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令和3年3月19日 臨時記者会見 フルテキスト版

5Gを活用した県立病院間における遠隔医療の実装について(説明)

(司会)
 それでは、ただ今から、5Gを活用した県立病院間における遠隔医療の実装についての共同記者会見を開催いたします。
 最初に、飯泉知事から発表をお願いいたします。

(知事)
 徳島県では、昨年、「とくしまSociety5.0実装に向けた連携協定」ということで、株式会社NTTドコモさんと締結させていただきまして、5G、IoT、ビッグデータ、AI、この活用をした地域の課題解決による新たな価値の創造に取り組んできているところであります。
 中でも医療分野、こちらにつきましては、次世代の通信規格であります5G、こちらを活用した取組みを積極的に進めているところであります。
 そこで本日は、株式会社NTTドコモ、三ヶ尻四国支社長さんにもご同席をいただきまして、新たに導入する遠隔医療支援システムについてご説明させていただければと思います。
 5Gを活用いたしました遠隔医療の取組みは、患者さんの負担の軽減、医師不足、特に専門医さんというのは地方の病院になかなかいないんですよね。
 こうしたことが生み出す医療格差、この解消など、地域医療の充実に大いに貢献することはもとよりのこと、今、新型コロナウイルス感染症が猛威を世界中でふるっているわけですが、感染症対策にも資するものであることから、昨年の1月14日から2月14日、1か月間、(徳島)県立中央病院と(徳島)県立海部病院とを5Gで結んだ、日本初となる遠隔医療に関する実証実験、こちらによりまして、特に人間の目と同じ解像能力を持っている4K、「4K高精細映像」を用いた糖尿病遠隔診療支援など、実際の医療現場における5Gの有用性を実証したところであります。
 そしてこの度、5Gとドコモオープンイノベーションクラウドを活用した5G遠隔医療支援システムを、3月17日水曜日には(徳島)県立中央病院に、そして、(3月)22日月曜日には(徳島)県立三好病院に、そして、(3月)24日水曜日には(徳島)県立海部病院に、それぞれ順次導入し、本格実装する運びとなったところであります。
 高速大容量、5G通信と高いセキュリティを持つクラウドを活用した当システムの医療機関への導入は、まさに全国初となるものであります。
 導入後は、内視鏡やエコー、超音波診断ですね、などを使った遠隔診断の導入、三好、海部、両病院での夜間、休日の救急対応におきまして、当直医が専門外の患者さんを診察する場合、(徳島)県立中央病院の専門医による支援、これを受けることが可能となって参ります。
 また、令和3年度早期には、(徳島)県立中央病院と(徳島県立)海部病院に、5G遠隔診療室を設置いたしまして、糖尿病の遠隔診療の運用を開始いたしますとともに、形成外科と皮膚科の患者さんへの応用など、各病院において、それぞれの技能に応じた活用策を幅広く検討、そして、実装いたして参ります。
 さらに、(徳島)県立総合看護学校におきましては、コロナ禍において、現場見学、いわゆる実習、こちらが困難となる中で、遠隔授業において、(徳島)県立中央病院から送られてくる高精細映像を看護教育に活用することで、その学習効果を高めて参ります。
 なお、去る3月13日土曜日には、(徳島)県立中央病院のドクターカーに5G通信機器を搭載いたしまして、救急現場からの患者さんの映像を搬送先の(徳島)県立中央病院に伝送する、5Gを活用した病院前診療シミュレーションを、NTTドコモさんと共同で行ったところであり、こうすることによって、1分1秒を争う救急医療において、しっかりと病院に着いた時には、どのような形で対処していくのか、その対処方針が確立される、救命救急効果が非常に高くなるということとなりますので、さらなる活用策につきましても、積極的に実装につなげて参りたいと考えております。
 NTTドコモ様におかれましては、引き続き、本県での未来技術実装にご協力をいただけますようにお願いを申し上げるところであります。
 それでは、今回のシステムの特徴、あるいは、シミュレーションの内容につきましては、三ヶ尻社長さんからご説明をいただきます。どうぞ、よろしくお願いたします。

(三ヶ尻四国支社長)
 ありがとうございます。ただ今、ご紹介いただきました、NTTドコモ四国支社の三ヶ尻と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、冒頭になりますけれども、本日、このような合同記者会見の場にお招きいただきましたこと、心より御礼申し上げます。
 私どもNTTドコモは、5G時代のデジタル技術を活用した新たな価値の創造、そして、社会課題の解決に取り組んでいるところでございます。
 今、知事からご紹介いただきましたように、昨年の6月に徳島県様と「とくしまSociety5.0実装に向けた連携協定」を締結させていただき、さまざまな地域の課題解決にご一緒させていただいているところでございます。
 そして、昨年1月、2月に取り組んだ、遠隔医療の実証実験。そして、その後、医療関係の皆様からいただいたご意見、ご要望を踏まえ、普段使いできる遠隔医療支援システムということで、この度導入、そして、社会実装し、お使いいただけることとなりました。
 そのシステムの特徴でございますが、今、皆さん、お手元にお配りしております、弊社、NTTドコモからのリリースのペーパーの別紙の方をご覧いただければと思います。
 こちらにシステムの構成図を記載してございますが、この5Gの上に書かれております、ドコモオープンイノベーションクラウド、こちらが特徴になります。
 これは、インターネットを介さずに5G網とつながるクラウド基盤でございます。それによって、5Gの特徴である高速大容量、低遅延といったスペックをフルに発揮できる。これによって、現地の病院、そしてこの病院間を結んだ医療機器のデータ、患者さんのカメラ映像、医師のカメラ映像、こういった情報を高精細映像でやり取りができるというものでございます。
 効果としましては、先ほど知事からもございましたように、現地の患者さんが、今まで通院していたところの移動に対する負荷であったり、あとドクターが往診に行かれている、移動に対する負荷、こういったところが軽減される、もしくは、地域間の医療格差の是正、その他、いろんなメリットが期待できると考えてございます。
 このドコモ5Gオープンイノベーションクラウド、そして5Gを活用した遠隔医療支援システムの導入は、徳島県様が国内で初めてとなります。
 そして、先週の(3月)13日、ドクターカーを活用した遠隔診療、これにシュミレーションとして取り組みました。
 その模様でございますが、まず、(徳島)県立中央病院様にご協力をいただきまして、我々の徳島支店の方、実際に患者さんがいると見立てまして、実際、ドクターカーに来ていただきました。
 その時に、そのドクターカーに乗車されているドクターに、実際、患者さんに模したその状況を、映像でERのドクターに伝送をしていただいたわけでございますが、やはりそういう救急救命の場で大事になるのが、現地に行かれているドクターの端末を操作する時の、簡易に操作できること、あと携帯できることでございまして、そういう面におきまして、日頃、お使いいただいていますスマートフォン、これにその画像伝送のアプリケーションをインストールして、実際に伝送を行っていただきました。
 結果としましては、通常、お使いになられているビデオ通話による映像よりも高精細な画像が伝送できたということが確認でき、高い評価をしていただけることができました。
 詳細な情報は、このあとの第2部の方でまた紹介をさせていただきます。
 あと、今後の展開でございますが、今後は徳島医療コンソーシアムへの更なる展開、そしてこの病院以外の場所、先ほどご紹介させていただきましたドクターカーにおける救急診療の場所であったり、あとは訪問診療であったり、このキャリアのモバイルの特性を活かした広がりということに、徳島県様と今後も取り組んでいきたいと存じます。
 そして、この徳島で今、まさに社会実装される遠隔5G、そしてドコモイノベーションオープンクラウドを用いた遠隔医療支援システムを我々としては全国に広げていく所存でございます。
 引き続き、「とくしまSociety5.0」実装に向け、この医療分野のみならず、農業、教育、防災、さまざまな分野でこのデジタル技術を活用して、徳島県のさらなる豊かな未来の実現に貢献していきたいと考えてございます。
 引き続き、よろしくお願い申し上げます。私からのご挨拶は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

5Gを活用した県立病院間における遠隔医療の実装について(質疑)

(幹事社:時事通信社)
 では、各社さん、ご質問をお願いします。

(時事通信社)
 全国初という部分は、これは、このクラウドを利用した5Gの遠隔医療支援システムの医療機関への導入ということですよね。

(三ヶ尻四国支社長)
 はい。

(時事通信社)
 5Gの遠隔医療の導入だけではなくて、このクラウドを利用したところというのがポイントなんでしょうか。

(三ヶ尻四国支社長)
 このドコモの、先ほど申し上げました、インターネットを介さずに、要は我々閉域っていうんですけれども、そういった形、セキュリティの高い状況でお使いいただく。
 それを、実際の医療行為でお使いいただく、遠隔医療の支援として使っていただくというのが全国で初めてとなります。

(知事)
 というのは、私が冒頭で申し上げたように、昨年の1月14日から2月14日に、4Kの高精細を、いわゆる5Gで、ドコモさんと一緒に、「(徳島)県(立)中(央病院)」と、「(徳島県立)海部病院」を結んだ、その遠隔診断というのは、もう既に日本初でやってますから。
 当然、今回は、さらにこれを、イントラの世界の中で、そこでセキュリティを高め、切れないという、これが大変重要になってくる。こうしたものは当然、日本初と、さらに進化をしたということですね。

(時事通信社)
 1月から2月に実施した実証実験から、今回、改善したポイントとしてはどういったところになりますでしょうか。実証実験の結果を踏まえて改善したということなんですが、具体的には、例えばどういった部分を改善して、実装に向けて取り組んだというふうになるんでしょうか。

(三ヶ尻四国支社長)
 まず、一つは、実証実験の時はインターネットを介してやってました。なので、今回、もうまさに特徴であるクローズに、セキュリティが高い状況に変えたというのがまず大きな1点になります。
 次に、簡易に操作できるということですね。今回、「ソリトンシステムズ」さんの「Zao」というシステムを使っているんですけれども、これによって、実証実験の時って結構、専門的な機材を組み合わせてやってましたので、ドクターとか医療関係の方々がセッティングしたりするのって結構大変で、我々が一緒に入ってやらせていただいたんですが、今後、やっぱり普段使いできるようにさせていただいたというのが、大きな取組みのポイントになっていきます。

(知事)
 つまり、実証実験から実装へと、実際、現実に使いやすくすると(いうことです)。

(三ヶ尻四国支社長)
 そういう意味でいうと、そういった形で、今、知事(に)おっしゃっていただいたように、もうまさに社会実装で、普段使いというところになります。
 あともう一つが、当時は1対1の接続でした。「(徳島県立)海部病院」と「(徳島県立)中央病院」さんを1対1に結んでたんですけれども、今回、n対nで結べるようにしています。
 なので、今回、3病院でとりあえずスタートさせていただきますけれども、その3病院間で、1対1以外でも設定ができます。n対1でもできますし、1対nでもできますし、n対nでも機能的にはできますので、複数の拠点で患者さん、ドクターがいろんな情報交換をしていただけるという意味で、もうまさに、実装で普段使いにつながっていくような改善ということでやらせていただいています。

(知事)
 これは、先ほど紹介をさせていただいた「(徳島)県立総合看護学校」の生徒さんたちが、いわゆる遠隔授業を受けるといった点にも、一つの映像を多数の、nの生徒さんたちが見ることができると。非常にこれもありがたい。今後の「ニューノーマル」の授業の在り方ということになるんですね。しかも、セキュリティが高いと(いうことです)。

(NHK)
 (徳島)県立の3病院は、システムが導入されるということで、何か装置みたいなのが導入されたりするんでしょうか。

(知事)
 今後のスケジューリング的なものを申し上げていくと、まずドコモさんの持たれている「キャリア5G」、こちらについては令和2年度中に、先ほども申し上げたように、まず、伝送機器の設置については、3月17日(に)「(徳島)県(立)中(央病院)」、3月22日に「(徳島県立)三好(病院)」、3月24日に「(徳島県立)海部(病院)」という形で、これによって無線基地局の設置、またLANの配線の整備、そして、この伝送機器の設置、これによって使うことができるようになると。
 さらにもう一段踏み込んで、実は「ローカル5G」、こちらについては、令和2年度中に「(徳島)県(立)中(央病院)」、そして、「(徳島県立)海部病院」、こちらに無線基地局の設置を完了すると。そして、年度を越えて令和3年度中には、「(徳島県立)三好病院」、こちらに無線基地局の設置。そして、3病院でのLAN配線、また、伝送機器などの設置を完了する予定になっております。

(読売新聞社)
 2,021年度早期の運用開始を予定とあるんですけれど、具体的に何月ぐらいが目標(かお聞きします)。

(知事)
 これは機器整備、その導入いかんですのでね。また、そういったものも、今、全国で5G、当然、「キャリア5G」、「ローカル5G」、ともに全国争奪戦にもなってますのでね。そういったものも分かれば、分かり次第、公表させていただきます。当然、記者の皆さん方に出していただかなければならないのでね。

(読売新聞社)
 インターネットを通さず、イノベーションクラウドを使うことによって、高セキュリティだということなんですけど、それはインターネットを通さないことで、外部に情報が漏れないという意味で高セキュリティという意味ですか。

(三ヶ尻四国支社長)
 イエスです。

(知事)
 今、基本的にというお話があったんで。
 日本全体というか、世界的なこのネットの世界というのは、インターネット、つまりオープンになっているものと、イントラネット、完全にその輪っかが閉じているもの、この二つに分かれて、もちろんインターネットの場合には、アラートをつけない限りはいくらでもどんどん抜けちゃう。当然、アラートをつけてももう抜けるのが前提(です)。多くの人たちが汎用的に使えると(いうものです)。
 イントラはそうではなくて、ある一定の閉ざした空間に、これでもやられることはあるんで、国の機関でも、例えばアラートをつけるということをやると。で、常時、監視すると。
 よく年金機構で情報が抜けたっていう話が昔、あったじゃないですか。あれはイントラなんですけど、そういったものをつけてたんだけど抜かれると、それは、放っていたらね。
 ということで、大きく二つに分かれる。オープンイノベーションで、どんどんみんなで使おうっていうもの、インターネットと、ある閉ざした空間で、高セキュリティを担保しようというイントラと、この二つだと、まず。

(三ヶ尻四国支社長)
 今回の場合は、名前はオープンイノベーションクラウドなんですけど、実際に物理的には弊社のNTTドコモの設備の中で構成しておりますので、インターネットには出て行かない。
 なので、物理的にインターネットをオープンに出て行くことはないんですけど、ただ、我々としては、いろんな方と一緒にイノベーションを起こしていきたいという意味で、名前はオープンイノベーションクラウドと。
 だから、セキュアな、セキュリティの高いオープンイノベーションクラウドという形でご理解いただければと(思います)。

(幹事社)
 それでは、会見を終了します。ありがとうございました。

(知事)
 では、よろしくお願いします。

(三ヶ尻四国支社長)
 ありがとうございました。

(知事)
 ありがとうございました。

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