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令和元年12月27日 年末(臨時)記者会見 項目別

この1年を振り返って(説明)

(幹事社:司会)
それでは、知事から発表事項の方をお願いします。

(知事)
発表事項というよりも恒例の仕事納めにあたっての、年末会見ということであります。
まずは、今年の1年振り返るにあたって、仕事始めの時に皆さま方にも申し上げた、干支占いであります。今年は実は己(つちのと)亥(い)の年でありました。己亥の年、どんな年になるのか。これまでの乱れを改め、そして、新世代、つまり、次世代へ向けた新たなスタートを切る年と、このように占われています。では今年はどうだったのか。
もう、言うまでもなく、「平成」の世から「令和」の御代へと、5月1日から改元が行われ、令和時代が新たにスタートとなりました。
これによって様々な皇室行事も目白押しとなる中で、10月に行われた大嘗祭、大嘗宮の儀、大饗の儀、合わせてということになりますが、ここでは、徳島発のものがどうしても必要となる。神の依代となる麁服(あらたえ)。こちらが作られ、そして献上される。新しい御代になると、徳島から、といった点でも徳島が発信をされた新たな幕開けとなったところであります。
また人口がどんどん減っていく日本の中で、今働いているお一人お一人をやはり大切に、そして健康にということでの「働き方改革」。また、出入国管理法を改正する形で外国人材を家族ごと受け入れる。新しい時代がスタートを切ることとなりました。
また、今年から3年連続で国際スポーツ大会がスタート。ラグビーのワールドカップの開幕となり、ジャパンが大いに頑張っていただいた。初のベスト8入りということで、「ONETEAM」流行語大賞にもなったところであり、いやが応でもラグビー熱、盛り上がるとともに、ラグビーのワールドカップ、そして、オリンピック・パラリンピック。
さらには徳島をはじめ、関西広域連合の地などで行われるワールドマスターズゲームズ。これを3年連続で行う、この日本標準、といったものが次のパリ、そしてフランスへと引き継がれ、世界標準という新たなスポーツの世界を切り拓く、そうした年にもなったところであります。
しかし、明るい話題ばかりでは、やはり、ないんですね。
災害列島。こう予告をしたそのとおりとなりました。特に地球温暖化が成せる技ということで、台風の巨大化、またルートが従来と全く変わってくる。本来台風が来ないであろうと言われていた関東、東北こうしたところを直撃をする、大きな影響を与える、ということで関東東北それぞれのエリアに大きな爪痕を残すこととなる台風15号、19号、そして21号の余波となったところであります。
そして世界情勢。特に季節定期便が飛び、そしてまた次も飛ぼうとしていたその対象エリアである香港。ここで民主化を求めるデモが長らく続き、中国全体、また世界をも揺るがし、巻き込むこととなりました。
さらに、日EU・EPA、あるいはTPP11。経済のグローバル化、その波を日本が飲み込む。さらにアメリカとの間での日米貿易協定が、いよいよスタートを切ることともなりました。
こうした形で、まさに、干支占いがピッタリとはまる。こうした今年1年ではなかったのかと思います。
では、こうした中で徳島はどうであったのか。振り返ってみたいと思います。
まず徳島では新たな4年間の行動計画。「『未知への挑戦』とくしま行動計画」がスタートを切る年となり、そして徳島版「SDGs」テイクオフとなりました。SDGs、中々、人口に膾炙(かいしゃ)されていない、などとも今年の前半では言われていましたが、実は2015年9月日本をはじめとする国連加盟193カ国・地域が、2030年までに達成をしなければ、持続可能な世界を築き上げていくことは難しいと言われた、実は17のゴールズ。そんなに新しいものでも、また、達成の基準年は、あと約10年、身近なものであります。逆に日本で話題にあまりなっていなかったことの方が、不可思議な点でありました。しかし、これを徳島としては前面に据え、徳島県のあらゆる施策がSDGs、その達成に向かって進んでいく新たな時代の幕開けとなったところであります。
また、国の「働き方(改革)元年」。これにもしっかりと呼応し、そして日本のモデル、もっと言うと公務員などのモデルを築き上げて行こうと。若手のタスクフォース結成をし、彼らからの意欲的な提言、これを受け、やはり一番大きな足かせとなっていたのは予算編成だ。こうした点で、例えば夏休み期間中に行なっていた「サマープロデュース」、これを全面的に廃止をするとともに、財政課の職員にとっても働き方改革となる「マイナスシーリング」の廃止。これによって要求側は自由な発想で要求することができ、財政課の職員にとってみてもそれぞれのシーリングに各部局押し込めなければならない。こうした無駄な作業を行う必要がなくなってきたんですね。
また、今行っている、これ年末の会見ですけどね、定例記者会見。従来長らく私が知事になって、徳島県では月曜日に行って参りました。しかし、月曜日に定例会見を行うと結局土日に起こった事象。これをしっかりと受け止め、それへの対策対応といったもの、これをやはり記者の皆さん方を通じ、県民国民の皆さん方にお伝えしていく必要がある、ということで結果として土日に出勤をしなければならない、そうした部署が出てくる。そこで、若手タスクフォースからは定例記者会見の日にちを金曜に移してもらいたい。そして、記者クラブの皆さん方のご了解を得る形で、今では金曜日、開催をさせていただいております。
また「RPA」。働き方改革となり、公務員の残業を減らし、休暇をしっかりと取っていく、となりますと、県民の皆さん方へのサービスが低下をせざるを得ない。普通はこう考えるんですね。しかし、徳島の場合には、職員の働き方改革、そして逆にこれを機として、県民の皆さん方へのサービスを逆に充実をしていこうではないか。レスポンスを早く返していく。ということで、出納局を中心としてRPA、プログラミングの中にロボットを入れて、ロボットにはまだ働き方改革の対象になっておりませんのでね。24時間365日意欲的に働いてくれる。これを導入をすることによって、特にバックオフィス業務、こちらを96.2%にするんではなくて、削減可能。つまり、従来100名で行っていた用務を4名必要ではない、という形。そして今年はそれを全部局に実装する、まさに働き方改革元年ともなったところであります。
また、それぞれの例えば施策の柱ごとで見て参りますと、「笑顔とくしま・県民活躍」実装といった点では、消費者庁の皆さん方が消費者行政新未来創造オフィスとして徳島県庁の10階に3年次間、社会的実証として行なってみようではないか。
その集大成として、日本が初議長国となったG20でありますが、9月の5、6日「G20消費者政策国際会合」がなんと消費者庁と徳島県の共催という日本でも異例の形で行われ、そしてデジタル新時代における消費者行政の新たな課題をテーマとするとともに、その底流には、SDGsといかにしっかりと達成をしていくのか。特に「エシカル消費」については、そのうちの12番目、「つくる責任、つかう責任」。ここに当たることともなりますし、エシカル消費を通じ環境対策、食品ロス問題、貧困対策。こうした点にも、徳島発で、大いに貢献をすることとなる、大変裾野の広いテーマとなったところであり、やはり各国が共通に言うのはエシカル消費であり、一番重要なのは、消費者教育をしっかりとしていく、エシカル教育の必要性でありました。しかし、既に徳島では、高校生を主軸として消費者庁が作った「社会への扉」。この教科書によりまして、まさに新たな消費者教育、成年年齢の18歳引き下げをしっかりと迎え撃つ体制を、そして、全国のモデルを築き上げてきたところでありますし、エシカル消費の中の大きな基軸、世界的な標準である「フェアトレード」。徳島商業高校の皆さん方がカンボジアとの間で築き上げていただいたものは、まさに、日本のモデル、世界のモデルとなったところであり、ちょうど今日、これらのレガシーとして全国の意欲的にエシカル消費に取り組んでいる高校生の皆さん方が地区予選を勝ち抜き、そしてその本戦を競っている「エシカル甲子園2019」の開幕へとつながってくることとなりました。
次に、「強靭とくしま・安全安心」実装といった観点でも、全国知事会におきまして、この災害列島を迎え撃つ、その意味で東日本大震災発災を契機として、制度化をした「全国知事会緊急広域災害対策本部」。こちらを台風19号が過ぎ去った10月14日直ちに発動し、そして、大きな被災を受けた6県を中心とし、徳島をはじめ30都道府県9,600名の職員の皆さん方が、各首長さんを支える災害マネジメント総括支援員として、また、被災者の皆様方にしっかりと寄り添う、罹災証明をいかに早く発給するのか。これがなければ様々な国・地方からの支援を受けることができない。住家被害認定調査など対口支援。これらを行うとともに、今では、復旧復興期、フェーズが変わりましたので、土木あるいは農林などの技術職員の皆さま方の中長期派遣へと、そのフェーズを変えていくこととなり、そのカウンターパートとして徳島におきましては、全国知事会会長県として「徳島県緊急広域災害対策本部」こちらを立ち上げ、全国知事会とともに全国に対しての災害支援、これを強力に行ってきた、そうした1年ともなったところであります。
また、平時においては産業活性化、また観光振興など。また、いざ発災となった場合は「命の道」となる高速道路の整備。これも大いに進んだ1年となりました。例えば、四国横断自動車道。こちらについては、なかなか進度が、ということがありましたので、特に、新直轄区間、最初に指定をされた小松島阿南間。1日も早くこれが具現化をするように、ということで、県が事業主体となる地域活性化インターチェンジ。これを立江櫛渕に、国の方から連結許可が出たところであります。これによって阿南インターチェンジから立江櫛渕インターチェンジまで、そう遠くなく供用開始の目標年次が国から出されてくるんではないか、その準備が整ったところであります。また、そこから南へ行く阿南安芸自動車道。まさに最初に徳島が「命の道」と名付け、今では全国が「命の道」、このように言っているわけでありますが、そこに「海部野根道路」がいよいよ新規事業化なされたところであります。
また、徳島道に目を転じてみますと、対面通行区間が非常に長い。交通事故、あるいは災害によって長時間途絶を高速道路がしてしまう。これでは産業物流また救援救助多くの点で支障をきたすではないだろうか、ということで様々な政策提言を長年行ってきたところ、国においていよいよ優先的に4車線化をしていこうと、そうした優先区間。こちらに全国で2番目に長い55km。藍住インターチェンジから四国中央市にあります川之江東ジャンクションまでの間。こちらが指定をされることとなり、4車線化に大いに弾みがつくこととなりました。
さらには利便性ということで、一番この区間の中でも長いと言われている土成インターチェンジから脇町インターチェンジ間。ここに阿波スマートインターチェンジが連結許可、なったところであります。こうした形で高速道路の整備充実。こうした点でも大いに進んだ1年ではなかったのかと思います。
そして「発展とくしま・革新創造」の実装についても、例えば、鉄道をいかに守っていくのか。
JR北海道では半分の在来線が廃止になる。大変ショッキングなニュースが流れました。これを迎え撃たなければならないJR四国はもっと厳しいんではないか。こうした予測の中、JR四国の皆さん方が中心となり4県知事も参画をする、この四国の鉄道のあり方。それを決めていく懇談会もスタートを切っているところであり、この中で、より未来へ向けて持続可能な対策を進めていく意味で、JR四国としては今年の春ダイヤ改正において、初となるパターンダイヤ。そして、収益としては、一二に厳しいと言われる牟岐線にこれを導入をする。また、我々徳島県としても、これを奇貨として、路線バス。こうしたものとの連結をしっかりする南小松島駅に路線バスを集結をさせる。こうしたことによって牟岐線の乗降客数といったものが大変増える。2015年以降では最高数となったところであります。
また、そうした中で、当然のことながら夢の乗り物となる、そこから南、阿佐東線では、DMV。いよいよ3台が新たに作られ、お披露目。そして、バスモードとしては既に活躍を始めていただいております。京都の鉄道博物館、こちらの方でも自走して行き展示をし、全国の鉄道ファンの皆さん方を魅了した。そうした年でもありました。
4番目としては「躍動とくしま・感動宝島」の実装についてであります。先ほどの世界標準となった国際スポーツ大会。ラグビーワールドカップでは強豪ジョージアをお迎えをし、事前チームキャンプ、スクールビジット、公開練習など徳島の皆さん方にラグビーの魅力、いかんなくPRをいただいたところであります。
そして、そのレガシーとして来年のパラリンピックでは、ジョージアの皆さん方が徳島をホストタウンということになったところでありました、来年の東京パラリンピック。ジョージアの代表パラリンピックチームを徳島がお迎えをすることとなりました。また来年の東京オリパラ。特にドイツ。さらにはカンボジア、ネパールがホストタウンであります。それぞれのチーム代表の皆さん方が徳島で事前キャンプを既に今年のうちから行っていただいてるところであり、水泳、アーチェリー、カヌー、柔道、ハンドボールと多くの競技、世界標準のものを徳島の皆さん方にもお見せをし、その施設整備、こうしたものも着々と進んできた1年でありました。
さらには、文化の面でも世界へ阿波文化が大きくテイクオフとなった1年となりました。
例えば、4大モチーフ。日本初2度にわたる国民文化祭。その4大モチーフ筆頭である阿波藍。こちらがいよいよ日本遺産、指定をされることとなりました。来年の東京オリンピック・パラリンピックでは、いうまでもなく、組市松紋の藍色、藍色といえばジャパンブルー、ジャパンブルーといえば阿波藍ということで、オリパラと共に阿波藍が世界へテイクオフをする、その準備も整ったところであります。
また、阿波人形浄瑠璃。こちらも、ヨーロッパでは、人形浄瑠璃ではなく、マリオネット。こちらが芸術として各地で演じられる。それを大きな3人遣いの人形で、まさに幽玄、人形が人間に見えてくる。こうした点が評価をされ、パリのユネスコ本部、招聘(しょうへい)がかかり、そしてその公演を行ったところ、これまで様々な日本の芸術文化がここでお披露目をされましたが、過去最高の入りとなり、パリジャンをはじめとするフランス、ヨーロッパの皆さん方に阿波人形浄瑠璃の魅力。その芸術性といったものが高く評価をされた年でもありました。
また、阿波おどり。今徳島では、春のはな・はる・フェスタ阿波おどり。そして夏本番。そして県が主催をする「秋の阿波おどり・大絵巻」。阿波おどりの通年化、これを図っているところでありますが、特に秋の阿波おどり。これまでにない形を取りました。4日間行うだけではなく、この中で、「世界阿波おどりサミット」。世界中で阿波おどりが踊られてるところであり、その皆様方に阿波おどりの聖地、徳島へ結集をしていただこうと。そしてこの中で阿波おどりへの世界宣言がなされ、徳島の宝から阿波おどりは、いよいよ世界の宝へとテイクオフとなりました。
そして、「循環とくしま・持続社会」実装といった観点でも、いうまでもなく、世界中が脱炭素へカジを大きく切ってる中、COP25で日本は、不名誉な化石賞を2度目、受賞をすることとなります。
しかし、そうした中で、地方公共団体、都道府県、市町村はそうではなく、先進的に取り組みを進めております。徳島も「環境首都とくしま」、これを標榜する以上は、ということで脱炭素社会。これを掲げる条例、「すだちくん未来の地球条例」でありますが、これを制定をし、そして緩和策、適応策、三本の矢を既に放ってるところでもあり、そうした意味では、脱炭素社会に向け、徳島としても様々な活動を行う。
その意味では、食品ロス、その全国大会を行い食品ロスを進める削減推進法が制定され、初の全国大会ともなり、大いに食品ロス、徳島から発信をすることもできました。
そして「エシカル甲子園2019」。全国8ブロック70校の皆さん方が参加をされ、その中から12校が決戦の場として今徳島に集まり、そして熱いバトルを未来へ向けて行っていただいてるところでもあります。
こうした形で今年の1年。世界が、日本が、そして徳島が、まさに干支で書かれたそのとおりの形となった1年ではなかったのか。このように思うところであります。
そうした意味では、様々な角度で報道をいただきました報道関係の皆様方に心から感謝を申し上げまして、年末の会見とさせていただきます。
どうも1年間ありがとうございました。

(幹事社)
では質問がある社は、お願いします。

 
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