皆さん方、そのご協力。その中心がドクターであったり看護師さんであったりと。特に看護師さん、例えば宿泊療養施設においても看護師さん常駐していただくとか、非常に看護師さんに負担がかかる状況となっておりますので、こうした点についてはもちろん看護協会の皆さん方、あるいはOGになられた、そうしたナースの皆さん方にご協力をいただいて、ワクチンの接種、こうしたところでもご協力をいただいてきております。
 今、需給の関係ということですが、ちょうどワクチンが一段落して次のフェーズとして、もちろんまだワクチンを市町村主体のところで打っていく、そういう方々もおられるんですが、次のいわゆるブースター接種という3度目の接種、ちょうど国の方がファイザーについて、これを特例承認をしたところで、ただ18歳以上という条件が付いたところですが、12月ぐらいから医療従事者の皆様方を始めていこうと。ですからそういった点で今までは看護師の皆さん方、ワクチン接種、特に職域接種であるとか大学の拠点接種、あるいは県が主導する「アスティとくしま」などでやっていた大規模集団接種、また各市町村での接種。多くの看護師さんがご協力をいただいていたところが、例えば県の大規模集団接種、これもいったん終えた11月2日ですね。ですからこうした皆様方にもご協力をいただけるのではないかと、このように思っているところです。もちろん最終的には看護協会の皆さん方、それぞれ病院などで勤務されている皆さん方、こうした皆さん方との連携ということになるかと思います。

(徳島新聞社)
 今のお話しだと、これまでワクチン接種を進めてきて、そちらの方に人員としてリソースというかをかけていたところを、コロナの治療の方、治療というかケア、入院だったりとかそちらの方にもOGの方であるとか、看護協会に登録されている方にも入ってもらうという形を考えてらっしゃるということでしょうか。

(知事)
 それは、我々というよりもまず看護協会の皆さん方に、そうした人員の話を申し上げて、例えばそれぞれ役割で玉をついていくということもあるでしょうし、それはその中で、まずはお考えをいただければと。ただ今ご質問があったように、今ぱっと人員が足りるのかといった点については、客観的な要因としてワクチン接種などで多くの皆さん方、ご協力をいただいていたわけですから、こうした皆さん方がそれぞれ動いていくということは当然考え得るのではないかと、このように考えています。

(幹事社)
 他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、こちらから質問は以上です。

(知事)
 はい、よろしくお願いいたします。

このページに関するお問い合わせ
徳島県 知事戦略公室
電話番号:088-621-2015
FAX番号:088-621-2820
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